津波警報:予想高を数字使わず表現 「巨大」「高い」など

2012年1月31日 21時32分 更新:1月31日 22時17分

改善後の津波警報
改善後の津波警報

 津波警報の発表方法などの見直しを進めてきた気象庁の有識者検討会は31日、改善策の提言をまとめた。津波の予想高の区分を従来の8段階から5段階に簡素化。巨大地震で規模を過小評価する可能性がある場合は、予想高を「巨大」「高い」と数字を使わず表現して避難を促す。過小評価が問題になった東日本大震災を受けた改善策で、気象庁は今年中の運用開始を目指す。【池田知広】

 発表する予想高は、1、3、5、10メートルと10メートル超の5段階。1メートルは津波注意報、3メートルは津波警報で、5メートル以上は大津波警報になる。

 地震の規模を示すマグニチュード(M)が8を超えるような巨大地震で、短時間でMを推定することが困難な場合は、大津波警報の対象地域への第一報の予想高は「巨大」、津波警報の地域には「高い」と表現。津波注意報の地域には「大きいおそれ」と表現する方針だったが、「分かりにくい」との意見があり、数字も言葉も出さないことにした。

 検討会では、沖合に設置した波浪計などによる津波観測を基に、沿岸到達時に推定される高さを発表する方針も確認した。ただ、小さい推計値が出た場合は油断させないよう、大津波警報の対象地域は推計値3メートル超、津波警報では1メートル超の場合のみ数値を発表する。実際に沿岸で観測された高さも、予想より低かった場合は数値を出さず、「観測中」などとして油断させないようにする。

 気象庁はM9の東日本大震災発生当初、M7.9と過小評価し、10メートル前後の津波が襲った岩手県や福島県の沿岸部に「3メートル」との第一報を発表した。記者会見した気象庁の永井章・地震津波監視課長は「数字に頼らず、危機感を伝える新しい警報発表の軸を設ける意見をいただいた。避難行動に結びつく警報にできる」と話した。

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