【コラム】「無償福祉国」日本の餓死

 民主党政権が無償福祉を大幅に拡大している中、佐野さん姉妹のように人知れず死を迎え、数カ月後に発見されるという「孤立死」が急激に増えている。どの国であれ政府財源は限られているから、優先順位を決めて予算を執行する。日本で無償福祉が乱発されているのを受け「本当に今すぐ支援が必要な人々には給付金が行き渡っていないのでは」と反省する声が上がり始めた。

 民主党政権は2009年総選挙の勝因ともいえる無償福祉公約のうち幾つかを廃止・縮小し、消費税引き上げまで進めている。しかも現在は二つに分裂する危機まで迎えている。「次の選挙で勝利するには無償福祉の維持が必要だ」という勢力と、「国が滅びるのを黙って見ているわけにはいかない」という無償福祉廃止勢力に分かれて政争を繰り広げており、政党支持率は10%台まで下がった。

 韓国でも、与野党は総選挙を前に、所得にかかわらず無料給食や無料保育を受けられるといった年間数十兆ウォン(10兆ウォン=約7300億円)掛かる福祉策で「公約合戦」を繰り広げている。無料福祉を嫌がる人はいないだろうが、「金のなる木」はないので政府予算は慎重に決めなければならない。佐野さん姉妹の悲劇が韓国で起きないことを祈りながら、各政党が「福祉の定義」で票を集めるのではなく、国民のことを第一に考え判断することを願う。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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