◇月☆日
ゴールデンウィークに突入。五月病になってんやんぜ~の勢いで、部屋のベットでポコたんを抱いてゴロゴロしていたら、なのちゃんが強襲して来てボディプレスを食らわされた。
「ゴロゴロしてないで、遊びに行くなの」とか言って引きずられた先には黒塗りのリムジンがあり、久々に俺、呆然。
父さんの知り合いの893な方が、父さんのお向かいにでも来たのかと思ったら、なのちゃんの話だとあーちゃん家のモノだと言う。
運転席からいかにも執事な初老の人物が出てきて、母さんと父さんと幾つか言葉を交わしてから「どうぞ」と車のドアを開けられた。どうぞって何がですか?と思い、助けを求めるべく母さんの方を見たが、行ってこいと顔が訴えて居たので渋々乗る事にした。
そして執事の人、鮫島さんの運転する車で着いた先はバカでかい屋敷だった。俺もなのちゃんも二人して呆然。
そりゃあ、黒塗りのリムジンが家の前に着たと思ったら、それが自分達の迎えで着いた先はバカでかい屋敷なら誰だって呆然とするさ。
鮫島さんに案内された部屋には、あーちゃんと月村嬢がいて、ついでに大型犬から小型犬までの沢山のワンコ達が床にグターとしてくつろいでいた。
犬屋敷ですね、わかります。
まずは椅子に座っから、あーちゃんが何故俺達を屋敷……、と言うよりも自宅に呼んだのかを訊いてみたところ、なのちゃんからゴールデンウィークは毎年ゴロゴロしてると聞いて、そんな不健康に過ごす暇があるなら家に呼ぼうと思ったんだとか。
呼ぼうと思った、とかじゃなくて実際に呼んだじゃないか…。まぁ良いんだけどね。
鮫島さんが持ってきてくれた紅茶を飲みながら思ったが、俺が居るのがひどく場違いな気がしてきたんだよな。何しろ俺以外は女の子三人と五月病に成るんじゃないかって心配に成る程、くつろぎまくっているワンコ達。しかも俺以外は全員美少女ならぬ美幼女と言ってもいい子達だからな……、犬は関係ないか。
前世ではこの歳で、美幼女な女友達など居なかったから、もしや入学式辺りから夢でも見てるんじゃないかと思ったが、背後から聞こえた渋いと言うか、ターミネータの中の人みたいな声を聞いて振り返った瞬間に現実だと認識した。
思わず、マフィアのボスでしょうか?と聞き返さなかった俺は偉いと思う。黒帽子を被ってサングラスを掛ければ完璧なマフィアのボスになれるであろう御方がそこには居た。あーちゃんのパパさんらしいが、夢じゃないと言う証明にはあーちゃんのパパさんであるデビット氏は充分に足り得る人だった、だって無理だもん。こんなキャラの濃い人は夢の中ではとてもじゃないが創れません。
取りあえず俺達は挨拶してみたらあーちゃんの事を宜しく頼む的な事を三人とも言われ、あーちゃんは顔を赤くして照れていた。いい人だった……、家の父さんと何故知り合いになっているのか分からないくらいに……。
ただ俺の名前を聞いた瞬間、フリーズして少し驚いて居たのが気になったがな。父さんに似てないで驚いたのか、父さんに似すぎていて驚いたのか。もし驚いた理由がこの二つの中にあったのなら、前者の方が良いと思ったのは書くまでもないだろう。
P.S デビット氏が去った後、月村嬢から名前で呼んでと言われ、いきなりは恥ずかしいから少し考えさせてくれと言っておいた。その後になのちゃんとあーちゃんが、めっちゃ俺の事を睨んでいたのが気になった。
ついでにゴールデンウィークの予定は、あーちゃんにより自宅巡りに決まった。
母さんもOKを出してしまい、俺のゴロゴロウィークは彼方に去ってしまった……。
さようなら、俺のゴロゴロの日々。
◇月♀日
犬屋敷の次は猫屋敷だった件について。よし自分で書いてて分からないから、今まとめよう。バニングス邸が犬屋敷だと思ったら月村邸は猫屋敷だった。……友達が二人して動物屋敷を持っている友達が同時に要るって、どんだけ稀有な確率だよ。
女友達が全員美人って確率より低い気がするのは、気のせいじゃない筈。
細かい事を書くのを止めて昨日の名前に件について一日中考えた結果、月村嬢のことはすずちゃんと呼ぶことにした。なのちゃん、あーちゃん、すずちゃん。……名前をつける才能はどうやら俺にはないのだろう……、ホワイトデーの時に作ったクッキー何か、命名『俺クッキー』だしポコたんには切実に謝りたくなった。
四人で駄弁っていると、すずちゃんの専属メイドさんのファリンさんがお茶菓子と紅茶をもって参上して来くれたが、直後に猫が一匹ファリンさんの足元でじゃれてファリンさんが尻餅を着き紅茶が俺の顔面にかかって、かなり熱かった。ただ尻餅を着いたせいで、ファリンさんの短いスカートから白い布が見えたから役得だったと記しておこうと思う。
ガン見したせいで紅茶が目に入ってリアルムスカをするハメになったが、パンチラの代償と思えば安いものだ。ただしパンツを見たことがなのちゃん達にバレて、トリプルグーパンを食らったのは想定外だったがな。
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