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連続投下です。
活動報告を見た方はいろいろと思われるでしょうが、この作品の連載を始めた理由である作品の感想を書いてもらえると幸いです。

出来あがっている範囲内の投稿を行いたいので、なのはさんの挿入話1と2も後日投稿します。
小学生編(前期)
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δ月ε日

 新しいクラスに馴染み始めてきた今日この頃。友人が出来なかった訳ではないが、相変わらず昼飯はなのちゃんたちと食べる毎日が続いている。
 当たり前だが今までの生活サークルとは覆しがたい。家を出て1人暮らしを始めた時、日本からアメリカに移り住んだ時、シロちゃんと2人暮らしを始めた時、俺が転生した時など生活サークルが変わったことはあったけどすぐには慣れなかったもん。

 と言う訳で相変わらず俺は昼飯をいつも通り屋上で食った。こうゆう何処にでもある有り触れた時間はつくづく良いものだと思う。
 隕石が俺を攻撃してくるとか、他人が聞いたら頭の病気を疑われるような非日常はお断りです。俺は人生に必要なだけの刺激しか求めないから、あまりにぶっ飛んだ非日常は来ないで欲しい。

 いや……別に来ても良い。何だかんだで俺の日常(笑)なんて常識人の観点から見れば非日常だし、俺も日常(笑)が楽しくないと言えば嘘になる。
 それでもやっぱりこう有り触れた幸せを噛みしめられるなら、一般的な日常が続いて欲しい。非日常は楽しめることばかりじゃない、いつか命懸けなんて言うモノに巻き込まれることが俺は嫌なだけだし。担任が連絡事項で最近動物の体の一部が見つかったりしたので、変質者が居るかもしれないので注意しろとか言っていたがきっと俺にはきっと関係がないだろう。
 危険性のある厄介ごとは俺の近くに来ないで欲しい。郊外に家を持つ生徒に念を入れて注意していたので、郊外辺りで見つかったんだろうなぁ……。

P.S とか珍しくまともな日記みたいなことを書いたけど、当たり前のように今日も我が家はぶっ飛んでいる。主に常識と父さんが。 
 いや、常識よりも父さんの思考がぶっ飛んでいることは今更書き記す必要性がないことだ。なんせ父さんだ、父さんだから仕方がない。

 昨日の夜に気がついた幽霊ちゃんの戸籍がない件に対して、夫婦揃って「なら日本国籍を作ればいい」とか常識から離れた家庭であろうが軽々しく出来ないことを言い放ち、家族会議を5分とせずに終わらせたこともこの際仕方がないことにしておこう。真剣にいちいち常識について考えると脳内処理が出来なくなる。 
 我が家では普通のことだから仕方がない。まぁ、後で幽霊ちゃんが幽霊の状態と肉体を得た状態(仮に受肉モードとでも言っておこう)に切り替えられることが発覚し、必要がないので国籍作る話しは流れたがな。

 もう今日はいろいろ精神的に疲れたので寝る。



δ月σ日

 近頃の小学生は将来設計を綿密に計画しているモノなのだろうか……。なのちゃんたちの将来への考え方に対して度肝を抜かれた。

 そういう話題になった経緯はなんてことはなく、なのちゃんのクラスでは社会科の授業で海鳴市の仕事を調べたらしい。その授業の締めに先生が「みなさんも将来について考えてみるのも良いでしょう」と言われてなのちゃんが昼飯時にポツリと呟いたみたいだ。まともな授業だ、俺のクラスの社会科ななんて『不況経済の行く末』とか小学生が習う授業……というか授業かすらも怪しいものだった。
 余談だが放課後に仕事のことについて纏めた調査表を見せて貰ったら、意外なことにまともな職業しかなかった。海鳴市のことだから職業もカオスかと思ってたが、カオスなのは住人だけなようで安心した。

 3人が将来についての話をしてい最中、俺はと言うと前世での小学3年生の時を思い出していた。なのちゃんたちとは違い、放課後は友人たちとなにをして遊ぶかばかりを考えて将来を考えたことがなかった。将来に対して真面目に考え始めたのだって高2のころからだったし、その時まで将来に就きたい職業すらなかった。
 無理やり上げるならば遊び人くらいか。……職業ですらない。とにかく将来は遊んで暮らしたいくらいにしか考えていなかった小中学生時代だったな。

