グーグルの検索予測機能を巡る問題です。検索で、例えば「市川寛子」と打ち込むと「画像」「ブログ」「中央大学」などと出てきますが、実際、市川アナウンサーは中央大学出身ではありません。東京地裁はこのほど、こうした検索予測によるプライバシー侵害を認定し、グーグルに差し止めを命じました。
今回、差し止めを求めた男性の弁護士によりますと、この男性の名前を入力しようすると、途中から名前のほかに犯罪行為への関与を連想させる単語が検索候補の一つとして表示されます。この候補を選ぶと、男性を中傷する記事が検索結果として並びます。中傷記事は1万件以上あり、男性は数年前に勤めていた会社を突然、解雇されたほか、再就職先でも、ネット上の記事が原因で内定を取り消されたということです。名前だけで検索した場合は、中傷記事の検索結果がすぐ表示されないことから、男性は去年10月、検索候補の表示を差し止める仮処分を申請し、東京地裁は19日付でプライバシーの侵害を認定したうえで、これを認めました。しかし、グーグル本社はこれまでに、「社内基準に照らすと削除できない」と男性の弁護士に対して回答していて、現在も検索予測の表示を続けているということです。