ある日の僕は、窓から入ってくるキラキラした光を見ていたのでした。僕は窓から入ってくる光を見ているとすごく落着くのです。
すると電話が鳴りますから、モシモシハイハイと答えると受話器から「お前の家にうんこ送るけん」という声がします。
僕は窓から入ってくるキラキラした光を見ていると、すごく落着く。
ですから僕は静かに「ずいぶん待ったんだぜ」と答えたのでした。
みなさん、株式会社ドワンゴ社員糸柳和法には夢があります。
その夢とはすなわち自分のうんこを調理して、はてな社員のマラさんに見せることです。
詳しい経緯はこちらから。
おやおや、糸柳和法さんはおかしいな、うんこを調理して人に見せるなんて、どうかしてるんじゃないのかな? そんな風に、批判的な気持になった人もいることでしょう。
確かにこの夢には理屈が通らない所があるし、そんなことをする意義もよくわかりません。
しかしながら、みなさん、一度子供時代を思い出して欲しい。
大人になるにつれて僕らは、ひたすら純粋に夢を追い掛けるということを忘れてしまう。
理屈やら意義なんかどうだっていい、自分の糞便を調理してはてな社員のマラさんに見せつけたい、そんな子供時代の美しい気持を、みなさんは忘れてしまっているんじゃないですか?
本当に汚い、糸柳和法のうんこよりもずっと汚い、心の貧しい大人になったものですね。
少しでもこの行動に疑いを持った人は、人のことを批判するより先に、自分の小汚い心を自省したほうがいいと思いますよ。
写真は夢みる糸柳和法さん。
この人の夢を、夢で終らせてもいいのか? いや良くない。
そんなわけで奇麗な心を持った僕は、株式会社ドワンゴ社員糸柳和法さんの美しい夢の実現に向けて、協力することに決めたのです。
それいけノンタックにそっくりなこの人は、ドワンゴ会長の川上さんなんですけど、川上会長も僕と同じく正義の心を持った人です。
この川上量生さんは少し話し方やら髪型が変だったりするけど、ドワンゴ社員糸柳和法さんの夢の実現のため 100万円というお金を出資した。すごく男らしくてがってん承知の助みたいですね。
夢に近付き嬉しそうな糸柳和法さんとそれを見守る株式会社ドワンゴ会長川上さんの姿。
川上さんという人は、侠気があるしノンタックには似ているし、少し話し方やら髪型が変だけど、本当にすごく良い人ですね。
うんこを調理してマラさんに渡す、こう書くと簡単にも思えますが、実際に行動に移そうと思うと難しい。
例えば運搬面では公共機関を利用すると警察に怒られる危険がありますし、うんこを調理する台所を探すのも大変です。
また僕としては、調理していないうんこを渡したほうが、インパクトがあっていいという思いもあったりする。
というか僕としては絶対にうんこを調理するのに反対で、なぜかというと調理した結果として小さくなると盛り下るし、タッパの蓋を開けてから、それがうんこと気付くまでの時間差も気になる。糸柳和法の気持とかどうでもいい! とにかく生成りのうんこを株式会社はてな社員マラさんに見せ付けたい! これが僕の意見なのです。
こういう風に実現の困難さやら意見の衝突もあって、実行までの2日間、糸柳和法さんと僕は電話で徹底的に議論をし、計画を練り続けたのでした。
ただ二人ともうんこで遊ぶのが楽しみすぎて、具体的にどうするのかっていう話しをしていても、最終的にはうんこの色がどうだとか、うんこは臭いだとか、ビチクソは弁当に入れてあるだとか、そうだ京都に行こうとか無駄だとか、そういう話しになってしまう。
こうした事情もあり、決定したことは
ということだけです。
ところで下の二つの記事は、サプライズパーティーを実現するため書かれていたのです。
本当にドッキリテレビみたいな感じで愉快ですね。
2日の間、僕はずっとうんこを持ち続けました。
とにかく失敗は許されません。
僕はありとあらゆる状況を、シミュレーションします。
例えば奥野さんがうんこを食ったらどうするかだとか、気が動転した奥野さんがうんこを握り締めたまま道路を駆け巡った場合にはどうするかだとか、300パターンくらいのトラブルを想定し、対応策を考えたのです。
ところが、奥野さんが通行人に「ホイホイ、うんこ」と言いながらうんこを渡す情景などを考えているうちに、それが面白くなって来て、とにかく目を閉じるとうんこが思い浮かぶという状態になってしまった。
ですから顔を洗おうとすると、うんこを奥野さんに向って砲丸投げする糸柳和法さんの様子を想像してしまい、笑えて石鹸を食ってしまったり、眠ろうとすると、うんこを部屋に持ち込まれてすごく微妙な顔をしている奥野さんの顔が思い浮かんで、吹き出してしまったりしまう。
なんかもっといろいろ想像したけど、この時期は本当にがむしゃらで周りの見えない状態になっていたから、あんまり覚えていません。
とにかく僕は、うんこ関係の面白シーンの中から10個くらい選り抜き話しを選択し、それを何度も考えてずっと笑い続けて、もう眠れなくなってしまったのです。
やったぞ、うんこだ、待ちに待ったうんこの到着!
