大阪市営地下鉄の終電延長を検討 府市統合本部、民間並みに

以下日経
 終電時間が関西の私鉄やJRより20~30分早い大阪市営地下鉄について府市統合本部が、終電時間を民間並みに遅らせる検討に入った。通勤客の利便性向上や繁華街の活性化が狙い。橋下徹市長も市議会で都市の魅力向上に向けて「終電の問題は重要」と述べ、時間延長に意欲を見せている。
 御堂筋線梅田駅の終電時間は北に向かう千里中央(豊中市)行きが午後11時54分、南のなかもず(堺市)行きが午前0時8分。一方、梅田発の終電は阪神電車の尼崎行きが同0時35分、阪急電車の西宮北口行きが同0時25分。JR環状線も大阪発京橋行きの終電が同0時30分と、それぞれ地下鉄に比べて20~30分遅い。

 東京メトロ丸ノ内線銀座駅の終電も池袋方面が同0時21分と市営地下鉄より遅く、「大阪は夜の帰宅が不便」との声が上がっていた。統合本部は終電時間を民間並みに遅らす案などを検討。ダイヤ改正にはシステム改修なども必要となるため、実施時期などについて地下鉄を運営する市交通局と協議する方針。

 一方、統合本部は同日、地下鉄運賃を10~20円下げた場合に10億~60億円の減収が発生するとの試算を橋下市長に示した。橋下市長は6月をメドに、地下鉄運賃の引き下げや民営化の道筋について決定する方針。民営化後の経営安定のため、「値下げ幅は慎重に判断する」(統合本部関係者)という。

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登録日:2012年 03月 24日 10:28:25

労使関係の正しい距離感は難しい

以下は毎日放送。
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE120323171200551964.shtml

確かに労使癒着は問題だ。だが、労使がいつも対決しているべきというのもおかしくないか?
労使のコミュニケーションがなくなると紛争処理は難しくなる。要は緊張感と節度をもった労使関係と一定の透明性が大事であって、労使が親睦を深める場面があってもいいのではないか。

労組が経営方針を議論したり批判したりするのもあってよいだろう。
大阪市の多くの現場の場合、癒着、あるいは不必要な労組の業務介入があったのは
事実だ。市長選挙への介入なども論外だ。

だが相互のコミュニケーション自体は大切だ。
いい仕事をするという使命感は労組にもある。労使で共有できる価値観もある。
労使の対話自体は続けていってほしい。

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登録日:2012年 03月 24日 00:18:40

新著「住民幸福度に基づく都市の実力評価」(時事通信社)

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この本は、地域ビジョンを作ろうとする際には必携です。
「住民幸福度に基づく都市の実力評価-GDP志向型モデルから市民の等身大ハッピネス(NPH)へ」 上山信一(監修)・玉村雅敏(副監修)・千田俊樹(編著)(時事通信社、2012/3発行)

 都市や地域の実力を測る「ものさし」は、いまだに経済力(GDP)や財政力だとされることが多い。実際、地域経営や都市政策の実務においてこれまで経済成長が重視されてきた。そして、豊かさは成長の結果として後からついてくると考えられてきた。
 しかし、時代は大きく変わりつつある。末期的症状の世界経済、成熟化する社会の姿を目の当たりにし、誰もがこの常識に疑問を持ち始めている。
 では、どうすれば良いのか。本書は、これからの都市経営ではGDP(域内総生産)の最大化よりも個々の市民の等身大の幸せ(NPH:Net Personal Happiness)の最大化を目標にすべきだと説く。
 NPHとは、GDP(Gross Domestic Products)に対置する新概念である。文字通り「個々の市民の視点に立った」(Net)「等身大」(Personal)の「幸福度/生活充実度/人生充実度」(Happiness)を意味する。
 NPHを支えるのは第一に人と社会のつながりである。第二に環境・アメニティの充実、そして第三に所得・雇用である。この3つがセットで充実すると“幸福”に近づく。そして経済成長はNPHを充実させる努力の結果として後からついてくると説く。
 このアイデアは、著者たちが所属する新潟市役所の都市政策研究所(所長:上山信一慶大教授)の約4年間の調査活動から生まれた。同研究所は市民生活、産業、環境、交通、社会関係資本などさまざまな切り口から新潟市の実態を調べた。その作業を通じて、新潟ではこれからの共助社会を支える社会関係資本が豊かに蓄積され、暮らしやすい地域社会が形成されていることを発見した。そして都市の実力は経済力によって決まるのではなく、市民一人ひとりの幸せを支える環境の充実ぶりで決まってくると考えるに至った。
 本書は3部からなる。第I部ではNPHの基本的な考え方を論じる。第II部ではNPHの視点にたって都市・新潟の実力評価を行った。環境、交通、米作、産業などの実態をていねいに分析し、課題をあぶり出した。事実と数字に基づく分析手法は他の自治体でも参考になるだろう。またこれらの分析は、次のような問いへの解答を示す。
 (1)新潟の米作りと水田は今後も持続可能か?
 (2)高齢化の中で自動車依存の交通体系はどこまで維持可能か?
 (3)豊かな田園が広がる新潟市だが、水質、空気、CO2に問題はないのか?
 (4)助け合い精神にあふれる新潟の地域コミュニティを今後どうやって維持するか?
 (5)日本酒や米菓に代表される新潟の食品工業群を今後どうやって維持するか?
 (6)ニューフードバレー戦略とは何か?
 また、第III部では、これからの都市戦略づくりにおいて自治体シンクタンクの果たすべき役割は何かを問うている。
 本書は、主に新潟をベースにした評価、分析であるが、多くの地方都市に共通する課題への挑戦でもある。その意味で、各地で地域・都市のビジョンづくりに真剣に取り組む方々に大きなヒントを与える必読の良書である。

