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幼稚園編
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Ω月〆日

 今日は雪が降ったので日記を書くのがしんどい。
 しんどいので、ささっと日記を書こうと思う。

 最近母さんが父さんに対して突っ込まなくなったので、食卓がヤケに静で俺とポコたんは感覚が狂いそうだ。
 父さんも父さんで母さんのお腹の子が女の子だと知り、エロゲを買うのを自重し始めたのを今日父さんの部屋に行った時知り最近の我が家の状況に戦慄しそうになる、今日この頃。

 ポコたんと早々に高町家に向かい、外に出て最初迎えてくれた辺り一面の銀景色は俺の微妙に憂鬱な気分に拍車を掛けてくれやがった。
 そんな俺とは対称的に、ポコたんは雪の上をポコポコ鳴きながら喜んで走り回っていた。
 確か狸って犬科の動物だったからそれで喜んでいたのだろう。
 昔の歌に、犬は喜び庭駆け回り~とかあったくらいだしな。

 高町家に着いてからなのちゃんにこの事を話すと、外に飛び出てポコたんと一緒に駆け回っていた。
 子供と狸は元気ですね~と言った所、君も子供だろうと士郎さんにツッコミを入れられた。
 残念ながら身体はともかく精神の方は雪が降ったら『わ~い、雪が降ったから雪合戦しようよ~』の子供じゃなくて、『やべぇ…タイヤにチェーン巻いて置かないと明日の出勤に差し支えるよ……』の大人なのだから喜ぶと言うのは無理があるのです……士郎さん。

 午後はなのちゃんとポコたんと一緒に雪遊びをしに公園に行って、主に雪ダルマを作って遊んだ。
 なのちゃんは最初に雪合戦をやろうと言ってきたが、俺が二人と一匹でやってもつまらないから他のにしようと言うと「だったら雪ダルマさんの大家族を作るなの」と言い、大量の雪ダルマが公園に飾られる事になった。

 そう言えば今度、なのちゃんは大学までエスカレーター式の小学校に受験するみたいだ。
 俺は市立の小学校に行って、学園生活を最高にエンジョイしてある意味リア充になる予定だがなのちゃんが隣に居ないのはちょっと物足りない。
 だが会えなくなる訳じゃないし、まぁ良いか。



Ω月/日

 今日クソ親父と大喧嘩した。理由は簡単。幼稚園を休まされ用事があるからと連れ出された先が小学校の試験会場だったのだ。

 俺、呆然。試験会場で会ったなのちゃんは俺が受験するのを、何故か本人を差し置いて知っていた。何故知っているかを聞くと、父さんが話していたからと言う。そしてなのちゃんは俺がこの学校を受験するから、この学校を受験しようと思ったらしい。

 そして受験開始。流石に小学生レベルの筆記試験は完璧に出来た。
 当たり前だが小学校の試験の点を落とすとか、全く関係ないが元科学者としてちょっとだけもっているプライドが傷付くので全教科百点で有って欲しい。

 さて筆記試験だけなら流石に俺も大喧嘩なんかしなかったが、大喧嘩をした原因はこの次の面接試験にあった。
 面接官の女教師の人との一対一で面接。いろいろ質問され無難に答えていくがある質問で俺の返答は詰まってしまう。
 なぜなら『学校を受験しようと思った理由』を聞かれたからだ。
 当然ながらいきなり連れ込まれて受験させれているので受験理由などあるハズがない。強いて言うのなら訳も分からず父さんに連れこられてくらいだが、さすがにそんなことを答えられる筈がない。
 苦し紛れに答えのは「自分の中の何かが、此処を受験しろと叫んだんです」だ。
 少しの間呆けた面接官の人を見て、つくならもっとマシな嘘をつけばよかったと後悔した。

 そして帰宅早々に、なんでいきなり受験をさせられたかを問い詰めたところ「言ってなかったけ…悪い悪い忘れてた」と言われたの切っ掛けに、大喧嘩の火蓋は切って落とされたが、母さん久々のスクリューパンチ×2が俺達に炸裂して二人して撃沈した。

 俺まで殴られたのはあんまり納得できなかったが、母さんに叱られた父さんが小さくなっていたのはいい気分だった。

自業自得だ、ざまぁみろ!!



Ω月\日

 今日父さんの秘密が明かされた。
 順を追って言うと今日は合格発表日で、発表通知は輸送されてポストの中に入られていた。

 俺は別にそうでもなかったが父さんと母さんはドキドキしながら封を開け結果を見た瞬間、なん…だと? と呟いてワナワナし始めた。
 結果は特待生としての入学許可が書かれた通知だった。
 そういや聖祥小は私立だから特待生の制度があったなと思っていたら、喜びのあまり母さんが珍しく俺に抱き締めて来たので、顔が胸に溺れて危うく窒息しかけた。
 正直初めて顔に胸が溺れて窒息するのは彼女の方が良かったが役得だったので、記念に書き記して置こうと思う。

我が母親ながらデカくて柔らかかった。

 その後俺はポコたんを連れて高町家に結果報告。
 なのちゃんも試験に合格したと言うので、張れて来年から同じ私立の小学校に通うことが確定した。
 なのちゃんは入学確定祝いに、今度家族で遊園地に行くらしい。
 それを聞いた俺は成る程と頷き、家に帰り父さんに入学確定祝いを要求。
 何故母さんには入学確定祝いを要求しないのかと訊かれたので、さっきくれたんだから要求するわけないだろと答えたところ、父さんは納得。
 母さんは首を傾げて上げたっけ?と首を傾げていた。

 そして要求の結果、父さんの秘密を教えてやろうと言われふざけんなコノヤロー→あーン?文句あんのかコノヤロー→ヤるってのか?→ヤってやろうじゃねぇの!→乱闘開始→母さん妊娠中だけど渾身のストレートパンチ×2の流れで落ち着ついて、父さんの秘密である現代魔術師について教えて貰った。

 現代魔術師とは、現代魔術と言う細かい説明を省くと科学と魔術が合体した魔術体系の一つだと言われた。
 魔術と言っても、型月の魔術師みたいに魔法使いになるのを目指してるとかではないらしい。
 そしてベラベラと現代魔術師はどうだとかこうだと、言われ現代魔術師をやらないかと訊かれた。

 正直最初は怪しくて興味などなかったが、父さんの現代魔術の師匠である天見寛爾の出した本を見て、元科学者だった俺は興味を持ってしまい頷いてしまった。

 どうせ教わるならこの天見寛爾と言う人の方が良いと言ってみたが、父さん曰くかなりのはっちゃけじいさんらしく、他人を玩具にしか見ていないらしい。
 そのはっちゃけぷり故に父さんの持つ才能に興味を持たれ、弟子としては長い間師弟関係で居たと言う。だからやめて置いた方が良いそうだ。
 ちなみに師弟関係の終わりはじいさんのはっちゃけ振りに振り回され続けて、飽き飽きした父さんがじいさんに不意打ちを食らわせて意識を失った間に『エロゲがしたいので弟子を辞めさせて貰うぜ、じいさん』と書いた置き手紙を残してトンズラして以来、二度と逢っていないと言う。

 師匠もアレな人間だが、弟子も弟子で相当アレ過ぎるとしか言えない。まぁ父さんだしアレ過ぎるのは当たり前か。

P.S 父さんの職業に現代魔術師なのが関係あるのか訊いてみた所、まったく関係ないらしい。
 なら何の職業に就いてるんだよ。
 父さんの謎は果てしないと思った。


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