η月β日
暑さが若干緩和して涼しくなってた今日この頃、8月の後半に突入して俺のテンションはモリモリと下がっていたりする。あと半月で夏休みが終わるかと思うと、アレしておきたかったコレしておきたかったなどの後悔が溢れてくるものだ。まぁ、今年は去年のようになのちゃんの宿題に関しては問題なしなので、まったりとした夏休みの終わりを過ごせるとは思うけど。
さて愚痴も書き終わったし、今日もいつも通りに今日の出来事について書き記そう。今日は夜に父さんの監督のもと、墓場で肝試しをやった。肝試しの参加者は俺となのちゃんとあーちゃんとすずちゃん、そしてきょーにいさんと忍さんの5人。しかし後者2人はどう見てもデートついでです、リア充マジもげろ。
ちなみに肝試しをした場所は、去年現れたエキストラさんのような存在が現れない安全な墓場……、よし、幽霊が実在するのに墓場が安全なのっておかしくね? って日記を読んでいる人がいる場合は疑問に思うだろうから、安全である理由を書いておこう。
幽霊本人である幽霊ちゃんが前に話していたことだが、大抵の幽霊は縁者か自分の遺体の傍に存在しているが、例外として去年に遭遇したエキストラさんは生け贄を行っていた死が渦巻くヤバい場所の幽霊だったので俺が殺されかけたらしい。
ちなみに病院とかもそうだが、エキストラさんのようなヤバい幽霊よりはマシだそうだ。入院中に幽霊ちゃんと知り合った幽霊のお2人は見た目こそヤバかったが悪霊ではなかったもんな……。心臓の弱い人間にはお迎えを寄越しそうだけど。
今回の組み分けはクジ引きでおこなった。ちなみに組分けは俺とすずちゃんの組、なのちゃんとあーちゃんの組、そしてきょーにいさんと忍さんの三組に分かれた。それにしても運命というのはカップルであるきょーにいさん達を余程イチャラブさせたいと見える。頼むからイチャラブするにしても俺と幽霊ちゃんの視界に入らないところでして欲しい。人生を童貞と処女で終えた俺達に見せつけているようにしか見えないから……リア充マジもげろ。
そういえば、なのちゃんとあーちゃんがクジ引きの結果に対して絶望感を抱いていた気がした。すずちゃんに2人の様子がおかしくないかと聞いてみたが、頼むから話を振らないでくれと2人から若干視線を逸らしつつ言っていた。何でかすずちゃんは2人に対して罪悪感を感じていたようだが何でだったんだろう……。
肝試しの一番手は俺とすずちゃんで途中で父さんが釣り竿と紐で吊るしたこんにゃくを使って脅かしてきたが、2人とも全く悲鳴は上げずゴールに到着した。ただ、俺達の背後から女の子2人の悲鳴は聞こえてきたがな。誰とは言わんがあの2人だろう。
肝試しが終わったあと、父さんが少し沈んでいた。多分だが、悲鳴を上げたのが一組しか居なかったのがショックだったのだろう。こんにゃく如きじゃ妥当な結果だから落ち込むなと言ったら、更に落ち込まれた。
なのちゃんとあーちゃんが必死にフォローしていたが、アレは半分何か違う理由があったのだろう。なのちゃんとあーちゃんの説得力ある説得により父さんは立ち直ったが、へたれた時の父さんは本当にめんどくさいと思った。妹の出産時もめんどくさかったしな……。
η月ζ日
夏祭りだぜ、ヒャッハー!! 今日は楽しい夏祭りだった。気分が良いのでテンション高めに今日の出来事を書いていこう。
海鳴市の夏祭りは3日行われ、今日は夏祭りの初日だった。主に祭りの屋台を重点的に見て過ごした。と言うのも3日目に花火大会があるので、明日は屋台など回ったりはせずに3日目に派手に遊ぶために備えるのだ。
上記の理由から、今日はなのちゃん達と待ち合わせてとにかく屋台で遊びまくった。
なのちゃん達は全員浴衣を着て集合場所に来た。やはりこの3人は遊ぶのも形から入るのだろう、去年の夏祭りに行った時も浴衣を着て、正月は着物を着ていたので、遊びには全力を尽くすところは俺と同じかもしれない。……十年後くらいのクリスマスにはミニスカサンタとか……、流石にそれはないか、常識的に考えて。
屋台はわたあめとか焼きそばとか林檎飴の食べ物の屋台から、射的とか輪投げとかの景品やで遊び、景品とかを沢山お持ち帰りした。景品を出していた射的屋と輪投げ屋のおっさんが涙目だった気がするが、恐らくは気のせいだろう。昨年は偉い勢いで景品をとって行った人も居たし、海鳴市なのだから景品が無くなることも仕方がない。
幽霊ちゃんは2回目の夏祭りに意気揚々としており、屋台――特に食べ物関係の屋台を見ては目を輝かせていたが、残念ながら幽霊ちゃんは幽霊のため、食べ物を食べられずにしゅんとなって落ち込んだりしていた。幽霊ちゃんが御飯を食べられるようになると良いんだが……、俺達が御飯を食っている時も1人だけ見ている状態だもんな。
流石にこれはどうしようもないから、仕方がないことなんだろうけど……頭では分かって居ても、家族だから一緒に飯は食いたいと思うんだよな……。
η月γ日
余はたいへん満足した、と花火の感想を書いてみる。実際には、前世で花火を結構な量を見ていたので感動はなかったが、花火大会は凄かったと思う。さて、花火大会の感想はこのあたりにして、今日の日記を書いていこう。
