2012年01月07日

四国巡礼前編最終日

/いのたに@徳島県徳島市にて中華そば肉入り中盛りに生玉子/特急うずしお12号/牟礼(むれ)製麺@香川県さぬき市にてかけうどんに小豆の天ぷら/大谷製麺所@香川県高松市にてぶっかけうどんに練り物/ミスタードーナツ/高松家@香川県高松市にてラーメンに野菜畑/支那そばや@香川県高松市にてラーメン/

 阿波踊りのメッカだけあって、市内のあちこちに阿波踊りの彫像が立っています。
 特に郵便箱には全て立っていて、観光客は大喜びです。

 地方の有名店は30分前でも並んでいたことがない、のに念のため早めにホテルを出てラーメン屋に行ってみると1人も並んでいません。

 それじゃあと、すぐ隣の三島神社へお参りすることにしました。
 狛犬がちょっと変わった形ですね。

 お賽銭を投げ入れて辺りを見渡すと頂上へ続くだろう階段が見えたので、何の気なしに登ってみることにしました。
 ずっと木々に囲まれた登山路だったので、辺りが見渡せる場所まで頑張るか、と20分ほど息を切らして登って。
 眉山中腹からの眺望、遠くに淡路島が見えなくもない。

 戻ってくるとちょうど開店時間になったいのたに@徳島県徳島市、開店前との違いは赤い暖簾だけ。
 店内はガランと広くて大きなU字型のカウンター席が二つ、各々、17人掛けでしょうか。
 そのカウンター席の間に券売機が用意されているので、前のお客さんに続いて並んだら「こちらにもあります」と店員さんに案内されてしまいました。

 2台あるのね。
 メニューは中華そばのみで、中盛りと大盛り、肉入りと無し(少なめ)の四種類、ライス、生玉子、メンマ。
 事前に聞いていた「ライスを付けてね」しようと思いましたが、150円には賛成できません。
 プラ券を買って奥のカウンター席に座って店員さんに渡します。
 特に聞かれませんでしたが、麺の茹で加減やネギ抜き、モヤシ抜きに応じてくれるそうです。
 厨房には男性店員さんが5人、ホールは女性店員さん3人と「どんなに多くても素早く出すよ」な体制です。

 両壁には有名人の写真付きサイン色紙がびっしり、の中に営業許可証があって店主さんの名字が「猪谷さん」だと初めて知り、生まれは私と同じ年の同じ月でした。
 出来上がったラーメンは、すぐ近くで(一緒に入ったお客さんの分を含め)3つだけなのにキッチンワゴンに乗せて運ばれてきました。

 中華そば肉入り中盛り650円に生玉子50円、チャーシューはなくてすきやき風の薄切り肉だけです。
 関東圏で食べた「徳島ラーメン」はこのビジュアルがスタンダードだったのですが、本物のスタンダードは玉子もなければ肉も少ないのですね。
 渾然一体とした醤油タレと豚骨の茶系スープはとっても美味しく、毎週家族で食べられるほど後味はさっぱりとしています。
 中太麺は程よくスープを持ち上げてとても美味しい、初めにこのラーメンを食べたら他のラーメンはだいぶ色あせてしまうだろうな。

 メンマと薬味ネギは申し訳程度なので薬味ネギはもっと欲しいけど、このバランスが大切なんだろうな。
 ご馳走様でした。
 気が付くとスープを飲み干していて、これから何軒か食べ歩くのに一軒目からこれでは先が思いやられます。

 徳島駅に着くと予定していた各駅停車の前に特急の高松行きの出発まであと10分。
 今日は途中から私鉄に乗り換えるのでJRとしては1000円程度しか乗らないため青春18きっぷは使わない予定。
 じゃあ、と、乗車券1060円に自由席特急券1150円を購入して特急うずしお12号に乗り込みました。
 途中でかなり眠くなってこのままでは寝過ごしてしまうから、先頭車両で車窓を眺めていました。

