ラーメンでボストンへ架け橋 京の名物店創業者が移住
京都市内を中心にラーメン店を経営した男性が米国・ボストン市に移住し、今秋にも京都市の姉妹都市のボストン市に出店する。激戦区の京都・一乗寺で名物店を築いた32歳の創業者は、「ラーメンで日本と米国、京都とボストンの架け橋に」と新天地での夢を語る。
近江八幡市出身の西岡津世志さん。彦根東高を卒業後、東京で4年間、お笑い芸人として活動。この間に食べに訪れた「東京の有名店のラーメンにはまった」。芸人からラーメンの道へと転身し「将来を担う学生の街に店を出したい」と、2006年に左京区の一乗寺に「ラーメン荘 夢を語れ」を開いた。
しょうゆ豚骨系のスープに太麺、山盛りのモヤシとキャベツ、チャーシューに背脂がのったボリューム満点の品が評価を得た。その後、「地球規模で考えろ」(伏見区)、「歴史を刻め」(大阪市)などメッセージ性のある名前で店を出し、08年12月に「夢を語れ」(左京区)を法人化。これまで6店(1店は1年の期間限定)を経営。年商2億円まで成長した。
一方で「海外で視野を広げ、自ら夢を語れる独立経営者を創出したい」との思いが高まり、海外出店を決意。日本の店舗は後進に譲渡し、「ハーバード大やマサチューセッツ工科大など全世界からトップクラスの学生が集まるボストン」に店を出すことにした。
1月に現地法人を設立、今月16日に妻と2人の子どもとともに米国へ渡った。9月の創業を目指し、物件探しなど準備を進める。日本から米国に桜が贈られて100年目を記念してボストンで4月に開かれる「春祭り2012」にも参画して店をPRする予定だ。
出店後は京都発の食文化を発信するとともに、日米交流を深めることに力を入れる。西岡さんは「京都とボストンが姉妹都市ということを知っている人は少ない。両都市は日米を代表する学生の街。学生が夢を語る場にし、両国、両都市の人や文化の交流促進に役立ちたい。味に共感した留学生が自国で店を開く経営者になってくれたらうれしい」と目を輝かせる。
【 2012年03月24日 13時06分 】
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