今日の花火大会は4家族全員で、海鳴臨海公園で見た。ちなみに、なのちゃん達の服装は私服だったので、気合を入れたのは一昨日だけだったのだろう。親父どもは去年の浜辺と同様、俺達以外に人が居なかったことを良いことに、酒を持ちこんで花火そっちのけで酒を飲みまくって奥さん達に叱られていた。いい加減に学ぶべきだろ……この親父どもは……。
親父どもをあーこー言ったが、俺も花火が始まるまでは落ちていた枝を拾って、リハビリがてらの素振りをしながらなのちゃん達と談笑していた。うん、常識が見事に吹っ飛んでいる気がする。
ただし、花火が始まってからは猫形態のリニスを抱いて大人しく花火を見ていたけどな。花火を見ている時、酒に酔った親父どもの笑い声とかが聞こえたが、そちらの始末は奥さん達が処理を担当するのでスルー。怒気を顕わにした奥さん達は怖かったと書いておこう、……将来嫁さんを貰う時は尻に敷かれないようにしたいと強く思った。
η月ο日
俺、完全復活! 夏休み終了日の今日、ようやくいつも通りの鍛錬を行えるようになった。左腕の筋力を取り戻してからは暇な時とかに金属バットで素振りをして腕の筋力を鍛えたりしていたが、それも今日で終わりだ。まぁ、鍛錬も感を取り戻すことを優先しなきゃならいんだがな。
だが、俺が庭で金属バットの素振りをしているのを見た士郎さんは何を思ったか知らないが、父さんに何かを話してから俺と道場に向かった。
道場に着いてから、いつも通りに木刀を構えて練習しようと思ったら、士郎さんに今は木刀を持たないで待機していてくれと言われたので、同じく道場に居たきょー兄さんとみゆねーさん共々疑問に思いつつ、俺は正座をして待機することにした。
しばらくしてから、魔力で身体能力を若干強化した父さんが、布に包まった大きな棒状の『何か』を引きずりながら持って来たのでかなり驚いた。息を切らせながら士郎さんとした会話から、父さんが持ってきた『何か』は俺用に持って来たらしいことは分かった。会話が終わってから、士郎さんが包みを外して持ってみてくれと言われたので、言われた通りに行動したらエライ物が俺の手の中に収まることになってしまった。
『何か』の正体は西洋の両手剣で、そのツーハンデッドソードの中でグレイトソードと呼ばれる長さの大剣だった。しかし、俺が持っていた大剣は正確な事を言うならば大剣以外の言葉は当て嵌らないのかもしれない。何しろ刀身が3m10cmと刀身だけで俺の身長の2倍以上、更に重量は約120キロという総重量3ケタ越えのあり得ない重量なのだ。
本来のグレートソードは刀身150cm以上のツーハンデッドソードのことを指す。一方俺が手にした大剣は形こそツーハンデッドソードと同じだが、長くした刀身が折れない為に刃が厚くなっており、形だけツーハンデッドソードにして縮尺を変えた全く別の剣である印象を受けたのだ。
そもそもこの長さだとただ長くしただけでは実戦の使い物にならないし、重量だけでも本来のツーハンデッドソードの約四十倍なのだ。俺が持っていた大剣の事を具体的に想像しにくい人には、四畳半部屋の中心で振り回したら部屋が壊滅するくらいのやばさがあるんだぜと言っておく。それならばどんだけやばい剣なのかがよく分かると思う。
何でこんな物を父さんが持っているんだと聞いたら、昔にマスターとお遊びで『実戦に使える3m越えの両手剣』を作ったが、あまりの重量に扱える人間が母さん以外に存在しなかったため使わなくなってからは誰かに譲る訳にもいかずお蔵入りしていたらしい。つまりあの大剣は母さんが昔に使っていたと言うことだ。それ以前に家の倉庫は本当に何なんだ……いろいろな物が入り過ぎだと思う。
士郎さんが父さんに大剣を持って来て貰った理由は俺が扱う剣の相性が気になったからだそうだ。御神の剣もけして相性が悪いと言う訳ではないが、俺の金属バットの素振りを見てもしかしたら両手剣の類の方が相性が良いかもしれないと考えたらしい。
それから小太刀を構えた士郎さんが相手になると宣言して相性試験開始。結果を書くと俺が振るった一撃で士郎さんの小太刀が破壊され、道場の床に大穴が空くことになった。俺の怪力と大剣の組み合わせはどうやら受け止めたものを問答無用で破壊するほどの威力を持っていたらしい。しかも剣速――特に振り下ろしの時の速度がヤバいらしく、士郎さんが神速を使ってもギリギリでしか避けられなかったくらいにヤバいようだ。切断とか叩き切るとかを越えて、もはや粉砕の領域に足を突っ込んでいるとか言われた。
結果としては相性が良すぎるのでマスターに扱いを教わるまでは決して使うなと言われた。手加減できずに振るうと、下手したら死人が出る可能性があるので仕方がないのだろう。
ちなみに今日の鍛錬は道場に大穴が空いたので外で行われた。士郎さん、道場に大穴を空けてしまい、本当に申し訳ありませんでした……。
大穴を空けた後に謝りはしたが、士郎さんはそのことをあまり気した様子がなかったので、一応反省のつもりでここに改めて書いておこうと思う。道場に大穴を空けたのに何も言わないんて本当に優しい人だ……。
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