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幼稚園編
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√月●日

 秋と言えば食欲や読者やスポーツの秋だ。
 と言うわけでスポーツは鍛錬と言う名の運動を毎日やっているため無視して、今日は食欲の秋をやろうと思い朝からどっかに出掛けた母さんの変わりに自宅待機でネットサーフィンをやっている父さんに外出の許可を貰って、手伝いをして貯めた小遣いを片手に一人で翠屋へGOした。

 頼む食べ物はメニューを見てから数秒で決まった。
 チョコレートパフェとチョコレートケーキをウエイトレスをやっていたみゆ姉さんに注文して、注文したものが出来るまでしばらく待つことになった。

 客が少なく暇をもて余したみゆ姉さんが俺に話し掛けてきた。
 そしていつもは母さんと一緒に来ているのに、何故今日は一人で翠屋にやって来たのかと聞かれた。
 食欲の秋と言うし食べ物を食べに来ましたと言うと、みゆ姉さんは遠い目をしてから小さい子は良いよね―と呟いた。
 何でも最近体重が気になり始めたと言う、みゆ姉さんは中学生だから思春期に入っているのだろう。あんまり太った感じがしないと伝えた置くと、少しホッとして新しい客が来る前に仕事に戻っていた。

 言えないではないか、確かに太った感じがしないのはしないが、影が薄くてみゆ姉さんの前の体型を覚えていなから比較のしようが無いのでわからなかったなんて……。
 みゆ姉さんが運んできてくれたチョコレートパフェとチョコレートケーキを食べ終えてから支払いを済ませた俺は、みゆ姉さんから逃げる様に翠屋を去った。
 今度から出来るだけみゆ姉さんを記憶に留めておこうと思う。

 そう言えば、今日はなのちゃんに会わなかったな。こんなことは初めてだから日記に記しておこう。
 明日は読書の秋でもやるか。



√月Σ日

 今日はいろんな事が有りすぎた。よって朝の出来事から順番に書くことにする。

 まずは久しぶりに父さんが母さんに攻撃されないで居たのでなんだろうと思ったら、俺に弟か妹が出来たと言う。
 母さん以外みんな、呆然。
 父さんは牛乳を飲んでいた時に聞いたため、口の容量を越えた牛乳が口からだらだらと零れだして汚かったので距離を置いてなんとか食事を続行。
 「おめでとうございます」と言って、ポコたんを連れて俺は高町家に逃亡した。
 俺は空気が読める男だからな、ラブラブ空気は耐えられないのだよ。

 高町家に逃亡したら真っ先に、涙目のなのちゃんからグーパンを食らった。
 最近のなのちゃんは俺が何かすると直ぐにグーパンをしてくるから困る。
 取りあえず逃亡理由を聞かれたため、朝から二人の仲が珍しく良かった為いたたまれずに逃亡したとだけ言っておいた。
 流石に母さんが妊娠して二人がラブラブモードに入りそうだったから逃げてきたとは、言いたくはなかった。

 そして何故なのちゃんがいきなりグーパンしてきたのかを聞くと、昨日も何時ものように遊びに来ると思って家で一人で待っていたら、いつまでも来ないので俺が翠屋に行った後翠屋に向かったと聞き、向かったが翠屋に着いた頃には既に俺は帰っていてまた俺の家に向かったが、俺がまだ帰って居なくて昨日一日中会えなかったからと涙目でプンプン怒りながら言った。

 そりゃ悪かったけど、グーパンされる理由は何処に有るんだろう。
 日記帳を記録している今になってもまったく分からない……。
 その後桃子さんが、なのちゃんが俺のことを好きなんだね的な事を言って真っ赤に成るもんだから、きょー兄さんが俺をガン見してからさわやかな笑顔で道場に連行していった。

 今日の鍛錬の感想。鍛錬密度三倍とかマジで有り得ん……リア充のシスコンめ覚えてやがれ……何時か復讐してやる。

 午後からはなのちゃんと図書館に行ったのだが、その前に昼飯を食べに家に帰った時父さんがげっそりしていて母さんがツヤツヤしていたのがちょっと気になったが、まさか朝っぱらからとかマジで有リ得ン……。空気を読んで避難して正解だと思った時でした。

 図書館到着後なのちゃんは絵本コーナーに。俺は適当に前世では専行ではなかった物理学の本を数冊見繕い、なのちゃんの待つ読書コーナーに向かう。
 その過程で周りの大人達が驚いた様な顔をしていたがなんだったんだろう? 俺が親にでもパシられてるとでも思ったのだろうか?
 流石に俺が読むとは思っては居ないだろう。けど俺が読んだ本だったがな。

 読書コーナーに着きなのちゃんを探すと、隣に誰か居た。
 なのちゃんに訊いたら絵本コーナーで知り合った子で八神はやてと言う名前の子だった。その時何故かこの子とは馬が合わなそうだと、俺の勘は初対面の時から言っていたのだ。
 だが俺は……勘は信じるべきだとこの後のことで学んだ。

 勘は訴えていたものの取りあえず当たり障りのない自己紹介を終えてから、俺の勘が外れたのだろうと思い読書を始めた時だった。
 『それ』は幕を開けた。「その物理学の本は本当に読めるんか?」最初は子供の言うことだと無視しようと思ったが何故かその一言に怒りを感じ「八神山に棲息する小狸とは訳が違うのだよ」と言ってしまった。

 そこからはもう罵詈雑言の雨あられ。
 俺は八神を小狸と呼び、八神は俺を小インベーダーと呼び始めた。
 罵詈雑言の雨あられはいつの間にか、ポニテ巨乳属性の需要はどちらの方が重要かで二時間ばかりの大論争に発展。
 途中で唖然としていた司書さんが止めに入ったが、それを押し退けて俺達の大論争は続行。
 結果は痛み分けとなった……。クッ…小狸め…巨乳についてあそこまで語れるとはアイツは本当にリアルで五歳なのか超疑問だ。
 俺と同じ転生者でもまったく違和感を感じないぞ。

 俺と小狸の関係『犬猿の仲』、子狸の生息地である図書館には二度と近づかないと誓った。


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