●主な構成(目次)

第I部 都市の実力評価の視点

第1章 変わる評価の「ものさし」
 1 機能低下する地方経済の発展モデル
 2 GDP志向の限界
第2章 新たな評価の枠組み――GDPからNPHへ
 1 決め手は個々の市民の等身大ハッピネス(=NPH)
 2 NPHの捉え方

第II部 幸福度の具体的評価とその背景

第3章 NPHから新潟市の実力を評価する
1 評価方法
2 評価結果

第4章 「社会とのつながり」を点検する
1 新潟市における社会関係資本と住民ハッピネスの関係
2 住民ハッピネスを高めるメカニズム
3 社会関係資本と社会活動
4 今後の課題
5 社会とのつながりとNPH

第5章 「環境・アメニティ」を点検する
1 新潟市の環境資産の現状評価
2 新潟市の都市構造と交通の在り方

第6章 「雇用・所得」を支える地域産業を点検する
1 新潟市の米農業――強さと弱さの構造分析
2 検証・新潟産業の実力――強さの基となるDNAを探る
3 新潟ニューフードバレー構想
4 地域産業とNPH

第III部 自治体シンクタンクのすすめ

第7章 自治体シンクタンクの意義と役割
1 全国の自治体シンクタンクの設立動向と新潟市都市政策研究所の特徴
2 新潟市都市政策研究所の研究方針・研究体制
3 新潟市都市政策研究所の活動の軌跡
4 自治体シンクタンクの有用性

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登録日:2012年 03月 23日 15:16:26

さすが、阪大と京大は賢い・・東大の「秋入学移行フィーバー」を批判

 東大の秋入学移行については、僕は「入試改革なくして、国際化なし」という視点から批判的に見ている。枝葉末節の改革でお茶を濁すな、という意味だ。
 そうしたら案の定、阪大京大も同じ意見だ。さしが関西、現実的によくみている。

以下は日経から引用
「入学時期の見直しが先行議論されることなどについては、慎重論も出た。 
大阪大の平野俊夫学長は「秋入学という言葉が独り歩きしている」と指摘。「本当に重要な教育の中身が忘れ去られることを懸念している」と語った。
京都大の松本紘学長も「秋入学はグローバル化の一つの手段だが、(京大は)移行を決めていない。京大は国際化もにらみながら、入試改革を優先して議論している」と説明した。

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登録日:2012年 03月 21日 18:29:28

大阪府市統合:新聞記者と役所の癒着問題が露呈

 3月14日付の一部新聞に大阪府・市統合本部の特別顧問、参与の報酬に関する記事が出ている。だが、これは府庁が提供した間違った数字である。

真実は以下の通りである。

1、誤報

新聞は「府と市が昨年12月末から2月までの間、計419万円の謝礼を支払った」と報道している。だが報酬は1月分しか支払われていない。単なる遅延ではない。算定作業そのものが止まっている

