将来推計人口:2048年に1億人割る 超高齢化が進行

2012年1月30日 11時13分 更新:1月30日 11時54分

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は30日、2011~60年の将来推計人口を公表した。10年に1億2806万人だった日本の総人口は、48年に1億人を割り、60年には今より3割減の8674万人になると予測している。推計の前提となる合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は、60年に1.35になるとみて前回06年推計の1.26から上方修正したものの、60年には総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が4割に達し、超高齢化の進行に歯止めは掛かりそうにない。【山崎友記子】

 推計人口は10年の国勢調査に基づき算出した。最も可能性が高いとみる「中位」のほか、厳しく見積もった「低位」、その逆の「高位」の3推計を示した。60年の総人口8674万人は中位の数値。

 推計は昨年3月の東日本大震災の影響による「産み控え」などを考慮、11年末~12年にかけて出生数が減り、12年には合計特殊出生率がごくわずか低下するとみているものの、13年以降への影響は小さいと判断している。

 今回、将来の同出生率を上方修正したのは06年以降実績が上昇基調に転じ、10年には1.39に回復したため。前回の06年推計は、基準の05年に過去最低の1.26に落ち込んだことを織り込み、前々回の02年推計を大幅に下方修正していた。ただ、長期的には若い世代の出生率が緩やかに低下する傾向は変わらないとみている。

 中位推計によると、40年代には総人口が毎年100万人単位で減っていく。1年間で和歌山県クラスの全人口が消失する計算だ。

 10年の実績と60年の推計値を年齢層別に比べると、0~14歳は1684万人(総人口の13.1%)から791万人(同9.1%)、15~64歳も8173万人(63.8%)から4418万人(50.9%)へほぼ半減。一方、65歳以上は2948万人(23.0%)から3464万人(39.9%)に増える。1人の高齢者を支える働き手の数は、10年の2.8人から1.3人に減る。

 平均寿命は、10年は男性79.64歳、女性86.39歳だったのが、60年には男性は84.19歳、女性は90.93歳に伸びる。

 このほか、高位推計は60年に出生率が1.60まで回復するとし、総人口を9460万人と予測する。逆に出生率が1.12まで下がるとみる低位推計では、総人口が7997万人となり8000万人を割り込むとしている。

 人口推計は国勢調査に合わせ、同研究所がおおむね5年に1度、公表している。

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