2012年3月22日 19時19分 更新:3月22日 20時15分
宮崎市で家族3人を殺害したとして殺人、死体遺棄罪に問われた同市花ケ島町、奥本章寛被告(24)の控訴審判決で、福岡高裁宮崎支部は22日午後、裁判員裁判で審理された1審・宮崎地裁の死刑判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。榎本巧裁判長は「動機は身勝手で自己中心的。冷酷かつ残虐で刑事責任は極めて重大」と述べた。
裁判員裁判で死刑判決を受けた被告の控訴審判決は、22日午前にあった長野市の強盗殺人事件の被告に対する東京高裁判決に続いて2例目。
弁護側は控訴審で、臨床心理士による被告の心理鑑定を証拠提出し「被告は犯行時、義母からの叱責などにより精神的に疲弊し、意識狭さくといえる状態だった」と主張。3人を殺害した動機について「義母から逃れたいことに尽きる」として無期懲役を求めた。
判決は動機について「『当時の生活を清算し一人で自由になりたいと考えた』と判断した1審判決は是認できる」と指摘し、弁護側の主張を退けた。そのうえで「義母の言動に殺される契機となる落ち度はなく、長男や妻の殺害は理由なき殺人にも匹敵する」と非難。「被告の反省の深まりなどを考慮しても、1審判決の量刑を左右するほどの不合理な点はない」と断じた。
判決によると、奥本被告は10年3月1日、自宅で生後5カ月の長男の首を絞めるなどして殺害。妻(当時24歳)と義母(同50歳)の頭をハンマーで殴るなどして殺害した。【中村清雅、川上珠実】
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