名古屋市立大は19日、老化防止研究などの論文に改ざんや捏造(ねつぞう)があったとして大学院医学研究科の原田直明准教授(44)を懲戒解雇、監督責任者として岡嶋研二教授(58)を停職6カ月の処分にした。名市大の調査専門委員会によると原田准教授は熊本大研究生時代(05年)の1本を含む計8本の論文で過去の実験画像を新しいものとして使ったり、画像に手に加えたという。原田准教授は「論文作成中に、仮に作成したものを誤って使ってしまった」と説明しているが、調査委は信用できないと判断した。
監督の教授停職 岡嶋教授が責任著者を務めた論文19本で画像に手が加えられたり、他の実験画像の流用が判明した。調査委議長の今川正良副学長は「岡嶋教授の不正関与を裏付ける証拠はなかったが、本人が不正に気づいていなかったとは考えられない」と述べた。
処分された2人は育毛や老化防止、認知症予防に役立つ物質を研究。学外から指摘があり、昨年3月から調査委が調べていた。戸苅創(とがり・はじめ)学長は「研究機関としてあるまじきことで大変遺憾。早急に再発防止に努めたい」とのコメントを発表した。【河出伸】
毎日新聞 2012年3月20日 2時02分(最終更新 3月20日 9時50分)
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