 志度駅で降りて辺りを見回せば牟礼(むれ)製麺@香川県さぬき市が目に入ります。
 関東圏では讃岐うどんを食べるたびに「本当の味はどんな味だろう」と思いを馳せ、食べたことがある人には「全然違うよ」と言われ、どんなにラーメンが好きでも香川県にきたら讃岐うどんを食べようと決めていました。
 ただ、本物の讃岐うどん屋さんは鉄道はおろかバスも走っていない山奥の民家なので、今回は行かれず、観光客向けの讃岐うどんということですが。
 「『セルフうどん』の作法が分からないから誰かの後に続きたいな」と思い、店先に人が並んでいないので少し待ちましたが、誰もお客さんが来ません。

 ええいと戸を空けると正面奥の厨房の前にまっすぐお客さんがずらり、外は寒いから店内に並んでいるんだ。
 心配は杞憂で「セルフうどん」とは「うどんをオーダーし、テーブルに置かれたトッピングを乗せ、端っこで会計する」という高速道路のサービスエリア方式、関東圏でもはなまるうどん等でこの方式でうどんを提供していますね。
 ただこの店はラーメンも扱っているので、中華そばを食べたい人は頼んでから椅子に座って出来上がりを待ち、店員さんに声を掛けてもらってから受け取っていました。

 うどんとしてかけ、湯だめ、釜揚げ、ぶっかけ、ざる、冷し、しっぽくとあり、どれが基本なのか分からないので右端にしました。
 トッピングは天ぷらとして豆?、ナス、カボチャ、他には練り物やコロッケ、サイドメニューとして五目寿司、太巻き、おでんも用意されています。
 お客さんの流れを乱すことなくかけうどん180円に小豆の天ぷら70円、相席は当たり前なので苦手な人は難しいかも知れません。
 箸でぐいっとうどんを持ち上げて食べてみると、ぷるんと口の中で踊る極太麺、くるっと喉元を過ぎていく食感。

 すんごい旨い、すんごい旨いのにたった180円、しかも讃岐にしては評価が低いロードサイド店、なんなんだよいったい。
 天候によっては真夏には水不足に陥ってしまうほどの四国でなぜ水を大量に使う讃岐うどんが流行っているのか、たった今、分かりました。
 出汁は鰹節か昆布か分からないほどの薄味ですがうどん自体が旨いのでこれで充分、関東圏で食べた讃岐うどんはいったい何だったのか。
 小豆の天ぷらは初めて食べましたが、甘みがあって美味しいですね。
 近くの高校生がお小遣いで毎日食べに来ているようで、あんた達、他県に行ったらうどんは食べたらいかんよ。

 ご馳走様でした、ホント、美味しかった。

 次の店はことでん(高松琴平電気鉄道志度線)で一駅ありますが、調べた感じでは歩けそうなので歩いてみます。
 JR、国道、琴電と並んでいる国道を北に20分ほど歩くと右手(海側)に大谷製麺所@香川県高松市、この店もセルフうどんと書かれています。

 10台ほどの駐車場は満車ですが私は徒歩なので関係ないですね。
 店内に入るとがらんと広い感じで後客もいないのでゆっくりと天井からの仕切りに掲げられたメニューを眺めていると、「何にしますか」と店員さんに声を掛けられてしまいました。
 メニューはうどんとしてかけ、ぶっかけ、釜揚げ、ざる、醤油、しっぽく、生(き)そばというのもありました。
 他は天ぷら、おむすび、巻き寿し、いなり寿しと2軒しか知りませんがおそらくこのくらいが讃岐うどんのスタンダードなんだろうな。

 オーダーするとすぐに茹で上がって出来上がり、トッピングを乗せてお会計。
 ぶっかけうどん250円に練り物100円、30席はありそうなカウンター席に座りました(小上がりもあります)。
 うどんに大根おろし、おろし生姜、青ネギ、白胡麻と振りかけられていて、レモン欠けも乗っているので絞ってみました。
 軽く混ぜてから食べてみると「おおっ」と声が出てしまうほどの旨さ、なんだよこの旨さは。
 これが讃岐のぶっかけなのか、今まで都内で食べていたぶっかけって一体なんだったんだろう。

