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甲状腺被ばく:5人が50ミリシーベルト超…弘前大調査

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素の甲状腺被ばくを調べていた弘前大被ばく医療総合研究所(青森県弘前市)の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授は9日、調査した住民65人のうち50人から放射性ヨウ素を検出し、うち5人が国際基準の50ミリシーベルトを超えていたことを明らかにした。最高値は福島県浪江町在住の87ミリシーベルトで、10ミリシーベルト以上も26人いた。

 床次教授らは昨年4月11日から6日間、浪江町津島地区にとどまっている17人と、同県沿岸部から福島市に避難した48人の計65人(0歳~80代)ののどに検出器を当ててヨウ素131の濃度を計測。事故直後にヨウ素を吸い込んだと仮定して甲状腺の内部被ばく線量を積算した。

 その結果、津島地区の3人と、2週間ほど浪江町にとどまった後で福島市に避難した2人が、国際原子力機関(IAEA)の定めた甲状腺がんを防ぐヨウ素剤服用基準の50ミリシーベルトを超えた。子供(15歳以下)の最高値は47ミリシーベルトだった。

 国は昨年3月、同県いわき市などで子供1080人を同様に調査し、最高で30ミリシーベルト台と推定。床次教授らの調査結果はこれを上回る。床次教授は「浪江町にいた方に高い被ばく線量が計測され、事故の実態の一部が分かった。県や国は健康支援のための追跡調査などに今後しっかりと取り組む必要がある」と指摘。調査結果を総務省に提出し、住民にも説明する。【松山彦蔵】

毎日新聞 2012年3月9日 19時13分

 

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