小泉毅容疑者は高校卒業まで山口県柳井市で過ごした。少年時代を知る人の多くが「おとなしい子」と話す。柳井市に住む父親(77)も「けんかをするような状況になれば逃げるような子だった」という。
小学校から高校まで同級生だった男性(47)は、逮捕された小泉容疑者をテレビで見て驚いた。「面影はあったが、人相がまったく変わっていた。ふてぶてしい態度は当時からは想像できない。何があったのか……」
中3で担任だった山根定治さん(73)は「数学がよくできて、学年でトップ級だった。いつもニコニコしていて、同一人物とは思えない」と振り返った。
高校時代のクラブ活動は囲碁・将棋だった。別の同級生も「温厚で目立たないタイプだった」と話す。特に数学を熱心に勉強していたという。
卒業後は、佐賀大の理工学部に進んだ。当時を知る名誉教授によると、成績は「平均よりも上」だったが、一般教養の英語の授業を受けず、専門に本格的に取り組む前に中退。サークル活動などにも参加せず、「友だちも多くなかったように思う」と話す。同じ学年だった男性(47)は「1人で授業をうけていることが多かった。目立たず、悪そうではなかったが、まじめに授業に出席していたわけでもない」と振り返った。
父親によると、その後、東京のコンピューターのソフトウエア製作会社に就職したが、数年で辞めた。このころ、横浜で宅配便のアルバイトを経験したという。
職を転々とする息子をみかね、父親は十数年前、つてを頼って広島市のアイスクリームメーカーに就職させた。
だが、まもなく退職し、10年ほど前に再び上京。その後は、実家から連絡を入れても、ほとんど返事がなかったという。