横浜市旭区の住宅で昨年12月、病死した2人暮らしの母子が発見されていたことが17日、神奈川県警旭署への取材で分かった。母親(77)の死後、小児まひと重度の知的障害がある息子(44)も孤立したまま死亡したとみられる。
同署によると、息子が通っていた福祉施設の職員が、同区中希望が丘の母子方の電話に誰も出ないことから昨年12月6日に訪問。玄関は施錠されていたが、開いていた窓からトイレ付近であおむけに倒れている息子を見つけて同署に110番した。駆けつけた署員が、台所で倒れて死んでいる母親とともに死亡を確認した。
行政解剖の結果、母親は解離性大動脈瘤(りゅう)破裂で昨年11月末に死亡、息子は発見前日の12月5日、肺気腫と呼吸不全で死亡したとみられる。
母親は高血圧と糖尿病を患い、息子は一人で歩いたり食事したりができない状態だった。息子が福祉施設への通所を嫌がったため、昨年9月から通わなくなっていた。父親が昨年夏に死亡してからは母親が介護していた。母子方の電気とガスの供給は続いていた。
近くに住む70代の男性によると、母子はあいさつ程度の近所づきあいしかなく、地元の町内会にも入っていなかった。
【倉岡一樹、宗岡敬介】
毎日新聞 2012年3月17日 10時34分(最終更新 3月17日 11時13分)
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