2012年1月28日 19時12分 更新:1月28日 21時41分
アインシュタインが予言した重力波の検出を目指す大型望遠鏡「LCGT」の愛称が決まり、28日、東京大宇宙線研究所が公表した。設置場所の岐阜県神岡町(Kamioka=現飛騨市)と、重力波(Gravitational Wave)を合わせた「かぐら(KAGRA)」。命名委員会の委員長を務めた作家の小川洋子さんは「名前が付くということは魂が吹き込まれるということ。世界の秘密を解き明かす役目を果たしてほしい」と話した。
愛称は、神岡鉱山地下の宇宙線研の施設を見学したことがある小川さんが、毎日新聞夕刊のコラムに「早く相応(ふさわ)しい名前をつけてあげてほしい」と書いたのがきっかけで、公募された。全国から666件(名称数358)の応募があり、6人で構成する命名委員会が「日本の望遠鏡らしく、世界にも通用する名前」と選んだ。
東大柏キャンパス(千葉県柏市)で開かれた愛称公表式には「かぐら(KAGRA)」を提案した4人が招待され、望遠鏡をかたどった記念品が手渡された。
「KAGRA」は地下200メートルに建設、15年秋の観測開始をめざす。ブラックホールの誕生や超新星爆発の際に出る重力波をとらえることができれば、物理学や天文学に新たな窓が開かれる。検出は国際競争となっている。
梶田隆章・宇宙線研所長は「KAGRAの愛称が研究成果によって広く知ってもらえることが、応募してくれた方々への恩返しだと思う」と、遠い宇宙から来るかすかな波の検出に意欲を燃やしている。【青野由利】
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