中国経済、ソフトランディングでも海外の輸出企業には打撃か
3月26日(ブルームバーグ):中国政府が国内経済のソフトランディング(軟着陸)に向け取り組んでいるのは良い知らせだ。だが、そうしたソフトランディングでさえ、主要な収益源として世界2位の経済大国となった中国に依存する業界にとっては痛みを伴う悪い知らせかもしれない。
ドイツ銀行や野村ホールディングス(HD)、大和キャピタル・マーケッツのアナリストらは今月、今年の中国経済成長率見通しを引き上げた。金融政策緩和などを見込み最高で8.6%に達するとしているが、それでも昨年の実績9.2%成長には届かず、オーストラリア・英系の鉱山会社BHPビリトンやドイツの自動車メーカー、ダイムラーなどにとってはほとんど安心感が得られない。
米ピーターソン国際経済研究所のニコラス・ラーディ上級研究員は、「中国の成長は引き続きそれなりに強くなるだろうが、中国がけん引する商品のスーパーサイクルは鈍化しつつある。ここ4、5年の中国不動産ブームに乗った輸出企業はずっと厳しい時期を迎える」と述べた。
中国の温家宝首相は不動産市場の抑制策を維持し、設備投資への依存度を低め内需主導を重視した経済とする計画だ。こうしたことから鉄鋼とセメントの生産が落ち込み、鉄鉱石価格は昨年の高値から20%以上下落している。
INGフィナンシャル・マーケッツのアジア調査責任者ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は、中国共産党は安定的な指導部交代を望んでおり政策当局が急速な景気悪化を回避するために必要な措置を講じる用意があると指摘、「中国はまだ景気を支えるためにあらゆることをするというのが私の基本的な見方だ。鈍化し過ぎれば、刺激策を打ち出すだろう」と述べた。
原題:China’s Soft Landing May Be Hard for Commodity Exporters(1)(抜粋)
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更新日時: 2012/03/26 14:01 JST