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幼稚園編
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●月/日

 今日、約半年振りに当麻と再会した。
 刀夜さんの仕事が夏休みに入って、旅行先を決める際に当麻が海鳴に行きたいと言った為来たようだ。
 今日開園した最新設備の揃ったプールでばったり遭遇した時はかなり驚いたものだ。

 俺達二人の監督役として着いて来た母さんと、当麻のご両親が挨拶してから刀夜さんが天然無自覚で母さんを口説いて、顔の影が濃くなりゴゴゴ…的なオーラを放っている詩菜さんに耳を引っ張られていた。
 どうやらこの刀夜さんはかなりの天然ジゴロっぽい……。そして「嫉妬してる詩菜さんは怖いけどちょっと可愛らしいな~」とか言っていた辺り相当な愛妻家なのだろう。

 当麻がそんな二人を見てため息を吐いていた。
 「大丈夫だ、どこの家もそう変わらんから」と言って、俺となのちゃんと当麻の三人で同情しあった。
 本当…子供の前で、いつまでも新婚カップルぷりを発揮するのは辞めて貰いたいよなぁ…切実に……。

 ちなみに父さんとポコたんはお留守番。父さんは水着美女が~とか言ったので母さんにより、庭に物理的に埋められた。
 なのちゃんを除く高町家のみんなは、翠屋のサービスデーと重なり忙しいため全員翠屋のシフトだ。

 そしてプールタイム突入。
 野郎の水着はそう代わり映えのしないトランクスの水着、そしてなのちゃんは可愛らしいセパレートの水着に、俺が誕生日にプレゼントしたヘアゴムで髪をポニテにしていた。

 母さんは赤ビキニで思わず自重しろと言いたくなったが、詩菜さんの水着を見てその言葉も言えずに呆けてしまった。
 隣に居た当麻はずっこけた拍子にプールサイドに頭をぶつけて、プールに落っこちてしまったので慌てて引き上げた。
 ずっこけた当麻の気持ちも分かる、詩菜さんの格好を母さんがしていたら俺でも当麻と同じようにずっこけるだろう。

 何てたって黒の紐ビキニだ……、似合ってはいるが自分の母親があの格好なのはアウトだ。
 正直赤ビキニでも結構キツいのに……、当麻の心情を察し同情した。

 ウォータースライダーとか子供プールで遊んでいる間、ちらっと母さん達の方を見るとナンパされていた。
 刀夜さんがある程度の虫避けになってくれていたけど、それでも寄ってくるナンパ男は母さんにより人気の少ないプールに叩き込まれた。
 ナンパ男さん達は涙目だっただろう…取りあえず合掌だけはしてあげた。

 帰る時刻になり俺達は別れを済ませたら、母さん達保護者組が何してるのかと首を傾げていた。

 なんと母さんが説得した結果、上条一家は母さんの旅行期間中は我が家で過ごす事になったらしい。
 なんだって―! 取りあえず三人で叫んでみてから我が家にGO、庭にスケキヨの如く突き刺さった父さんが我が家で上条一家が最初に見た光景だったと言う。

 大変お見苦しいモノをお見せしてしまい、大変申し訳ありませんでした。この日記帳の帳面を借りて上条家の方々には謝罪させていただきます。



●月♀日

 父親三人衆が昨日の夜に酒を飲みまくった様で二日酔いになっていて酒臭いので、半径三メートルは近づかないで置いた。
 士郎さんがそんな様子だと今日の鍛錬は休みなんだろう。

 母さんが父さん達の事は心配せずに自分達に任せて遊びに行ってきて良いと言うので、そうすることにして近所の山に遊びにいくことにした。

 山に到着。蝉しか捕まえられなかったが昆虫採集をして、ポコたんに食べられると言う山草を教えて貰ってそれも摘んで山を降りた。
 久しぶりに童心に返り楽しんだな~と思い、俺はなのちゃんと当麻に捕まえた蝉を放してやろうと言ってみんなで捕まえた蝉を解放した。

 それが真夏の追いかけっこの始まりだとは知らずに……。

 解放した蝉の内の一匹が元気なくフラフラと飛び、俺達の近くに有った木の枝に垂れ下がっていた球体状の何かに激突して、その球体が揺れた衝撃と自重で枝が折れ落っこちた衝撃で壊れた何かからブンブンと羽音をさせる虫が出てきてたと思ったらスズメバチだった。

 全員一目散に逃亡したが何匹かに追い付かれてしまい、山道に落っこっていた石を拾い飛針の要領で投げるが、一匹気絶させただけで焼け石に水程度の意味しかなさなかった。
 毎日鍛えている俺はともかく、なのちゃんと当麻はもうバテバテでなのちゃんに到っては今にも倒れてしまいそうでヤバイと思ったその時、ヌゥリカベーと言う叫び声と供にポコたんマジックが炸裂。
 壁になって横に倒れスズメバチを圧殺し全滅させた。
 ポコたんマジックはまじでスゲー、やはりどっかの青狸とは訳が違うわ。

 家に帰ってからのポコたんはみんなからヒーロー扱いされていた。
 今日のまとめ、ポコたん無双の一日でした。



●月Ω日

 今日当麻が家に帰った。
 その前に一度最後の思い出に、三家族全員で海水浴場に行くこになった。

 母親たちの水着は以下省略、俺は何も見ないことにして当麻とポコたんと海で泳いでから、砂浜で遊んでいたなのちゃんと砂遊びをしていた。

 しばらくすると母さんが来て、スイカ割りをしないかと言ってきたので参加する。
 俺の順番までにこれと言ったことがあったのなら、置かれたスイカの前に埋まっていた空き缶につまづいて当麻がスイカに頭突きした事と母さんがスイカ割りの目隠しをしたのをこれ幸いと水着美女を拝みに行こうとした父さんに、目隠したままの母さんが一直線に逃げる父さんの方へ向かい、パイルドライバーを仕掛けスケキヨの様に父さんが埋められたことだろう。人前なんだから自重しろよ。

 俺の番になり後ろから張り上げられる指示の声に言われた通りに、俺はフラフラ歩き棒を降り下ろした。
 結果…………、父さんのムスコが潰れ掛けた。後から気付いたが、主に声を張り上げて居たのは母さんだった。
 「計画通り」と呟き、ニヤリと笑った母さんを見て自称新世界の神かよとツッコミたくなった。

 半年前の様に当麻と別れまた来ると言って当麻は去った、来年から当麻は学園都市で暮らすらしい。
 来年の夏は入学したてでいろいろあるから来るのは無理だが、再来年の夏には多分来れると言う。

 なら再来年の夏を楽しみにして待って置こう。取りあえず家に来て早々に逆さまで上半身が埋まった状態の父さんがお出向かいしない様にはしたい。


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