 箸より太い極太麺はぷるんぷるんとコシがあるとか強いとかの表現では足りないほど、しかしまだこの店はロードサイドで本物の讃岐うどんではないのだろう。
 周りを見渡すと小さな子供から年金生活者と思われる人生の先輩まで、ゆっくりとうどんを食べていて、ゆったりした雰囲気の中で自分一人だけが勝手に感動しているという。
 練り物は単なるはんぺんでうどんに合うとか合わないの話しではなく、うどんはうどん、はんぺんははんぺんで食べるだけのことです。
 ご馳走様でした、ああ、美味しかった。

 5分ほど歩いて房前駅、こんな駅で乗り降りするのは自分くらいかと思っていたら、数人のお客さんが乗り降りしていました。
 事前に調べてあった屋島までの券売機で切符を買いました。
 切符は硬券でも軟券でもないサーマルプリンタで印刷されたレジシートみたい。

 10分ほどで到着、駅を降りてアイフォーンで店の場所を探すと何か変。

 潟元(かたもと)駅で降りないといけないのに屋島(やしま)駅で降りてしまったようです。
 特急に乗って全体的に1時間ほど早く行程が進んでいるので、いっそのこと観光でもするかと思ったのですが、まあ、いいか、とお店に向かって歩き始めます。

 出来るだけ大通りを通るようなルートで歩くと、SoftBankショップとミスタードーナツが併設されています。
 ラッキーとばかりにSoftBankショップでアイフォーンの充電をお願いし、ミスタードーナツでカフェオレを飲みながらパソコンしつつ一休み。

 1時間ほどで出発、15分ほど歩くと高松家@香川県高松市や右手に見えてきます。
 家系好きを自認するのは家系直系全店まわってからと思っていて、残りははじめ家と上越家です。
 うどん包囲網の中(通り反対側にはセルフうどん屋さんが2軒もあるし)、孤軍奮闘に近いラーメン屋、心配なのはそんなところではなく「家系」を「いえけい」と読んでもらえているかと言うことですが。
 入口内側から大きなポスターが貼られ、「家系直系店のみで楽しめるラーメン酢、ジンジャービネガー、きざみしょうがは統将吉村家とその弟子達によって作られました」と書かれていますが。

 時間が時間だけにカウンターのみ5席と11席の店内は店員さん1人だけでお客さんはゼロ、食べ終わる頃には1人いらっしゃいましたけど。
 券売機を見るとにこっと微笑んでしまうほど家系で安心しました。
 レギュラーメニューはラーメン、チャーシューメン(燻製チャーシュー)、つけ麺、濃厚味噌、餃子、まぶしご飯、かしわ飯、ライス、のり、半熟たまご、もやし、めんま、ビール。
 現金トッピングは青ねぎ、白ねぎ、たまねぎ、ほうれん草、きゃべつ、辛もやし、野菜畑、コーン、きくらげ、かつおぶし、背脂。
 値段は横浜と同じで、それが安いのか高いのかは分かりません。
 プラ券を店員さんに渡すとお好みを聞かれますが、「普通で」とお願いしました。
 お客さんが来ない時間帯だからなのか、常にそうなのかは分かりませんが、スープを1杯分だけ雪平鍋で温めていて、家系直系でそれはないんじゃないのかな。

 しばらく待ってラーメン630円に野菜畑30円(現金トッピング)、スープから湯気が上がっていないじゃないですか。
 ドンブリを持ち上げてスープを飲んでみると間違いなく家系の味、間違いはないのだけど薄いじゃないですか。
 野菜畑の茹で湯がスープに入ってしまったのかも知れませんが、茹で湯が出ることは計算済みでの盛り付けは当たり前だし、入ってしまうこと自体が家系直系として失格でしょう。
 短めの平打ち麺は酒井製麺、って酒井じゃなきゃ直系とは言えないだろうけど、毎日空輸しているとしてもどっかに無理がないか。

