つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【社会】原発工事 高浜町副議長の会社も巨額受注関西電力高浜原発が立地する福井県高浜町の粟野明雄副議長(62)が社長を務める鉄工会社が二〇〇八〜一〇年度の三年間で、関電や関連会社が発注する工事を少なくとも計八十八件、三億八千三百九十三万円分を受注していたことが、本紙の取材で明らかになった。同町議会は昨年九月、福島第一原発事故後に全国で初めて、原発の再稼働などを求める意見書を賛成多数で可決したが、粟野副議長はその提案者だった。 会社は高浜町に本社を置く「粟野鉄工所」。県の工事経歴書によると、高浜原発2号機の「復水ポンプ吊(つ)り上げ開口部修繕工事」(約二千四百七十八万円)などを受注。同社の年間売上高は二億五千万円前後で、高浜原発関連の工事は平均六割近くに上る。 意見書は「『脱原発』に大きく振れてしまうことなく、世界最高水準の安全確保を前提として今後とも原子力発電所を堅持することとなるよう」などとし、定期検査後の原発の再稼働や核燃料サイクルの維持など六項目の実現を政府などに求める内容。 町議会議事録によると、粟野氏は意見書を審議した昨年九月定例会で「高浜町は幸か不幸か原発とは切っても切れない関係にある」などと提案理由を述べていた。採決で反対したのは全町議十四人のうち、共産党議員一人だけだった。 粟野氏は本紙の取材に「意見書は信念があってのこと。仕事が欲しくてむちゃをする道理がない。意見書提出は事前に議員みんなの意見を聞いている」と話している。 県の工事経歴書によると、意見書に賛成者として名を連ねた別の町議(50)が社長を務める電気工事会社も〇八〜一〇年度の三年間に、関電の下請け企業から原発の関連工事を計二十五件、六千三百六十三万円分を受注していた。 関電広報担当者は「個別の契約に関しては答えられない」とコメントしている。 高浜原発は3号機が今月二十日定検入りし、四基すべてが停止している。関電は一月、1号機の再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)の結果を提出し、経済産業省原子力安全・保安院で審査している。 PR情報
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