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小学生編(前期)
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θ月∞日

 早いもので今日から日記帳も三冊目に突入。何時もより気合いを入れて、長めに今日の事を書こうと思う。

 明日から温泉旅館へ宿泊に行くので、今日はうちの家族達はやたらと凄まじい宿泊の準備をしていた。具体例に先ずはポコたんを挙げてみよう。

 なんか紐二本で背中から背負えるようにした茶釜に、小型犬用の薬用ノミ取りシャンプーとかブラッシング用のブラッシ等を入れ、更にリニスから頼まれたのか猫形態時に使う猫用の薬用ノミ取りシャンプーとリニスのブラッシも茶釜に入れていた……。何で入れ物に茶釜を選んだのだろう……? 分福茶釜の狸じゃあるまいし……。と言うかその茶釜はどこにあったんだ。

 次に母さんだが、着替えを入れただけかと思ったらゼッケンに『父さんの折檻道具(旅行用)』と書かれた大きな黒い袋をボストンバックに詰め込んでいる衝撃的な光景を目の当たりにしてしまい、俺、呆然。
 しばらく呆然としていたら、覗いていたことがバレたらしく母さんが俺の方を見てニコニコと笑っていた。
 取りあえず、その笑顔の中に有るものを察した俺は母さんの旅行の用意をしていた光景は見なかったことにした。父さんは温泉旅行に行くにしても旅行用の折檻道具を用意されるとは信頼が無さすぎる……、まぁ父さんだしな。そして母さんの用意は間違いではないことを証明する出来事があった。

 最後に父さん。リニスと幽霊ちゃんは用意をする必要がないのでしていなかった為、父さんで最後だったのだが……、とにかく父さんの荷物準備はツッコミをいれないわけにいかなかった。
 先ずは当たり前だが着替えを準備する。ここまでは良いが次に入れたのが双眼鏡。
 用途は0.03秒で理解したので、速攻で部屋に飛び込んでドロップキックを父さんにぶちかました。
 「何しやがる!」と父さんがキレるが何の準備してんだ!と俺が半ばキレながら言い返したら、父さんは双眼鏡を見てから「明日の果実鑑賞の準備だ!」とか胸を張って答えたので鳩尾を一発ぶん殴ってやった。
 誤魔化すならせめてバードウォッチングくらい言ったらどうなんだと思いながら部屋から出たら入れ違いで母さんが部屋に入っていって部屋から悲鳴が聞こえたが何時ものことなので無視した。
 つうか母さんは父さんの行動パターンは何でもお見通しなのだろう……流石はバカップル夫婦だ。

P.S 夕方になのちゃんが我が家に着替え持って突入してきて、一緒に風呂に入ることになった。
 普段は一緒に風呂に入る時は高町家なので最初は驚いたが、なのちゃんに引き摺られて浴室に連行された。
 父さんはリア充氏ねオーラを纏っていたので風呂に上がってから応戦して何時も通りにアイアンクローを母さんから戴きました。

 それはともかくとして、風呂に入った時のなのちゃんの行動が今日はやたらとおかしかった。具体的には俺の身体をなのちゃんが洗ったのは何時も通りだったのだが、そのあとに後ろから抱き付いてきて泡まみれの身体を擦り付けてきたのだ……、もう十年後にやられていたら悶絶&鼻血コンボものですね、本当にありがとうございます。
 だが、なのちゃんは幼女だし、俺はベド〇ェリアじゃないので性的な意味では何とも思わなかったからセーフだ。

 なのちゃんに何故こんなことをしたのかを訊いたら、明日はみんなで温泉旅行に行くから二人きりで風呂に入れないと思うから来たのだと。
 ちなみに何故あんな『身体を使ってご奉仕します♪』みたいなことをしたのかも訊いてみたら、四歳くらいの頃に好きな男の子にはどんなことをすれば喜んで貰えるのかを桃子さんに聞いたら教えて貰ったことの一つを思い出したので実践してみたとのこと。

 取りあえず桃子さんは当時四歳の娘に何を教えているんだ……、いや今教えても駄目だけどさ……。教えられた時期から言って明らかに対象は俺なんだし“友達”として好きなのは確定だと思うんだが……。
 特に友達以上として好かれるような事をした記憶がないし、何より今でも十分に幼いんだから色恋沙汰は早いと思うんだよな……オッサン的に。
 そして何よりも普段からテンションが高くてバカやってる俺を好きになる子っているか……? いや……居ないね。中学生くらいまで成長すれば好みは別れるから分からないが、なのちゃんの年頃の女の子は総じて歳上に憧れを抱くものだ。その証拠に学年では兄貴分扱いされて慕われてても俺を好きって子は居なかったりする……。
 バレンタインデーがいい証拠だ……。同級生の子達からはなのちゃんとあーちゃんとすずちゃん以外の子から義理チョコすら貰ってないよ。
 前世では、まったく貰えてなかったらまだマシだけどな……。