僕は大急ぎでガムテープを取り外します。
異常に美しい収納、糸柳和法さんの几帳面な性格が想像できますね。
保冷材、もちろん荷物はクール宅急便で届いてる。
ありがとう内原さん!! Son of a BIT 公表発売中だよー!
プレゼントだから梱包にはこだわりたい。
僕はアイスクリームみたいな感じにしたよ。
この時点で結構うんこの匂いがしていて、袋から空気を出す際に吐き気がしたり、エズイたりしたけど、気にしない気にしない、僕はすごくご機嫌だ!
本当はクーラーボックスを利用したかったんだけど、匂いがもれると怪しい薬品を運搬していると警察に尋問されそうなので、あくまでアイスクリームっぽい袋に入れた。とにかく安全第一です。
茶色いタオルは保冷効果を高めるためのおばあちゃんの知恵袋です。
そうこうするうちに糸柳和法さんとサポーターの下林明正さんも京都に到着、奥野さんに連絡などはしていませんが、奥野さんの家はベースステーションなので、奥野さんの家に集合するのでした。
僕は一応、クッキングは止めたほうがいいんじゃないかと止めたんですけど、糸柳和法さんの決心は堅い。
奥野さんの台所を活用してうんこの弁当を作ってしまいます。
写真を見たい人は上をクリック、クリック、スーパー大きな画像で写真を見ることが出来るよ!
クッキングする糸柳和法さんは、すごく嬉しそうだった。
僕はというと、頭の中でアンパンマンのマーチを再生しながら、ずっとそれを見ていて「ああこいつの幸せはうんこを調理することなんだろうなー」とか「なる程、こいつはうんこを調理して喜ぶのかー」とか、考えていたのでした。
すごくもったいないことに、このクッキングする糸柳和法の伊達姿を見ていたのは僕だけだった。
下林明正さんが、後の楽しみのために今はうんこ弁当は見ないとか、気狂いみたいなことを話していたのが、とても印象的ですね。
見ず知らずの他人の家に上り込みうんこを調理する、その行為に対して批判的な気持を持った人もいることでしょう。
しかし糸柳和法さんは、二〇〇六年一〇月頃、都立松沢病院の閉鎖病棟に入れられたのです。病気なんだから仕方ないじゃないか!
糸柳和法さんは病気なのに夢の実現のために頑張ってる。それに比べて、君たちは細かいことをゴチャゴチャ批判するばかりだし、冷徹に黄禍論を主張する差別主義者だし、僕は本当に情けない!
ちょっと反省したほうがいいですよ。
この後は集合した人たちと花見をします。
糸柳和法が割り箸を使うという頭脳プレーで花火にうんこを盛り付け、大空高く打ち上げます。
その後でうんこを燃やしたりして、みんなで仲良く遊びました。
僕はうんこを燃やすのはもったいないから、反対だったんだけど止める暇がなかったし、マラさんがにこにこと微笑みながら同性愛的な視線を糸柳さんに注いでいたので、雰囲気的になにも言えなかった。
さてと、この計画の実現のため起きた被害を、下のリストにまとめてみました。
確かに僕らは怒られるようなことはした。
しかしですね、テレビ局の人は糸柳和法さんを批判して僕を気狂い扱いしましたけど、現代アートを現在の世の中で成立させようと思うと、街の構造自体作り換えなくてはなりません。例えば日本のどこにいても2時間以内に到着出来て、東京ドーム程度の大きさのアートスペースがあったと想像してみてください。恐らく表現行為に素晴しく大きな影響を与えることでしょう。
そういう場所がないから、糸柳和法さんと僕は、仕方なくうんこで遊んだり燃やりした。ですから僕らを気狂い扱いしたテレビ局の人は、そういうことすら理解出来ないうんこ以下の痴れ者だということになります。本当に芸術が理解出来ない野蛮人はなにをするか分りません。あまり関りたくないものですね。
あと一応書いておきますと、僕は奥野さんに謝罪などは一切しておらず、なんで謝罪していないかと説明すると、世の中には謝って済むことと、済まないことがあると知っているからです。
被害が出たのは残念だったけど、糸柳和法さんの夢の実現のためには仕方のない犠牲だったと思います。
被害が出ましたから、一応チャリティーのオークションを開くことにしました。
このライターは糸柳和法さんがうんこに着火する際に使ったライターで、うんこが蝋燭のロウでコーティングされているすごく高性能なライターです。
素晴しいですね。
あーあ、ドワンゴ社員のせいで俺は無職になるかもしれないなー、世知辛い世の中だ、だけど侠気のある川上さんなら、このチャリティーに参加して100万円くらいポンポン払ってくれるかもしれないなー、その金で酒ばっかし飲んで3ヶ月くらい暮そうなどと、僕は今からすごく楽しみです。
糸柳和法さんの夢が実現してから二日もたち、僕は多少と罪悪感にかられ、現場を掃除に行ったりしたのでした。
思ったよりも奇麗に片付けてあったんだけど、やっぱしうんこがついた割り箸だとか、空き缶だとか弁当の具だとかが散らばっていたので、僕はさっさと片付けてしまいます。
うんこは汚いけど、桜はすごく奇麗です。
僕は夢のなごりに夜桜の写真を一枚撮影し、その場を立ち去ったのでした。
誰よりも泣くことが嫌いな君は
誰よりもたくさん泣いた男だ
桜の花を見るたび
僕は君のことを思い出そう