2012年1月29日 20時37分 更新:1月29日 21時49分
東京電力は29日、福島第1原発の原子炉へ注水する非常用高台炉注ポンプなど、計14カ所から水漏れが相次いで見つかり、4号機の使用済み核燃料プールの冷却が約2時間停止するなどの影響があったと発表した。配管の凍結が原因とみられ、漏えい水の海への流入はないという。経済産業省原子力安全・保安院は同日午後、東電に対して凍結防止策の早期実施などを口頭で指示した。
4号機の使用済み核燃料プールでは、同日午前9時35分、冷却システムの異常を知らせる警報が鳴り、システムが停止。作業員が配管から約40リットルの水が漏れているのを発見し、弁を閉めたところ、水漏れが止まった。同11時14分に冷却を再開し、水温の上昇はなかった。ほかに、6号機循環水ポンプの配管接続部から純水約7立方メートルが漏れていた。いずれも放射性物質が検出されないか、低濃度だった。
第1原発のある福島県浜通りでは連日氷点下に冷え込み、広野町では午前6時に氷点下7.8度を記録した。
会見した松本純一原子力・立地本部長代理は「凍結による配管の破断を防ぐため、保温材を巻くなどの対策を取っているが、今回の水漏れ箇所では十分ではなかった。当面はパトロールに徹して、早期発見に努めたい」と述べた。【神保圭作】
4月1日北リアス線田野畑~陸中野田間復旧
岩手県・宮城県に残る災害廃棄物の現状とそこで暮らす人々のいまを伝える写真展を開催中。