☆月♀日
わ~い今日から僕も小学生だし記念に日記を書き始めよう! なんてピュアな気分で今日と言う日を迎えた訳でもなく、日記を書き始めた訳でもない。
心は汚れた大人の小学生生活の始まりである入学式について、書こうと思う。でも日記帳は今日から二冊目に突入したので、何時もより少し張り切って書いていくつもりだ。
朝っぱらからの入学式。さっそく俺の家族と高町家のポコたん以外の全員で聖祥小に向かった。
小学校生活の一日目からあまり幼稚園の毎日と変わらない気がするが、そこはそう気にすることでもないだろう。
体育館で入学式は行われ、これからも長く付き合う事になるであろう校長先生の長い話を俺は約二十年振りに聞いて長ったらしい話が不思議と懐かしくなり、それに伴い甦った前世の学生時代の思い出に浸っている内に校長先生の長ったらしい話は終わって自分の教室に移動することになっていた。
取りあえず父さん達に一端別れる旨を伝えてから、なのちゃんと一緒に教室へ移動。
見送られて体育館を出る辺りでなのちゃんが見知らぬ場所で不安だったのか俺の手を握り締めてきた刹那、母さんと桃子さんの瞳が怪しく光、きょー兄さんの目には殺気が宿り、父さんはリア充めと愚痴を溢した。
当たり前だけどその後きょー兄さんに追い回されたけど、何時も通り適当な所で反撃したので以下省略。
教室に到着。なのちゃんとは同じクラスだった。で出席番号順に挨拶をした。まずは俺の左隣にいるアリサと言う子から。
何とあのバニングス社の社長の娘だったので驚いた。父さんの知り合いの娘的な意味で。
俺やなのちゃんの自己紹介も終えて今日は解散、さっそく隣の子に話し掛ける。
「うるさわね」が開口一番の言葉、「あ、ツンデレだ」が俺の第一印象。ちなみに第一印象はどうやら言葉に出ていたらしく「誰がツンデレよ!!」とツンデレが言われたら言うであろうお決まりの言葉を言ったので間違いなく元祖じゃない方のツンデレだ。
確かに元祖じゃない方のツンデレだろうと言うと、「ツンデレに元祖も現在もないわよ!」とのこと。最近の若者に元祖ツンデレも分からないでツンデレと言う言葉を使っている者が居ることが大変嘆かわしかったので、元祖ツンデレと一般的な認識である『ふん……アンタのためにしてあげたんじゃないだからね!』の現在のツンデレとの違いをなのちゃんも待っているので普通なら三十分は掛かる時間を一分に圧縮して講義。
結果、ぷすぷすと頭から煙を出すあーちゃん。あーちゃんと言うのはアリサの事で、言った瞬間に煙を出していたあーちゃんが今度は顔を真っ赤にして烈火の如く怒る怒る。
親しみの意味を込めてあーちゃんさと言うと何かを諦めた顔になり、「今日のところは負けを認めてあげるけど、次はあんたに何かに言い負かされないんだから!」とまたツンデレお決まりの捨て台詞を放って教室を出て行ってしまった。
あーちゃんが去った後なのちゃんはジ~ッと俺を見てから、いきなりグーパンを食らわせてきた。
なのちゃん曰く、あーちゃんにデレデレしていた俺が許せなかったのだと。
なのちゃんは一度眼科に行った方が良い。ただ話してただけでデレデレして見えたのなら、視力が悪いのか、嫉妬深いのか、ヤンデレなのかの三択で、後者二つは有り得ないから目が悪いとしか考えられない。
P.S 入学祝いに父さんから、携帯電話を貰った。
電源を入れてみたら見たことの無いメーカーのモノだったので父さんに訊いたら、学園都市製の新作らしい。
学園都市製の物は一部を除いて基本的に持ち出し禁止じゃなかったのかと訊くと、内職で父さんが作った携帯電話なのでどうしようが問題ないし、統括理事長も父さんがやることにはこの程度なら口を挟まないらしい。
学園都市の最高権力者が敷いた決まりを無視できる父さんって、マジで何者? あと内職で携帯電話を作るってどんな内職だよ……。
☆月〇日
大人の余裕と言うもの感じる今日この頃。最近クラスメイトの男子達が帰りのホームルームを終えた後の、別れの挨拶で「さようなら」ではなく「さよおなら、ブー!」と言う誰もが小学生の頃にはやった事が、あるもしくは聞いたことのあるアレが流行り始めた。
俺は勿論しないがな。
さて近況報告はさておき、今日の出来事を書き始めるとしよう。
今日は一時間目から初の算数の小テスト。当たり前だがオール百点で隣の席のあーちゃんはちょっと悔しそうに俺を睨んでいた。入学式以降一方的にライバル視されて、絡まれる度に適当に受け流していたがその度に次こそは負けないんだから!と、ツンデレお決まりの捨て台詞を何時も飽きることなく言ってからあーちゃんはいつも去って行く。
勝負している気は無いのだが、あーちゃんにとってはそうなのだろう。
俺はそこら辺は適当に受け流してだけなんだがな。
一時間目が終了すると、あーちゃんは何で勝てないのよ!とプンプンしながら教室を退室していく。あーちゃんはいい加減、勝ち負けの前に勝負自体してないんだって気付いて良いと思う、俺は間違ってはいない。
あーちゃんが教室を出ると何時も通り頬を膨らませたなのちゃんが、アーだコーだとなのちゃん以外にデレデレするのは許さないとか、よく分からない事を言うのでため息を吐いておいた。
P.S 昨日体育の時間に有り得ん身体能力で俺と互角のドッチボールを繰り広げた月村嬢が、昼休みに一人で弁当を食べていたので一緒に食べないかと誘ってみたが、悩んだ様子を見せてからやんわりと断られた。一人で食べるのが良いとの事、本人が嫌がったので今日の所は諦めるが明日も誘ってみようと思う。あーちゃんも月村嬢も昼飯誘っても一緒に食わないとか、最近は一人弁当が流行っているのだろうか?
月村嬢を誘った後なのちゃんの所に戻ったらグーパンされて、あーちゃんも少し離れた位置から俺を睨んでいた……。なんでさ?
小説家になろう 勝手にランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。