|
早産などの危険が迫った妊婦がお産できる病院を、東京圏全体で探すネットワークが始動する。東京都と神奈川県は31日から、コーディネーターを介して連絡をとり合い、都県境を越えて妊婦を運ぶ仕組みを試行する。都は新年度中に、千葉、埼玉両県とも連携を広げることを検討する。
かかりつけ医は出産のリスクが高いと判断すると、妊婦を新生児集中治療室(NICU)がある施設に転院させる。だが、高齢出産などで小さく生まれる赤ちゃんが増える中、特に都市部ではNICUの整備が追いついていない。
1都3県は専従スタッフが24時間態勢でNICUの空きを探す「コーディネーター制度」で対応してきた。しかし、現状では空きを探せるのは自らの都県内に限られ、県外では地域の基幹病院の医師が人脈などを頼りに探しているのが現状だ。その間、医師は患者の診察ができず、空きが見つかるまで時間もかかる。
そこで東京と神奈川は、都県境をまたぐケースでも両都県のコーディネーターが仲介することにした。