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小学生編(前期)
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η月δ日

 当麻と遊んだ今日、あーちゃんとすずちゃんが来なかった午前中はゲームをやって過ごした。もちろんソフトはみんなでやると楽しいモンハン。ただしモンハンはソロでやると、ときどきとんでもない孤独感に襲われるんだよな……。経験談ですが何か?
 狩猟モンスターはずっとミラ系で固定して、俺の使用した武器はなのちゃん達と狩る時にはお馴染みになってしまった片手剣──ではなく、へビィーボウガンでひたすら狙い撃ちしまくっていた。装備はラオート(老山竜砲・極+自動装填スキル発動の装備)なので可愛そうなくらいにミラ系のモンスターがフルボコになっていた。ちなみになのちゃんはガンランスで当麻はランスと超重量PTだった。武器が武器なのでモンスター相手に誰も俊敏な立ち周りはしていなかったんだよな。ときどき当麻がステップを使って、当たらなければどうということはない!を体現してたけど。

 昼からは我が家の家族と上条一家を筆頭になのちゃんとあちゃーんとすずちゃんを連れて海鳴の海に行った。しかし行ったのは良いのだが俺は海に入れないので、浜辺でひたすら鈍った左腕を鍛えたり幽霊ちゃんとポコたんと一緒に妹の砂遊びに付き合って過ごしていた。ちなみに母さんと詩菜さんは相変わらずのド派手水着だったので、当麻と一緒に母さん達とは目を合せないように浜辺いる間は終始母さん達から視線を逸らしたままだった。実際に言ったらぶっ飛ばされてしまいそうなので、ここで俺の願いを書いておこうと思う。

いい歳なんだから本当に自重してくれ……。

 さて、明日は何をして遊ぶかな……。当麻と遊んだのは2年ぶりだしな、思い出に残せることでもするか……。海鳴の探検とか?

η月π日

 俺はなぜ探検をしたいなどと言ってしまったんだ……。今日海鳴を探検した。ちなみに海鳴の中で力を入れて探検した場所は蝉キャッチ&リリースをしたらスズメバチに追い回されてポコたんが無双したあの山だ。うん、今日体験したことをぶっちゃけよう。熊と追いかけっこした。マジで死ぬかと思った……、本当に海鳴市ってなんなのよ……。生態系がイカれているとしか思えない運動会の時に亜音速に近いスピードを出す親父どもに、マスターと客層がカオスな動物喫茶とか異常な戦闘能力の持ち主とかツッコミだしたらキリがない。
 真面目な話、海鳴市の住民で国1つを潰せるんじゃないかと思う時がときどきあるもん。早い話が熊が出た程度で驚いてはいけないのだ……特に俺のような環境いる場合はな。うん、本当に今更なんだけどね、改めて俺のいる環境がまともじゃないことを実感した……。

 さて、熊に襲われるまでの経緯を順に書いていこう。先ず午前中は昨日と同じくなのちゃんと当麻と一緒にモンハンをやって過ごしていた。そんな感じで昨日と同じく午前中はまったりして過ごしていたのだが、本題となる熊の話しはここからだ。
 午後になってあーちゃんとすずちゃんが揃ってから何をして遊ぶかという話になった。そこで俺は昨日の夜に思いついた海鳴の探検を提案したのだ。何と言っても当麻に海鳴での楽しい思い出を作って貰いたかったしな。そのことも含めて全員に言ったら当麻が、「衛……」と呟いてから俺を見つめてきたので、「友達に楽し思い出を作って貰いたいと思うのは辺り前のことだろ」と返してしばらく男の友情を確認するように互いに見詰め合っていたら、なのちゃんとあーちゃんがその光景を見て何を思ったのか知らないが俺を睨んできた。ちなみにすずちゃんは俺と当麻が見詰め合っている光景を見て胸がドキドキしたとのこと。……彼女達が何を思ってその光景を見ていたかは知らないがこれだけは断言しよう、俺と当麻の関係は『うほっ!』な関係じゃないんだからな!! 絶対だぞ、絶対!!

