2012年1月26日 11時28分 更新:1月26日 13時7分
【ワシントン平地修】米連邦準備制度理事会(FRB)は24、25の両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、事実上のゼロ金利政策を「少なくとも14年終盤」まで継続する方針を9対1の賛成多数で決定。これまで「13年半ば」としてきたが、1年半程度延長し、超低金利政策を長期化させ、景気を下支えする姿勢を鮮明にした。また、長期的な物価上昇率の目標を2%とし、今後の政策運営の基準とするインフレ目標を初めて設定した。ただ、物価だけではなく、雇用情勢も重視すると強調しており、物価目標の達成が義務づけられている英国のインフレ目標とは異なる。
FOMC後の声明は、景気の現状について「緩やかに拡大している」とし、失業率の水準を「なお高い」としながらも、雇用環境は「更なる改善を示している」と判断。先行きについては、欧州債務危機に伴う金融市場の緊張などで「重大な下ぶれリスクがある」と指摘。景気が停滞を続け物価が落ち着いていれば「一段の行動に踏み切る用意がある」と述べ、追加金融緩和の可能性に言及した。
FRBは、08年12月から政策金利を年0~0.25%に据え置いており、昨年8月には「低金利を13年半ばまで継続する」との方針を決定。今回の14年終盤までの期間の延長は、高水準の失業率や住宅市場の不振などで米経済の景気低迷が長期化するとのFRBの見通しを反映した形だ。
今回初めて発表したFOMCメンバー17人によるゼロ金利解除時期の見通しは、14年が5人と最も多く、15年と16年を選んだメンバー6人、今年と来年がそれぞれ3人だった。
一方、2%のインフレ目標の導入は、政策決定の透明性を高める取り組みの一環で、市場参加者らが政策変更を予想しやすくなるなどの効果が期待される。FRBのバーナンキ議長は会見で「2%の目標を明確にすることで、物価の安定化や適度な長期金利を促すことができる」と説明。雇用情勢にも配慮することを強調した。FRBが同日発表した経済見通しでは、12年の実質経済成長率を2.2~2.7%とした。
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