大阪府市統合:新聞記者と役所の癒着問題が露呈

 3月14日付の一部新聞に大阪府・市統合本部の特別顧問、参与の報酬に関する記事が出ている。だが、これは府庁が提供した間違った数字である。

真実は以下の通りである。

1、誤報

新聞は「府と市が昨年12月末から2月までの間、計419万円の謝礼を支払った」と報道している。だが報酬は1月分しか支払われていない。単なる遅延ではない。算定作業そのものが止まっている

2、個人情報保護法違反

 「最高額はAさんの2月分XX万x千円」という記事もウソ。支払われた事実はない・・・当事者から裏を取らずに役所から与えられた情報だけで記事を書いたのだろう。当の本人には、役所は算定金額すらしらせていない。
 
 記者はなぜ役所が職員の身分を有しない顧問や参与の毎月の報酬額を漏らしてくれるのか、不思議に思うべきだった。結果的に記者は組織的な個人攻撃を手伝った。記者が当人に問い合わせる裏取り作業を怠った代償は大きい。デスクもいい加減だ。


3.異変、不審、疑惑

 昨年まで府庁では各顧問、参与に対しては翌月末に仕事の実績表が送られ、内容の真偽のチェック、そしてほかの仕事で大阪に来た時の交通費の放棄や一部業務の報酬辞退などの確認がきちんと行われていた。その上で額を決め、翌月に報酬が速やかに支払われていた。それでも間違いがあった。放棄したはずの交通費を計上、桁違い、計算ミスなど。必ずと言っていいほど修正をしていた。
 
 ところが今年は確認、精算作業が止まったままだ。経緯は不明、意図は不審である。

 そして3月14日、突如、「府によると」として特定顧問、参与の固有名詞別の2月の実績と称される数字が紙面に載った。

 だが府庁は各顧問や参与がやった仕事の時間や内容確認も、交通費の精算確認も一部報酬の辞退の意思確認も何もしていなかった。つまり根拠のない過大な金額を本人たちの事前了解を得ずに「報酬を払った」と偽ってプレスに提供した。
 
 これはプレスを使って「過大報酬」という報道をさせるための偽情報拡散行為ではないか。

 各紙の反応はどうか。

 一流紙は裏を取り、嘘と気付いて記事にしなかった。二流紙は府庁職員が提供した数字を信用してそのまま掲載した。

 今後、法曹も関与した大々的な真相究明作業が始まる。プレス諸君に申し上げたいのは、

1、役所のいうことは絶対にそのまま記事にするな。役所は自爆テロをしてでも記者に嘘情報をかかせようとする

2、役所はミスのふりをしてとんでもないことを仕掛けてくる。悪事がばれても「たまたまのミスです」と言い張る。そしてひたすら謝罪してそれでケロリとしている。あるいは更迭として実は単なる人事異動をして真相究明を遅らせる。

 これをただすにも改革の基礎工事の一つ。特別顧問団としては本件は徹底的に究明し、責任追求、損害賠償請求、刑事民事の訴訟等をやっていく。今回の例のようにマスコミもいつの間にか権力の手先になる。「気を付けよう、あっという間にパシリ記者」・・お粗末様でした。

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登録日:2012年 03月 20日 11:57:17

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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