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2号機格納容器 水位は60センチ
3月26日 20時45分

2号機格納容器 水位は60センチ
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東京電力福島第一原子力発電所の2号機で内視鏡を使って格納容器の内部を調べる2回目の調査が行われ、容器の底から60センチしか水がたまっていないことが分かりました。
東京電力は水温などから、「格納容器に溶け落ちた核燃料は冷やされていると考えている」としています。

内視鏡を使った調査はことし1月に続いて2回目で、前回、2号機の格納容器にたまっている汚染水の水位が確認できなかったことから、今回は前回より10メートル長い内視鏡を使い内部を撮影しました。
その結果、格納容器内の水位は底から60センチしかないことが分かりました。
2号機では、原子炉を冷やすためにいまも1時間当たり8.8トンの水が注入され、東京電力はこれまで格納容器の水位は3メートルほどあるとみていましたが、予想以上に水がたまっていないことから、「格納容器の下部にある圧力抑制室などから建屋に漏れているのではないか」としています。
また、格納容器の底に溶け落ちているメルトダウンした燃料の冷却については、「たまっている水の温度が48度ほどなので、燃料は冷やされていると考えている」としています。
今回の事故で2号機では、去年3月15日の朝に格納容器内の圧力が急激に低下し、東京電力は、何らかの破損があったとみていますが、詳しいことは分かっていません。
今後、福島第一原発の廃炉に向けては、格納容器の損傷か所を特定して修理し、水を満たして溶け落ちた燃料を取り出す計画で、水位が予想よりかなり低いことが分かったことで今後の作業は困難が予想されます。

専門家“残念な結果だ”

福島第一原発の2号機で内視鏡を使った調査した結果容器の底から60センチしか水がたまっていないことが分かったことについて、原子炉の設備や構造に詳しい法政大学の宮野廣客員教授は、「東京電力はこれまで水位は3メートルあると予測していたのでずいぶん水が少ないという印象だ。水位が60センチということは、水が漏れている格納容器の損傷か所は容器の底から60センチの高さより下にあると推測される。ただ損傷か所の大きさや範囲については注水量を増やして水位の変化などを詳しく分析してみないと推測するのは難しい」と指摘しています。
そのうえで「たとえ水位が60センチ程度でも、底に溶け落ちた燃料が水をかぶっていれば安全上の問題はないと考えられる。温度が50度ということは燃料は冷やされているとみられる。ただ、今後の廃炉作業では格納容器の損傷か所を修理して水で満たさなければならないため作業は困難が予想され、残念な結果だと言える」と話しています。

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