2012年1月28日 7時26分 更新:1月28日 11時16分
【ロンドン会川晴之】英米系格付け会社大手フィッチ・レーティングスは27日、イタリアなどユーロ圏5カ国の国債の長期信用格付けを引き下げた。イタリアを従来の「シングルAプラス」から「シングルAマイナス」とするなど3カ国を2段階格下げ。ベルギーとキプロスをそれぞれ1段階格下げした。
欧州信用不安の拡大で金融市場が不安定化していることに加え、ユーロ圏の景気の先行き不安も高まり、資金調達環境が悪化していることが理由。イタリア以外では、スペインとスロベニアをいずれも2段階下げて「シングルA」としたほか、ベルギーを「ダブルA」、キプロスを「トリプルBマイナス」にそれぞれ1段階引き下げた。格下げで各国は新規の国債発行の際、従来より高い金利を付けないと買い手が付かなくなり、財政悪化に拍車がかかる恐れがある。
今後の格付け見通しも、イタリアなど5カ国と、今回は格付けを据え置いたアイルランドについて、将来の引き下げの可能性がある「弱含み」とした。
ユーロ圏諸国の国債については、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が13日、フランスなど9カ国を一斉に格下げ。フランスとオーストリアは最上位の「トリプルA」から転落した。フィッチは今回、最上位(「トリプルA」)の格付けを持つフランスやドイツを見直しの対象としなかったが、相次ぐ格下げは欧州債務問題の収束を一層困難にさせる懸念がある。
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