過去の最高裁判例では、結果の重大性や犯行の残虐さを重視する流れにあり、それに沿った順当な判決。特に、争点の一つだった動機面について検討した結果を詳しく説明した点が印象的で、高裁は1審が裁判員裁判だったことを意識して検討したように感じた。
被害者の数や残酷な犯行態様から死刑という結論ありきで論理構成した判決に思える。動機面でも弁護側主張と1審判決の両方ともを一側面とするなど、結論が不明確だ。光市母子殺害事件の第1次上告審が求める「死刑を回避すべき特段の事情の存否の検討」という点でも不十分で疑問が残る。
毎日新聞 2012年3月23日 地方版
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