2012年1月29日 22時44分
1日の平均睡眠時間が5時間以下の人は、7時間超の人と比べて糖尿病発症の危険性が5倍以上高くなることが、旭川大や北海道大などの分析で分かった。喜多歳子・旭川大助教(地域看護学)は「適切な睡眠が発症予防につながる可能性がある」と指摘する。米糖尿病専門誌「ダイアベーテス・ケア」電子版に掲載された。
研究チームは03年度、糖尿病ではない35~55歳の地方公務員の男女3570人を対象に睡眠時間や眠りの満足度などを調べた。その結果、07年度までの4年間で121人が糖尿病を発症していた。
うち、親や兄弟姉妹に糖尿病患者がいない人の発症リスクは、睡眠が5時間以下の人は7時間超と比べて約5.4倍高かった。また、睡眠不足を感じている人は感じていない人より約6.8倍、「夜中に目が覚めることが深刻な問題だ」と答えた人は、そうでない人より約5倍、それぞれリスクが高かった。
欧米の研究でも、睡眠時間が極端に短かったり長かったりすると、発症リスクの上昇が指摘されている。今回の調査では、睡眠が5時間以下の人には長時間労働や、シフト勤務のケースが多かったという。喜多助教は「糖尿病予防には食生活の改善や運動など、個人や家庭ごとの努力が重視されがちだ」と指摘したうえで「質のいい適切な時間の睡眠を確保できるような職場環境や社会全体の理解も重要ではないか」と話している。【大場あい】
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