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小学生編(前期)
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Ж月◇日

 鬼は外、福は内な今日。
 あの不吉なおみくじもあったので今年は何時も以上に張り切って、豆まきをした。

 そのせいで鬼役をしていた父さんを厄に見立てた俺が執拗以上に豆も投げ撒くって豆まみれになったため、父さんがぶちギレて鬼の面をしたまま反撃してきたが途中で母さんに「子供のやることに、なにを本気になって怒ってんのよ……」と怒りと呆れが半分ずつ混じったアイアンクローを食らい父さんは撃沈。

 恵方巻きを渡されたら、恵方巻きの中身が中トロで驚いたので父さんに、中トロの恵方巻きを買う甲斐性が有ったんだと言ったら「それくらいの甲斐性がなきゃ中古とは言え一括でこんなデカイ家を買えねぇよ!」と言われた。
 だったら来年は大トロを期待しても良いのかと訊いたら「任せとけ」と言質を採ったので来年の節分が楽しみだ。

P.S リニスが最近よく料理中に包丁で指を怪我しているので注意深く観察してみた。
 そして気がついたが、幽霊ちゃんと俺を見てなにかを考えて、迷って居るようだった。

 まさか、一日中俺と一緒に幽霊ちゃんが居るモノだから俺に嫉妬でもしていて、幽霊ちゃんを俺から離す方法を考えているのだろうか?
 幽霊ちゃんが好きなのか? 幽霊ちゃんとそんなに乳繰りたいのか?

 リニスの考えている事が何なのか分からなかったがリニスは相当思い詰めていたようなので、俺で良ければ相談に乗ると言ったら暫く考えた内に「もう少しだけ一人で考えさせて下さい」と言って食事の準備に戻っていった。

 俺に言えたってことは幽霊ちゃん関係ではないのかもしれない……、取りあえずリニスが喋ってくれるまで待つか。



Ж月■日

 今日は久しぶりに真面目な話をした気がする。
 話の内容はリニスの相談事についてだった。

 ちなみに相談事をした場所は風呂場だった。もちろん裸でだ。
 だって服着て風呂に入る奴なんて居ないだろ? 何を当たり前の事を言うんだって感じだ。

 なぜ風呂場で相談するなんて事になったかと言うと、二人きりで相談をしたいというリニスだが、その二人きりなれる空間が風呂場しかないと言う、プライベート空間欠如が風呂に入ることになった大元だったりするのだが、ぶっちゃけ幽霊ちゃんが四六時中俺に取り憑いていて二人きりになれないのがプライベート空間欠如の原因だった。
 唯一、俺が一人きりでくつろげる空間は幽霊ちゃんが釜で茹で殺された事が原因でトラウマになり忌避している風呂だけだったのだ。

 そう言う訳で俺達は風呂に向かったのだが、俺は下半身を隠したにも関わらずリニスはオープンにしていたので指摘したら、俺相手だから気にすることはないとのこと。それはけして身体が子供だからではなく、主従関係だからなのだと俺は考えておこうと思う。

 そして、相談内容はリニスの前の主人との事だった。簡略して説明すると前の主人は俺と同じ類の役職に居た人間で死者蘇生に挑んだらしい。
 無謀な事に挑むと思った。俺の知らない技術があるし死者蘇生が不可能だと証明できないから、出来ないとは思わないが人間には不可能なことだと俺は思っている。何の因果か俺は転生なんてもの体験してしまったしな。

 リニスが話てくれたことを聞いた限りじゃ、リニスは結局の何をすればいいのか分かっていないだけだったので、俺はリニスが信じるモノを見つけ出して信じ抜けと言っておいた。
 俺にはリニスが見えない何かとか、得体の知れない先の未来の事に悩んでいる気がしたのだ。
 まぁ…そんなのは目の前に来なければ分からないことだからそう言ったら、後先考えない馬鹿みたいなこと言われてから何か知らんが抱きしめられて柔らかいモノとかが密着して耐えていた鼻血が出てしまった。だがあえて言おう、役得であったと!

P.S 風呂から上がったら父さんからお決まりの「エロゲ主人公氏ねぇー!」ドロップキックが襲って来たので回避した。
 だが残念ながら今回ばかりは父さんの主張も否定できないののだが、応戦したらいつも通りに親子揃って母さんにアイアンクローを食らわさられた。

父さんはともかく、そのうち俺の頭が割れてしまいそうなので加減してください、お母様……。



Ж月\日

 今日はチョコレートを貰った。朝に母さんとリニスと高町家の女性陣から、学校ではあーちゃんとすずちゃんからチョコレートを貰った。

 その光景を見たクラスの野郎連中が「制服兄貴はモテるんだな―」とか「バニングスと月村が制服兄貴にチョコレートを渡して愛の告白をしたぞ!」とか言って、あーちゃんをキレさせてあーちゃんに追い掛け回されていた。
 すずちゃんの方はやんわりと受け流している辺りは流石だと思った。

 なのちゃんは「愛の告白ならなのはは何時でも全力全開で準備してるの!」とか言っていたが、誰か好きな人でも居るのだろうか? 特に誰かに対してチョコレートを渡すことはしていなかったが、誰にもバレないようにこっそり渡したのかもしれないので深入りはしなかった。

つうか、いい加減に俺のあだ名の制服兄貴は消えてくれないものだろうか……。



Ж月∵日

 黒歴史と言うものは誰にでも一つや二つは有るものだが、他人のソレが生まれる瞬間を目の当たりにするのは珍しいと思う。

 ちなみに何を見たかと言うと、今日の体育の時間で赤白帽子の先端部を上に向けてやる、小学生なら「さよおなら、ブー!」に続いてやったことのある人が多いと思う、人によっては黒歴史になるウルトラマンごっこだ。

 俺もやった記憶が合ったので思い出して身悶えしてしまいそうになった。コレからするであろうクラスメイトが増えるかもしれないって、なんて拷問だよ……。

 小さく呻いていた俺を幽霊ちゃんが心配がしたが大丈夫だと答えて気を取り直して授業に戻った。

 彼らも中学生くらいになってから、自分のやったことに身悶えすることになるかもしれないと思うと同情した。

しかし、黒歴史は本当に思い出すと鬱になる……。


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