2012年1月28日 21時3分 更新:1月28日 22時53分
衆院選挙制度改革の与野党協議会座長を務める民主党の樽床伸二幹事長代行は28日、福島県郡山市で記者団に公明党などが求める「小選挙区比例代表連用制」の導入について「比例定数80削減を実現するためにすべてのことを考える」と述べた。民主党の主張する比例80削減と連用制を組み合わせる方向で検討し、与野党協議の落としどころを探る考えを示したとみられる。
連用制については民主党の城島光力国対委員長が27日の記者会見で「党内でも検討する」と表明した。民主党は小選挙区(300議席)の「1票の格差」を是正する「0増5減」案と比例代表(180議席)の「80削減」案を提示しているが、2大政党に有利な小選挙区の比重が高まることに中小政党が反発。民主党が一転して連用制の検討に前向きになった背景には、選挙制度協議のこう着状態を打開するとともに、消費増税などほかの政策でも公明党の協力を得る狙いがある。
民主党が大勝した09年衆院選の得票を基に毎日新聞が試算したところ、比例を80削減したうえで連用制を導入した場合、民主党の比例獲得議席は3にとどまる一方、公明党は34と現有の21議席を大きく上回る。民主党に次ぐ第2党の自民党も比例議席を減らすが、それでも29議席を確保。小選挙区の獲得議席で開いた格差を縮小させる仕組みだと分かる。
連用制の検討には民主党内で激しい抵抗が予想されるほか、自民党の谷垣禎一総裁も否定的で、与野党協議はなお難航必至だ。【大場伸也、青木純】
◇小選挙区比例代表連用制◇
有権者が小選挙区と比例代表で計2票を投じ、小選挙区で獲得議席の少ない政党に優先的に比例代表の議席を割り振る制度。「小選挙区の当選者プラス1、2、3……」の整数で比例の得票数を割った商の大きな順に議席を配分する。現行の衆院選挙制度は小選挙区比例代表並立制と呼ばれ、有権者は同様に2票を投じるが、比例で中小政党を優遇する措置はとられていない。
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