 とにかくなのちゃんには、桃子さんに教えられたことを記憶から削除するか、もし桃子さんに教えられたことをするにしても恋人にする様にと言っておいた。
 なのちゃんは一回頷いてから「恋人になったらしても良いんだよね?」と聞き返して来たので恋人になったら別に誰に対してしても良いぞと言うと「じゃあそうするね」と言ってから後は普通に風呂を済ませた。

明日は早いので、今日は早めに寝ておこう。



θ月\日

 取りあえず温泉旅館に来てヒャッハー!なノリだが何て言うか……、昼間になのちゃん達にめたくそに殴られて身体中が痛い……。

 顔面に留まらず、なのちゃん達のグーパンが俺の全身を襲った理由は順を追って書くとして、先ずは朝だが早めに起きて荷物点検を済ませた後に朝飯を食べて、集合場所に全員集合した後に各自乗る車に別れた。
 俺が乗ったのはファリンさんが運転するスカリエッティで、なのちゃんとあーちゃんとすずちゃんと一緒に色々駄弁っていたらいつの間にか旅館に到着していた。

 到着時刻は十時と初めて行く場所なので迷った時が困ると言う理由で早めに出ていたので予約していた時間より、一時間ほど早く到着してしまった。
 チェックイン後、俺の部屋はなのちゃん達と同室に決定され、そしてポコたんとリニスも名目上は俺が飼い主となっているため俺と同室になった。
 部屋割りが終わった後は近くに流れる小川になのちゃんとあーちゃんとすずちゃんに加えてポコたんも連れ、そして監督役として猫形態のリニス(監督役?)とファリンさんに一緒に来て貰い水遊びをしたりした。
 当たり前だが俺は傍観サイドで三人と一匹の遊びを見守りながらリニスを抱いていたが途中で水遊びに巻き込まれて俺もびちょびちょに濡れて旅館に帰るハメになった。

 取りあえず服を絞って、服が吸収した水を全部絞り出してから旅館の館内に引いてある温泉に直行。
 当たり前だが男湯に行ったぞ? のんびりとお湯に浸かってから、浴衣に着替えて昼飯を食べに向かったのだが父さんの姿は見当たらなかったので母さんに居所を聞いたらなのちゃん達が風呂に入る様子だったので埋めたのだと返事が返ってきたが、父さんは日頃の行いが行いなのでまぁ……、仕方がないのだろう。昨日が昨日でもあったしな。

 とか思っていた時期が俺にも有りました。皆が昼飯を食べ終わって立ち去ってから三十分くらいしてから食事をした宴会場に浴衣に着替えた父さんが参上。
 一応、飯を下げられる前に昼飯を食べられた模様だが「流石に何もしてないのに埋めることはないだろう!」とキレたが母さんが「前科がある人間は黙ってなさい」と一蹴して父さんを黙らせた。話から考察した限りでは前科とは、かなり昔に父さん曰く若気の至りを暴走させた母さんの入浴しているのを覗いたことを言うらしく、当たり前だがその後にキレた母さんにブッ飛ばされたらしい。
 しかし本当になんで結婚したんだろうな、この二人……。普通は入浴しているのを覗かれた相手と結婚しようとは思わない筈なんだがな……。

 取りあえず結婚した理由は置いておいて、問題は次に来た流れだ。「む…昔の事を掘り起こすな! 既に時効だ!」→「時効じゃなくて、とっくに罪は裁いたけど前科は前科だから警戒するわよ」→「んなこと言ったら旅行を満喫できないだろう」→「そうね……、じゃあ旅行中は私とずっと一緒に居なさい。それなら安心できるから」→「……んじゃ…、まぁ仕方ないからそうするか」の流れになり、俺が聞いたのはここまでだったのでその後は二人がどうなったかは知らない。何故なら俺は空気が読める男なので二人のLove臭に堪えられずに逃げ出したからだ。

 宴会場から逃げ出した俺は幽霊ちゃんと一緒に旅館をブラブラと適当にさ迷っている内に卓球台を発見。
 温泉旅館で卓球台を見つけて卓球を行わないなど俺の主観では万死に値する行為のため、なのちゃん達を呼んで何時かの羽根つきと同じ対戦カードで試合をする事に。そしてコレが俺の全身の痛みの原因となった。