2、個人情報保護法違反

 「最高額はAさんの2月分XX万x千円」という記事もウソ。支払われた事実はない・・・当事者から裏を取らずに役所から与えられた情報だけで記事を書いたのだろう。当の本人には、役所は算定金額すらしらせていない。
 
 記者はなぜ役所が職員の身分を有しない顧問や参与の毎月の報酬額を漏らしてくれるのか、不思議に思うべきだった。結果的に記者は組織的な個人攻撃を手伝った。記者が当人に問い合わせる裏取り作業を怠った代償は大きい。デスクもいい加減だ。


3.異変、不審、疑惑

 昨年まで府庁では各顧問、参与に対しては翌月末に仕事の実績表が送られ、内容の真偽のチェック、そしてほかの仕事で大阪に来た時の交通費の放棄や一部業務の報酬辞退などの確認がきちんと行われていた。その上で額を決め、翌月に報酬が速やかに支払われていた。それでも間違いがあった。放棄したはずの交通費を計上、桁違い、計算ミスなど。必ずと言っていいほど修正をしていた。
 
 ところが今年は確認、精算作業が止まったままだ。経緯は不明、意図は不審である。

 そして3月14日、突如、「府によると」として特定顧問、参与の固有名詞別の2月の実績と称される数字が紙面に載った。

 だが府庁は各顧問や参与がやった仕事の時間や内容確認も、交通費の精算確認も一部報酬の辞退の意思確認も何もしていなかった。つまり根拠のない過大な金額を本人たちの事前了解を得ずに「報酬を払った」と偽ってプレスに提供した。
 
 これはプレスを使って「過大報酬」という報道をさせるための偽情報拡散行為ではないか。

 各紙の反応はどうか。

 一流紙は裏を取り、嘘と気付いて記事にしなかった。二流紙は府庁職員が提供した数字を信用してそのまま掲載した。

 今後、法曹も関与した大々的な真相究明作業が始まる。プレス諸君に申し上げたいのは、

1、役所のいうことは絶対にそのまま記事にするな。役所は自爆テロをしてでも記者に嘘情報をかかせようとする

2、役所はミスのふりをしてとんでもないことを仕掛けてくる。悪事がばれても「たまたまのミスです」と言い張る。そしてひたすら謝罪してそれでケロリとしている。あるいは更迭として実は単なる人事異動をして真相究明を遅らせる。

 これをただすにも改革の基礎工事の一つ。特別顧問団としては本件は徹底的に究明し、責任追求、損害賠償請求、刑事民事の訴訟等をやっていく。今回の例のようにマスコミもいつの間にか権力の手先になる。「気を付けよう、あっという間にパシリ記者」・・お粗末様でした。

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登録日:2012年 03月 20日 11:57:17

拙著「行政の経営分析―大阪市の挑戦 」(時事通信社)の重版決定

 絶版でしたが重版決定しました。今はアマゾンの中古で6000円の高値になっていますが、もうすぐ重版が普通にかえますのでしばらくお待ちください。

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登録日:2012年 03月 18日 19:31:30

特別顧問の仕事の情報公開について

 昨日の大阪府議会である議員から特別顧問や参与の仕事の「見える化」を、という指摘があったようだ。まったくごもっともな話である。猛スピードで動く作業の経過はなかなか外からは見えにくいだろう。今後、定期的な記者会見を設け、どんどん情報公開をしていきたい。
1,今回、ご指摘があったのは地下鉄PTを設置する件。地元の新聞報道で私が単独で記者の質問に答えて「私鉄関係者を入れたPTを作るのだ」と語ったというふうに書かれたらしい。だが、これは市役所で職員とともに開催した公式の記者会見で記者質問に答えた内容だ。もちろん市長、知事が設置を決め、私鉄各社にお話をして実際の人選もしたあとの答弁だった。
2.だから議員が指摘されたような「特別顧問が先に決めて発表し、あとで市長知事が追認した」という事実はない。議員は記事を読んでそういう印象を持たれたということのようだ。
3.昨日の質疑の最大の問題は府庁職員の答弁が曖昧だったことに尽きる。
①地下鉄PTの発足、民鉄関係者の参画はかなり前から決まっていた。
②しかも市の職員はその事実を知り、委嘱準備をしていた。
③つまり私が記者会見で答えるはるか以前に機関としての意思決定はもとより、執行までなされている。
④それにもかかわらず議会で府庁職員が「意思決定は記者会見後の統合本部会議でなされた」という答弁をされたのは、遺憾である。おそらく「本部会議としての意思決定の確認があった」のは事後だという意味かもしれない。だが明らかに組織はそれを前提に委嘱の作業をしていたのだからおかしい。
 
