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幼稚園編
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@月Σ日

取りあえず二日目。

 今日なのちゃんと幼稚園でおままごとをやらされて、軽く鬱だ。中身は魔法使いになって死んだ歳なだけはあるのだ。子供は癒しだが、遊びに付き合わせられるのは辛いものがある。

 余談だが、なのちゃんは幼稚園では俺以外とはあまり遊ばない。俺もなのちゃん以外とは遊ばない……、いや遊べないと言った方が正しいか。直ぐになのちゃんがヤキモチを妬いてプンプン怒るからだ。
 特に女の子に誘われるとそれだけでグーパンをしてくるから困る。
 みゆ姉さんとかの家族は良いが、それ以外は駄目らしい。
 ふと、父さんが言っていたことを思い出し俺は震えた。

「なのちゃんにはヤンデレの才能がある」

……大丈夫、だよな…?



@月λ日

 今日は土曜日なので幼稚園は休みだった。と言うわけだからと、なのちゃんが遊びに行こうと言ってきた。
 父さんが言っていたなのちゃんヤンデレ可能性アリの発言が少し恐かったものの、公園に行くことにした。

 そして、公園に行くと五人の子供が一人の子供に対してリンチをしていたので俺、呆然。
 なのちゃんに呼び掛けられ意識を戻してから、すぐに俺はリンチされていた黒髪の子に加勢すべくヤクザキックで参戦して、そりゃあもうすごい大乱闘になった。

 黒髪の男の子は顔に殴られた傷が有りつつも強い意思がその顔に現れている子だった、何故か最低限の自己防衛をして不幸だー!と叫んで逃げ回るだけだった。俺も加勢しているんだからやり返せよと思ったら、俺の猛攻振りにたじろいだ一人が、俺と男の子の様子をオロオロしながら見ていたなのちゃんを人質に取って悪役笑い。負けフラグだとその子が気付くには幼すぎたんだと思う。

 すると黒髪の男の子がなにやら熱いことを言って、なのちゃんを救出。俺は何故最初からやり返さないのか不思議に思ったが取りあえずはスルーした。
 それからリンチしていた子供達を正座させて事情を聞き出すと、何やらテレビで取り上げられていた不幸少年らしい。
 なんでも産まれたときから不幸な目に有っていて、テレビでも化け物扱いされていたそうだ。だからこの子達は正義の味方のつもりでたまたま海鳴市に旅行に来ていたと言う上条君をリンチしたらしい。
 純粋ゆえの悪意だったのだ。五人には上条君に謝らせてから二時間ばかり説教をして帰らせたら、その間になのちゃんと上条君の中が良くなっていて俺はおいてけぼりをくらった。
 上条君にお礼を言われたのでまた明日もここで会おうと言ったら喜んでくれた。
 三人で公園で遊んでから帰ってこのことを父さんに話すと、「ほう……そのインチキ霊能番組は潰す必要があるなぁ」と言う……父さんの本職が本気で気になった日であった。



@月Ⅸ日

 なのちゃんと上条くんが泥んこに成りながら公園で遊んでいるのを見て、ふと何でなのちゃんがなのちゃん以外の子と俺が遊ぼうとすると怒るのか考えてみた。
 多分だが士郎さんが事故に逢った時に俺が一緒に居てやるよ~云々かんぬんと言った記憶が有るので、もしかしたらそれが原因かもしれない。なのちゃんは上条君と仲が良くなった事から考えを改められると良いけど。

 三人で遊んでいると、くたびれた感じだが知的な印象を持ったおじさんがお嬢様っぽい二十代と思われる女性に耳を握られ引き摺られながら公園にやってきた。なんと上条君のご両親だと言って紹介された。
 なんでもご両親は同年代らしい。最近の母親は若作りの人が多いのだろうか? 家の母さんと言い桃子さんと言い上条君のお母さんと言い。

 上条君の両親から上条君の事でいろいろお礼を言われた。どうやら上条君は今日帰ってしまうらしい。
 な…なんだって―!と三人でハモって絶叫、上条君はお父さんから知っていただろうと突っ込まれていた。

 別れる前に上条君のお父さんの刀夜さんが、インスタントカメラで三人が写っている写真を取ってくれた。なんと設定すると同時に三枚まで写真をインスタント現像してくれると言う無駄に多機能なカメラだと言うのだ。
 なんだよそのインスタントカメラの現像原理を無視したカメラは!? 元科学者としてバラしたかったが人の物なので自重した、なんでも学園都市製らしいのでならと納得する。なのちゃんもウンウンと頷いて納得していた。

 そして別れの時、なのちゃんはマジ泣きして上条君に友達だよね? と聞いて上条君が頷き俺もウンウン頷ずいたら、上条君から当麻とよんでくれと言われたので別れ際には当麻と呼んでまた会うことを約束した。

貰った写真は日記帳に貼っておこうと思う。

P.S 涙目のなのちゃんを連れて帰ったらきょー兄さんに追いかけ回された。ムカついたのでシスコンめと言ったら更に追いかけ回された。
 追い回され続けるのも尺だったので橋に追い詰められたフリをしてギリギリ紙一重できょー兄さんの攻撃をかわしたら、橋に転がっていた小石に偶々躓いてよろけたので、きょー兄さんを川に突き落としてやった。きょー兄さん相手にこれが出来たのは奇跡だと思う。偶然と沢山の奇跡が重なったお陰でもう一度やれと言われても無理だろう。
 しかし、その後に慌てて追い掛けてきた士郎さんが俺のことを興味深そうに見ていたのがかなり気になった。

@月Ⅵ日

 三日坊主卒業。取りあえず一日目の不安は取り除かれたけど、祝砲ばかりとは言えない。
 今日はなのちゃんの元気がなかったのだ。どうやら当麻と別れたのがそうとう悲しかったらしい。
 俺のことを上目使いで見上げて、居なくならないよね? となのちゃんが聞いてきたときは、ポニテ巨乳フェチの俺が不覚にも萌えてしまった……、なのちゃんゴメンよ…。

 居なくならないさ、俺はなのちゃんの隣に居るよと切り返した俺は死ねば言いと思う。黒歴史的な意味で。

 三日坊主卒業の祝いに日記帳にタイトルを付けようと思う。タイトルは『平凡日記』、新しい四字熟語になった…まぁ良いか。

 ふと思ったが、何で父さんは日記帳を十五冊も買ってきたんだろう? 明日聞いてみる事にしよう。


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