 まぁこんな感じに『うほっ!』な疑惑何かもあったが、午後からはメンバー5人にポコたんを加えて海鳴の探検をした。聖祥小と八束神社に当麻と初めて会った海鳴公園と一通りの場所の探検……と言うよりは探索を終えて、それから問題となる熊とエンカウントすることになってしまった山の探検に行くことにした。
 海あり山あり街ありの海鳴市は序でとばかりに野生の動物も結構いたりするが、出会ってもイノシシ程度なので俺1人でもイノシシ鍋に出来るし、そもそも接触自体が非常に稀なので問題なく来たのだ。だが山の中腹に踏み入った瞬間に薙ぎ倒された木々が目に入ったので、全員が冷や汗を流して回れ右をしようとしたら目の前から大きさが5メートルはあろうヒグマが出てきたとです。明らかに異常な大きさでした、本当にありがとうございます。

 熊は俺達と目があった瞬間に雄たけびを上げて追いかけて来たので一目散に全員で逃げ出した。間違っても死んだ振りをする人間何かは俺達の中にはいなかったが、もしも死んだ振りなんかすれば確実に熊の餌になるので、熊とエンカウントした時は間違ってもしないように。
 ちなみに正しい熊の対処方は、熊が興奮する前に物を熊の目の前に少しずつばら撒いて気が逸れている内に隙を突いて逃げ出すのが正しいのだが、前述した通り熊が興奮しているのでひたすら山下りする嵌めになってしまった。
 ちなみに俺もただ逃げていただけではなく、拾った石を投げつけて熊の両目を潰してからポコたんが拾った野生動物の糞を熊の鼻に向かって思い切り投げつけた。すると熊は悪臭で鼻が利かなくなり、更に悶絶したのでその間に俺達は山から逃げ出した。

 もう今日は散々な1日だった……、熊には追いかけられるは手は動物の糞まみれになるわで……。あり得ない熊との遭遇になのちゃん達は半ば現実逃避して、今日のことは夢だった思うことにしたらしい。うん、それが良いわ……。否定できることは否定しておいた方が良い。家の父さんのスケキヨのように日常的に熊と遭遇することなんて無いしな。
 とにかく俺も今日は疲れたので早急に寝ることにしよう。あ、一応は山から出た後に熊はこの辺りでは出ない筈なので保健所には電話を入れて置いた。もちろん公園の公衆トイレで手をちゃんと石鹸で洗ってから携帯電話を使った。流石に糞まみれの手で携帯電話を使う気にはなれんわ……。



η月σ日

 今日当麻が海鳴から帰った。代わりに午前中には普段は来ないあーちゃんとすずちゃんが、当麻が昼過ぎには帰ってしまうので遊びに来た。男組と女組に分かれてのんびりとモンハンをプレイして遊んでいたら、点けっ放しのテレビから海鳴市の保健所が熊の存在を確認したというニュースが流れてきた。
 保健所が昨日に俺がした匿名電話を聞いて確認に行ったところ、薙ぎ倒された木々を発見したので捕獲用の麻酔銃などで武装した捕獲隊を連れていたったら熊とエンカウントしたとのこと。熊は両目を負傷していたが嗅覚で捕獲隊を追い回し山から追い出したらしい。
 そこまでテレビの内容を見てから誰もテレビを見ていなかったことだしテレビのスイッチを切った。若干みんなの目が泳いでいた気がするが恐らくは気のせいだろう。俺も右手が糞まみれになったことなど思い出したくもないので、何でみんなの目が泳いでいたのかは詮索しないことにした。

 そして当麻と別れの時、海鳴駅まで上条一家の見送りに行った。また来年も海鳴には来るらしいので、「また」と言って上条一家──当麻と別れた。
 「また来年になったら会えるよね……」となのちゃんが言ったので、その前に夏休みの宿題を終わらせないとなと、特に国語の宿題の部分を強調して言ったらなのちゃんが涙目で「意地悪……」とか言うがところがどっこい、現実は非情なので仕方がないのだ。俺も昔は夏休みの宿題が地獄だったしな……誰もが乗り越えなければならない壁だ。

P.S 今日1日の日記を書き終えたらなぜか無性にリニスの顔を見たくなった。家事を終えて猫形態のリニスを抱っこしたら何でいきなり抱っこしてきたのかを聞かれたので、退院以降にリニスと過ごす時間が無いなと思ったからだと返事をしておいた。
 しばらくリニスを抱っこしていたら、部屋に入って来た幽霊ちゃんが何をしているのか聞いて来たので、これこれこういう訳でリニスを抱っこしているんだと説明したら幽霊ちゃんも俺の隣に座ってのほ~んとした時間を過ごした。たまにはこういう時間も良いなと思って追伸を書いているが、現在甘えてきたので膝の上で座らせている妹がうとうとし始めたのでそろそろ筆をおこうと思う。
 もしもこの日記を見る人物がいれば俺をリア充と思う筈なのでこれだけは書いておこう。

このゆったりと過ごした時間は正当な権利だ。あとフラグは立ってないぞ……現実にフラグ何て素晴らしモノはないとです。
 だから、俺、この日記を書き終わったら、妹を寝かせに行くんだ……。とか平然と書いて死亡フラグを立てるなんて余裕の作業だ。さて、既に妹が俺の膝で半分眠りかけてるし寝かせに行くか。


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