 総じて統合本部の作業は外から見えにくい。公開の会議での審議や記者会見など工夫が必要だろう。それをやれというのが議員のご質問の真意と察する。全くごもっともである。改革の過程を見える化する工夫を私も知事、市長に提案していきたい。

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登録日:2012年 03月 14日 09:29:42

大阪市交通局 独自のメール調査で次々に不正判明

以下よみうり
大阪市交通局(職員数約6800人)は7日、昨年11月の市長選を巡り、選挙活動への職員の関与を示す庁内電子メール延べ689件が見つかったなどとする職員の政治活動に関する内部調査の中間報告を発表した。人事異動に先だって幹部職員が職員労組・大阪交通労働組合(大交、中村義男委員長)側と事前調整していたことも判明、不適切な労使関係を自ら明らかにした。橋下徹市長は「相当、根深い。徹底解明し、厳正に処分したい」と述べ、関係者を処分する方針だ。

 昨年12月、市議会で大交幹部が勤務時間中に組合活動をしていたことが発覚したため同局が独自調査した。市長選前後の昨年10月~今年1月に同局の公用パソコン全約3000台から送信された庁内メールすべてについて選挙活動に関連する用語でメールの表題を検索したところ、〈1〉動員511件〈2〉演説会109件〈3〉ビラ58件〈4〉電話作戦11件がそれぞれ見つかった。

 管理職238人を対象にしたアンケートでは、2010年以降、管理職が所管する人事異動について、19人が「異動候補者の名簿を見せた」と回答、うち9人は「労組側の意見を受け入れた」とした。管理職の昇任についても労組に事前相談していた幹部が17人いたほか、7人が個々の職員の給与や人事評価などの情報を労組に提供していた。

 記者会見した新谷和英局長は「今後はこうした関係を断ち切り、新たな労使関係を築きたい」と謝罪した。 橋下市長は報道陣に、弁護士らの第三者調査チームが別の不正の証拠を握っているとし、「肝心なものがまだ出ていない」と語った。

 一方、市役所で記者会見した新谷和英局長は「認識が甘かったと深く反省するしかない。大変申し訳ない」と謝罪を繰り返した。

 管理職アンケートでは、労組の人事介入について、「組合支部長に事前に(人事を)耳に入れることが慣例だと聞かされた」など生々しい証言が寄せられたという。新谷局長は「10年以上前から投書などはあったが……」と言葉を濁した。

 「動員増量中!」「駅構内でのビラ配布について」 職員の公用パソコンからはこんな表題が付いた電子メールが延べ689件見つかり、勤務時間中にもかかわらずバス営業所などの事業所から労組・大阪交通労働組合(大交)本部への電話連絡も目立った。

 交通局職員には、地方公務員法の政治活動禁止規定は適用されないが、公用パソコンの目的外使用は服務規律違反だ。平松邦夫・前市長の支援活動に絡むメールとみられ、同局はメール作成者を特定して処分するとともに、電話代も労組側に請求する方針。今回判明した労組側への「ヤミ便宜供与」も見直すという。

 大交が加盟する市労働組合連合会の幹部は、「ショックを受けている。詳しいことがわからないので何とも言えない」と話した。(2012年3月8日 読売新聞)

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登録日:2012年 03月 12日 23:38:33

どうなる大阪の府市統合 ---(1)大阪府・市統合本部の役割

昨年11月のダブル選挙で、大阪維新の会が知事選・市長選に圧勝した。だが都道府県と市の統合は前代未聞の作業であり容易ではない。国に地方自治法の改正を迫りつつ、大阪では統合に向けた準備作業が始まった。その舞台が大阪府と大阪市が共同設置した府市統合本部である。筆者は府と市の両方の特別顧問を務め、統合本部における検討作業全般を助言している。今回から数回にわたり、シリーズ「どうなる大阪の府市統合」と題して、統合本部の作業の進捗を紹介していきたい。

