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幼稚園編
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〆月?日

 今日はホワイトデーの準備となのちゃんの誕生日プレゼントを買うため、デパートに行った。
 誕生日の軍資金は家の手伝いをして貰った物なので貯めた金は千五百円ポッキリだが、五歳の俺には充分すぎた。

 クッキーの材料にクッキーのトッピング用の材料とラッピング袋を購入して自由行動に入る。
 時間と集合場所を決めて置き、こう言う時は転生者で頭脳チートな俺はマジでお得だ。
 母さんが来ないからフリーダムにデパート探索がこの歳で可能なのだ。

 なのちゃんの誕生日プレゼントを探してると、中々いい感じのリボンを見つけた。
 ついでに値段設定もかなり良かったので、手持ちの金じゃ買うことは出来なかった。
 そのためもう少し手頃な値段なリボンを探そうと思ったのだが、何故か将来なのちゃんが立てるハズのフラグが破壊される気がしたのでリボンは辞めることにした。

 プレゼント探しの最中に偶々立ち寄った、ペットコーナーに売られていた首輪にも目が着いた。
 首輪を着けてにーにー鳴くなのちゃんを想像して二十分はガチで迷った。けど流石に首輪を誕生日プレゼントに贈るのは不味いと思って踏み留まってしまった、今では踏み留まった事を後悔している。
 結局俺の選んだプレゼントは長く使える様に、なのちゃんが体を動かす時に髪を纏める丈夫なヘアゴムを買った。

P.S そう言えば今日ペットコーナーに行った時、サザエさんヘアーの若奥さんが住宅地に広がる噂話をしていた。
 なんでも二足歩行で、ポンコツーとか鳴く狸が出るそうだ。
 それなんてドラえもん?



〆月◎日

 今日はデパートで買った材料でクッキーを作った。ガスは流石にまだ使わせてくれないが、オーブン位なら父さんか母さんの監督有りの条件で使わせて貰らうことができる。

 クッキー生地を作って色んな形にしてから幾つかにトッピングを入れてオーブンで焼いて待つ。
 焼き終わったらその中の半分に溶かしたチョコレートを塗ってから、冷蔵庫で冷却すること一時間半で『俺クッキー』完成。
 ネーミングセンスの悪さは自覚しているので目を瞑って欲しい。
 そして肝心のクッキーの出来栄えは我ながら、かなり久しぶりに作った割りには上手にできた方だった。
 何しろ前世は義理チョコすら十年程マトモに貰えなかったからなぁ……チョコレイ党の俺には辛かった…。
 袋に詰めてリボンでラッピングしてコーティングしたクッキーのチョコが溶けない様に、冷蔵庫に入れた。

 多く作りすぎた為、残ったクッキーは明日にでも近所の猫に上げに行こうと思う。



〆月£日

 何と今日は俺の家に家族が増えた。だがそのことを書く前に取りあえず、今日のホワイトデーの事から書き始めようと思う。

 先ずは母さんに朝リビングでクッキーを渡した。「ありがとう」と言ってその場で包装を外して全部食べ終えてしまう。

 桃子さんも同じくその場で包装を外して完食。それを見ていたなのちゃんとみゆ姉さんにも渡した。なのちゃんには量が多かったのか一辺に食べられなかった様だった。みゆ姉さんは「五歳の子供にも勝てない…料理…」と呟いて俺のクッキーを泣きながら食べていた。
 多分無理だろうけどみゆ姉さんが行き遅れに成らないと良いなーと思って幼稚園に向かった。

 そして幼稚園からの帰りに行き倒れの狸を発見した。
 ポコーと呻いていてお腹が減っていたようなので、急遽猫に上げる予定だったクッキー(チョコのコーティング抜き)を行き倒れの狸に食べさせて上げた。
 狸は二足歩行で立ち上がると律儀に俺達に頭を下げてポコーと鳴いて涙を流し始めた。
 何やら此処に来るまでにいろいろな事が在ったらしい、ポコーポコー鳴いているだけなので全然分かなかったけど。

 桃子さんにはこの狸に心辺りが在ったらしい、住宅地に最近現れていると噂の狸何じゃないかと。その狸は二足歩行でポンコツーとか鳴くらしい。
 鳴き声が大分違うけど多分この狸で間違いないのだろう。
 桃子さんの話だとこの辺では見かけないから他県の山から迷い出たんだろうと見た保健所が、この狸を処分するために捜し回って居るんだと言う。

 ふえーん、ポコーとなのちゃんと狸が泣いてしまい、流石に一度助けた狸を見捨てるのは目覚めが悪いしなのちゃんと狸がかわいそうので母さんと桃子さんに相談した。
 そして張れて家で飼うことになった。

 帰り道でなのちゃんと狸が手を繋いで歩く光景は微笑ましかったのだが、俺の中の常識が何かが違うと言っている気がした狸って二足歩行できたっけ? 母さんと桃子さんに聞いて見たけど二人とも狸を見るのは初めてだからよく分からないそうだ。

 まぁ、良いか……。狸の名前を今決めた、奴の名前はポコたんだ。



〆月∈日

 今日はなのちゃんの誕生日だった。
 俺とポコたんが公園に遊びに誘って、その間に他のみんなでパーティーの準備をして公園から帰ってきたところにハッピーバースデイとみんなでサプライズした。
 ポコたんは喋れないのでポコーと鳴いて、なのちゃんを祝う。

 なのちゃんは感激し過ぎて涙目になったようで、俺が指摘したら照れ隠しにグーパンされた。
 ケーキを分けてなのちゃんにみんながプレゼントを渡し、俺もヘアゴムを渡して運動する時に使うと良いと言ったら早速リボンを外してヘアゴムを付けて少し赤くなった笑顔のポニテを見せてくれた。
 その後直ぐに母さんに弄られて滅茶苦茶真っ赤になってうつ向いてしまったけど。
 ちなみに当たり前な話だけど、パーティーが終わった瞬間にきょー兄さんに追いかけ回された。

 マル秘、ポニテなのちゃんの感想。
 ヤバイ…十年後にやられたら確実にニコポされて堕ちていた。
 俺はロリコンじゃない…、俺はロリコンじゃない…、俺はロリコンじゃない…………たぶん。


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