 そんなことを考えながらおかずを咀嚼していると、「そうだ、えい君は将来なにになりたいの?」とほっぺにスライスレモンを付けたなのちゃんが慌てた様子で俺に話を振ってきた。あーちゃんが少し荒ぶっていたので、俺の話であーちゃんの怒りから逃げようとしたのだろう。
 呑み込んでから「縁側で茶をすすって食っちゃ寝して過ごしたい」と答えたら、3人から微妙な顔をされてしまった。

 子供にはまだ分かるまい、社会人として10年働き詰めだったおっさんの夢は。……縁側で茶を飲む前に無理だろうけど嫁が欲しいことは当たり前な願望なので言わなかった。

 3人が塾だったため帰りは1人寂しく帰ることにした。家に帰りついたらリニスがなんか考えごとをしながら夕食を作っていた。どうしたのか聞いてみれば「大丈夫です、問題ありません」と微笑んだので、適当に頷いて追及するのはやめておいた。リニスとしては俺たちに触れて欲しくないことを考えていたらしい。そんな表情だった。
 そう言えばなのちゃんも今朝は変な顔をしていたので聞いてみたら、変な夢を見たとか言ってたな。特に関係はないだろうけど、なのちゃんとリニス自体接点が多い訳じゃないし、リニスは夢云々で考えごとをする奴じゃない。

 明日にはいつも通りに戻ってるだろう。妹が眠そうだからいつもより早いがこの辺で筆を置いて寝よう。

P.S 妹が眠ってしばらくした後リニスが急に起きだして外に出て行こうとした。どこに行くつもりなのか聞いてみると外に散歩へ行くらしい。
 普段はそんなことしないだろうがと言いたかったが、俺としてはリニスの行動を縛るつもりはなかったので溜息を吐いて「ちゃんと帰って来い」とだけ言って見送くると、申し訳なさそうな笑顔で部屋の窓から飛び出していった。

 人にはそれれぞれ事情があるんだし、俺はリニスから喋ってくれるまで待つことにする。ただし、どうしようもない時だけは無理やりにでも首を挟ませて貰うから覚悟してろよ。



δ月*日

 朝起きたらリニスがまだ寝ていた以外は今日も何ら変わらない平凡な一日だ。近所の動物病院が大破して道路も一部損壊したらしいが、まぁ海鳴市だし気にすることでもないだろう。
 リニスは相当疲れていたらしく、俺の鍛錬が終わってもまだ寝ていたので起こしたら慌てて階段を駆け下りてすぐに母さんが用意していた朝食の手伝いに向かった。……別に疲れていたなら無理しなくてもいいのに。

 朝の送迎バスの中でなのちゃんたちから昨日フェレットを拾ったことを教えられた。なのちゃんの家で飼うことになったらしい。
 なんでも拾った時は怪我だらけだったそうな。その件について俺は関わっていなかったので相槌を打って聞き手に回っていたのだが、話が進んでいくとどうやらそのフェレット昨日は大破した動物病院に居たらしいが今はなのちゃんの家にいるらしい。
 昨日の夜に散歩して偶然会ったらしいけど……。なのちゃん何で夜中に出歩いたんだろう? 生まれた年齢=幼馴染み歴をやってるけどなのちゃんは一度も夜中に出歩いたことなんかなかった。何か理由でもあったのかもしれない……。

 まぁ、深く考えることでもないか。ただリニスも昨日の夜に限って普段はしない散歩なんてしてるしなぁ……。受肉モードになれるにも関わらず、幽霊モードで俺の傍らから離れようとしない幽霊ちゃんは「女はいろいろ秘密があって綺麗になっていくんですよ~」と訳の分からないことかつどうでいいことを言われたので、聞かなかったことにしたら「私無視されるようなこと言いました!?」と涙目になられた。

P.S 幽霊ちゃんが今日も俺のベッドで寝ると言ってくるので、俺が拒否しても言うことを聞いてくれない。俺が童貞かつ魔法使いと言うことは分かって言ってんの?
 男はケダモノと言う考えを幽霊ちゃんは知らないのだろうか。……知らないんだろうな、行き遅れだし。
 男はつらいぜ……。生理現象的な意味で。


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