●統合本部とは何か

 統合本部の機能は、知事・市長・特別顧問が出席する「統合本部会議」と、日常の事務方の統合準備作業から構成される。前者はこれまでに計6回開催された。これまでの会議では、統合の先のビジョン(都市戦略、財政見通し)などの大きな話のほかに、教育基本条例や公務員基本条例などを議論した。

 一方後者は、大きくは3つの作業で構成される。第1は「事業統合」に向けた統合戦略づくりである。地下鉄の民営化や上下水道の事業統合などが対象だ。第2は「都市戦略課題」である。文化戦略、インフラ、公立大学、電力・エネルギー戦略などを議論する。第3は「大都市制度改革」である。都区制度の設計や財源調整制度を設計する。

●これが本当の「事業仕分け」

 前回の第6回の統合本部会議(2月13日開催)で筆者は、上記1番目の「事業統合」
の進め方について知事・市長に提案をし、了承をいただいた(資料は下記リンク)。
 http://www.pref.osaka.jp/attach/15336/00091697/siryou_komon.pdf
概要は以下のとおりである。

(1)「事業統合」の作業は、現在の府、市、そして外郭団体の事業と事務の棚卸し
から始まる。

(2)事務と事業はいわば「荷物」、そして統合本部は「荷さばき場」だ。本部では
荷物を整理したうえで梱包をやり直す。そして新しい組織に向けた仕分けをする。

(3)荷物(事業、事務)の行き先は様々だ。都市計画のように府と市の事業が統合
され、都庁に仕分けられるものがある。だが、棚卸し作業を経て廃止される事業も
ある。地下鉄、市バス、ゴミ焼却工場、下水処理場の運転など、民営化される事業
も多い。市役所から都庁に行かず、逆に各特別区に移管されるものもある(教育委
員会、福祉など)。あるいは今までにない公共団体(広域連合、一部事務組合、事業
団等)に行くものもありうる(水道、特別区の職員研修等)。

(4)検討に当たっては「そもそもこの事業が必要か」という検討に立ち返る。継続
する場合にも、改革案を前提に仕分けの行き先を考える。

 このような作業は、実は国が事業仕分けで本来行うべき(であった?)分析作業プロセスである。ところが国の「事業仕分け」の場合には、対象事業が個々の補助金付与など細かな個別事業にとどまった。また予算付与の妥当性が主に検討され、「荷物」の行き先や経営形態はあまり議論がなかった。

 統合本部では、それをきちんと徹底してやる。検討作業には現場の各部局も参加して自由に意見を出してもらう。最終決定はあくまで本部長(知事)、副本部長(副知事)が行う。だが途中の過程では現場から自由に改革案を発案してもらう。

 具体的には、まず主に大きな事業から検討作業を着手する。例えば地下鉄の民営化だ。これについては大阪市交通局だけでなく、府庁職員のほか私鉄のエキスパートにもプロジェクトチームに参加いただく。そして民営化の期待成果の測定、改善効果の試算を行う。

 その他の大規模な事業(水道、下水、大学など)や文化施設、外郭団体等の中規模事業についても、府市の担当部門から構成されるタスクフォースが検討を開始した。統合本部では、主要事業について3月末までに検討課題を論点整理する。そのうえで6月末をめどに改革と統合の方針を示す予定である。

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登録日:2012年 03月 12日 13:34:15

3月26日 経済人・大阪維新の会:報告会&交流会

http://kokucheese.com/event/index/29640          
1.日時 平成24年3月26日(月曜日) 午後6時から( 受付開始午後5時)
2.場所 リーガロイヤルホテル「ロイヤルホール」「光琳の間」
3.会費 お一人様 1万円 
下記口座に合計金額を3 月22 日(木)までにお振込みください(当日のご持参も可)。
 三菱東京UFJ銀行船場支店普通0069588 口座名: 経済人・大阪維新の会
4.次第
1部 午後6時~  総会・パネルディスカッション「ロイヤルホール」
  大阪府市統合本部特別顧問が勢ぞろい!
ゲスト 堺屋太一氏(大阪府市統合本部特別顧問)・上山信一氏(同)
         ・古賀茂明氏(同)・原英史氏(同)
 2部 午後8時~ 交流会「光琳の間」

お問い合せ先 経済人・大阪維新の会事務局(大阪市中央区島之内1-17-16 三栄長堀ビル)
電話 06-6120-5777 メール:info@one-osaka.com

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登録日:2012年 03月 05日 01:21:38

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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