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WEBレポート 施工業者から見た太陽光発電

複合的な技術が必要な施工

2012/03/21

一つめの 「施工業者の質の問題」 について。

どうやら、太陽光発電システムの施工は、素人が思っているよりはるかに大変な仕事のようだ。 まず、第2種電気工事士以上の資格がいる。 しかし、資格さえあればいいというわけでもないらしい。 それなりの経験も要求される。

「電気工事士にいきなりパワコン (パワーコンディショナー) の配線をやらせても、たいていはミスする」 (関口渉・エコシフト技術工事協同組合代表理事)

関口氏によれば、パワコンの不具合がトラブルのじつに6割を占めているそうだ。

電気工事に加え、屋根工事の知識・経験も必要だ。 その例として、総合防水対策メーカー、田島ルーフィングの中沢裕二氏 (営業部ソーラー共生チーム担当部長) は、屋上の防水層の問題を挙げていた。

施工には、電気工事と屋根工事の知識・経験が必要

一般的な勾配屋根に比べ、陸屋根(傾斜のない屋根)は、比較的安全に施工できるため、太陽光パネルの設置に向いているとされる。 しかし、十分な知識・経験がないと、パネルの基礎工事の際に防水層に傷をつけてしまい、雨漏りが生じかねないのだそうだ。

「 (建築業界では) 10年間の防水保証が慣例となっているが、防水工事業者以外の施工による漏水は免責事項となっている。 つまり、太陽光設置による漏水は保証を受けられない」 (中沢氏)

中沢氏はそう説明し、今後の課題として 「電設工事と基礎工事のベストミックス」 を強調していた。

■ “質”を維持する取り組み

このように複合的な知識が要求されるのにもかかわらず、太陽光発電システムの施工には国家資格が存在しない。 その点を問題視する講師も複数いた。

「これだけ普及しようとしているのに、国の決まった資格がない。まだ発展途上の商品だととらえている」 (釜谷正宏・釜谷サービス社長)

「実際いろいろな人が参入しているのに、本当にきちんと施工できるかどうかを判断する人がいない。ユーザーのあいだで『太陽光をつけたらひどい目にあった』といった話が広まるのではないかと心配だ」 (前出の関口氏)

国家資格はないが、メーカーはそれぞれ独自に研修を実施し、受講した施工業者に 「施工ID」 を発行している。 この施工IDは、メーカー保証を受けるためにも必要だ。 しかし、施工IDがあれば、実際の現場で取り付けがきちんとできるというわけではないという。

「メーカーのID研修ではパワコンの配線工事スキルはさらっと触る程度しか教えない。 そこは、 『第2種電気工事士がやること』 としている」 (関口氏)

「メーカーのID研修だけでは、技術力は十分ではない。 また、工事日のお客さま対応 (態度、清掃など) についてはあまり指導を受けないので、仮に施工が完璧だったとしてもクレームにつながる場合がある」 (木下晶啓・横浜環境デザイン法人営業部課長)

木下氏によれば、施工・販売会社の横浜環境デザインは、自前で模擬屋根を用意して研修を行い、自社の施工士に経験を積ませているという。

一方、業界では、昨年10月に始まった厚労省の 「求職者支援制度」 (雇用保険を受給できない失業者に対し無料の職業訓練を実施し、一定の要件を満たす場合には給付金を支給する制度) を活用した職業訓練や、施工者養成を目的とした学校なども増えている。 また、施工士の認証制度などの取り組みも始まっているそうだ。

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