東松山市で19日、マンションの外壁工事の足場が倒れ、歩いていた保育園児2人が死傷した事故で、亡くなった北村波琉人(はると)ちゃん(6)の通夜が24日、ときがわ町の斎場で営まれ、親族や保護者ら約300人が早すぎる死を悼んだ。
読経が響く中、波琉人ちゃんの両親と妹が参列者に向かい一礼すると、参列者からすすり泣く声が聞かれた。また、園児たちは波琉人ちゃんのひつぎの中に手紙や折り紙などを入れた。
取材に応じた波琉人ちゃんの父親の伸明さん(42)は「心の中にぽっかりと穴が開いていて力が入らない気持ちです」と疲れ切った面持ちで語った。
県警によると、倒れた足場はマンション外壁と金具でつなぐなどの措置がなされず、固定されていなかったことが判明している。伸明さんは「少しでも安全に気を使ってもらえれば、息子が亡くならなかったと思うと悔しくてたまりません」と無念さをにじませた。
斎場の外では、足場を設置した業者の関係者が頭を下げ続ける姿があった。【田口雅士】
毎日新聞 2012年3月25日 地方版
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