 当たり前な話だが浴衣は激しく動けば着崩れを起こす。そして俺とすずちゃんの動きは他の旅館客の人が居たし罰ゲームがかかって居たわけでもないので、互いに力のセーブしていたので羽根つきの時ほど人外な動きはしていなかったが、それでも一般的に見れば激しい動きな訳ですずちゃんの浴衣がストンと落下してパンツ一枚の状態になったのだ。
 俺がそれを呆然として見ていたのを隙アリと思ったのかスマッシュを入れたが、二秒ほどして自分の状況に気が付いたのか周りの人間の視線が自分に集まってると知ると、真っ赤になって悲鳴を上げながらすずちゃん全力のグーパンで壁に叩き付けられた。

P.S しばらくして、ほとばりが醒めた後にすずちゃんから「もしものことがあったら責任とってね…」と顔を赤くして言われてしまった。
 アレ?なんか恋愛的なフラグでも立ったのかと一瞬だけ思ったが相手は子供なので本気にしちゃならんなと現実的なオッサン思考に戻って、まぁ…俺が取れる形でなら責任を取るよと言っておいた。やったことないけど、合コン開いたりお見合い相手を探すのを手伝うくらいはお安いご用さ。

 そしたら何故かなのちゃんとあーちゃんが大激怒してグーパンの雨霰を喰らわせてきた。
 取りあえず、最後にコレだけは書いておきたい。

俺が何をしたんだ……。



θ月◎日

 朝起きたらあーちゃんが俺に抱き付いて抱き枕がわりにして寝ていた。
 起こさないように離れようと思ったが、ガッシリと抱き付いていて離れなかったので更に力を入れて振りほどこうとしたらあーちゃんが起きてしまった。

 あーちゃんは起きた当初は、開いたり閉じたりして眠そうにしている目を擦りながら眠気を追い出していた。あーちゃんの浴衣が乱れていたので浴衣の着衣を直してあげていたら、着衣を直している途中で眠気が完全に覚めたらしく「何で脱がそうとしてるのよ!?」とモーニングなグーパンを戴きました。
 取りあえず誤解は解いてから、掛け布団が吹っ飛んでいた俺の敷き布団に寝ていたなのちゃんに掛け布団を掛けてあげてから、暇だから散歩にでも行こうかとあーちゃんに提案して散歩に行くことにした。

 その時の時刻は午前五時で、我が家の魔窟家族も高町家の皆さんも恐らくは起きているであろう時間だった。実際にポコたんはなのちゃんに抱かれて寝ていたがリニスは起きていた。
 俺とあーちゃんは旅館の周りを散歩して、旅館辺りの景色を見て回った。途中であーちゃんが少し寒そうにしたので、顔を赤くしてなんだかんだ言うあーちゃんの手を握り締めて旅館に帰ることにした。春の早朝は冷えるのだから風邪を引くかもしれないので散歩を切り上げる事にしたんだが、しかし手を繋ぐくらいであーちゃんも恥ずかしがって赤くなって抗議しなくても良いと思うのだが……、友達と手を繋ぐのは恥ずかしくなる年頃なんだろうか?

 帰った後は七時ぐらいになってからなのちゃんとすずちゃんを起こすも、すずちゃんの方はあっさり起きて目も覚ましたが、なのちゃんは低血圧のため起きてくれたものの半分は寝ているような状態だったので冷水を旅館の従業員の人から貰ってきて飲ませて上げたら目を覚ましたようだ。
 伊達に年齢=幼馴染み歴をやっているわけではないので、なのちゃんの起こし方くらいは心得ているのだよ!

 その後は皆で宴会場に向かい朝食を食べてから、部屋に帰って普段着に着替えてから帰る準備を終えてから卓球台に向かい昨日のうやむやになった試合を再開することになった。
 当たり前だけど浴衣じゃなくて、みんな普段着を着ていたので昨日みたい服が脱げるなんてことはなかった。俺とすずちゃんの勝負結果は引き分けで、なのちゃんとあーちゃんの勝敗結果も前回と同じくなのちゃんの敗けだった。

 チェックアウト時間の十一時にギリギリでチェックアウトして、途中の帰り道で昼飯を食べて帰宅。まだ夕暮れまで時間があったので俺の家で四人で遊んだからあーちゃんとすずちゃんの迎いが来たので、今日は解散した。

 意外なことにものんびりと出来る旅行だったので今年はゴロゴロウィークを過ごせるかな~とか思っていたが、その後のあーちゃんから「また明日も遊ぶわよ」と電話が掛かってきて俺のゴロゴロウィークは彼方に消し飛んでしまった。

今更だけど改めてさようなら、俺のゴロゴロウィーク……。


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