 トッピングは薄切りチャーシューが二枚、味は問題ないけどもう少し何とかして欲しい。
 大きな板海苔は三枚、ほうれん草は気持ち多め、野菜畑は茹でモヤシだけしか印象に残っていません。
 私は家系が好きなので「分かっているけど出来ない、やらなくちゃいけない」と思われることについて書きたくないから書きませんが、残念な気持ちでいっぱいです。
 カスターセットはラーメン酢、ジンジャービネガー、きざみしょうがにブラックペッパー、一味唐辛子、フライドガーリック、行者ニンニク、粗挽き唐辛子、餃子用と思われる辣油、醤油。

 先ずは行者ニンニクをスプーン1さじ、最後は粗挽き唐辛子を小さいスプーンで2さじ、スープを飲み干してご馳走様でした。
 ご馳走様でした。

 12分ほど歩いて潟元駅、切符を買うと軟券で入札もありました。

 10分ほど乗って瓦町駅、高松市の中心は高松駅ではなく瓦町駅なのでしょうか。
 アイフォーンのマップに従って歩いていると、7分ほどでショッピングモール内にラーメン屋さんがあると示しています。
 ホントかよと足を進めると、支那そばや@香川県高松市が右手に見えてきました。
 ホントなんだ、「味の支那そばや」って看板が出てる、店先には「創業12年」ともあるし。

 支那そばや本店の壁に掲げられている支店巡り、遅々として進みませんが17店舗中7店舗目です。
 店先には「テレビでおなじみ 食材の鬼 佐野実で修業 ラーメン専門 支那そばや高松店」と「中高生50円引き」とあります。
 店内に入ってみると支那そばやにしてはこぢんまりとして天井が低く、右手が厨房、厨房に面してカウンターが4席と6席、左手が4人掛けテーブル2卓、先客数人でカウンター席に案内されました。
 厨房には店主さんと奥さんかな、ホールは息子さんかな、いずれも無表情で実に支那そばやらしいと言えばらしいですが。

 メニューを見ると醤油としてラーメンとチャーシューメン、味噌としてみそらーめん、ねぎみそらーめん、みそちゃーしゅーめん、ねぎみそちゃーしゅーめん、他は名古屋コーチン味付け玉子、おむすび。
 これだけのメニューで12年もやってきたのは凄いと言うしかありません。
 口頭オーダーし、店内奥には製麺機があるのか、とか、味噌ラーメンには胡椒を振らないでとあるが醤油ラーメンにはいいのか、とか、レンゲ入れや水差しは10年前の支那そばやで見掛けたな、とか。

 4分ほどでラーメン700円、麺相はまんま支那そばやだな。
 レンゲを使わずにドンブリから直接スープを飲んでみると何世代か前の支那そばの味、当時はもの凄く美味しいと感じた味。
 今でも充分美味しいとは思うけど随分と古めかしく感じたのはあちこちでラーメンを食べすぎてしまったのかも知れません。
 ラーメン業界の有名な理論の一つに「変わらないために変わり続ける」という春木屋理論がありますが、変わらないために守っていたのか、拒んでいたのか。

 細麺はわずかに固めに茹で上げられ、しなやかな絹のような麺肌とは違って木綿のような柔らかさ、美味しいのですが。
 トッピングの巻チャーシューは大きめでとても美味しく、メンマ、青ネギ、小さめの板海苔。
 麺を食べ終わって冷めたスープを啜ってみましたが、まだまだ美味しくてしばらくスープを飲んでいました。
 ご馳走様でした。

 高松には中々来られませんが、これからも頑張ってください。

 30分ほど歩いてホテルへ、明日早起きしないといけないので早めに寝ますか。

posted by ふらわ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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