デニムのファッションショー3月24日 19時9分
ジーンズなどに使われる日本製のデニム生地が品質の高さから海外で評判が高まるなか、国内でもそのよさを広く知ってもらおうと、24日、東京・銀座でデニムのファッションショーが開かれました。
これは、日本のデニムメーカーやデパートなどが、初めて開いたもので、東京・銀座の中央通りの真ん中に、100メートルにわたってデニム製のカーペットが敷かれました。
東北地方の子どもたちもモデルとして参加し、ジーンズのほか、デニム生地で作られた洋服や着物など合わせて220点の製品が紹介されました。
ショーに合わせて会場の近くにあるデパートでは、デニムで作られたかばんや扇子など独創的な新製品も販売されています。
日本のデニムは、ほとんどが広島県や岡山県といった地方のメーカーが生産しており、丈夫な生地に藍染めなどの伝統技法も取り入れて品質やファンション性を高めているということです。
最近は、アメリカなど海外で人気を得ているということで、改めてそのよさを知ってもらい、少子化などで低迷する国内販売の拡大につなげたいとしています。
日本ジーンズ協議会の貝原良治副理事長は「デニムでは日本が世界をリードしており、常に新しい商品を生み出して販売を伸ばすことで、地域の雇用も守っていきたい」と話しています。
日本のデニムの現状は
日本のデニム生地は、多くは地方のメーカーが生産しています。
このうち、広島県福山市に本社がある最大手の「カイハラ」は、国内のおよそ50%のシェアを持っているほか、アメリカやヨーロッパ、それに東南アジアなど20か国以上に輸出しています。
品質を支えているのが「一貫生産」です。
糸を紡ぐ紡績からデニムの織り上げまですべて自社で行います。
原料の綿は商社を頼らず買い付け、専門の社員がいて、アメリカやアフリカなどから世界各国から調達しています。
また、デニムは、しわが生じやすい生地のため、産地ごとに糸を混ぜる割合を細かく調整することで、しわを無くし、ジーンズ以外にも幅広く使える生地に加工しています。
色合いにもこだわりを持っています。
デニムは染料が空気に触れることで酸化し、濃い青へと変わっていきます。
この会社はもともとは藍染めを行っており、その伝統技法を生かして同じ青でも微妙な色の違いを出し、年間50種類もの新たな色を生み出しているといいます。
いわば“ハイテク”と“ローテク”を融合させ品質を高めているということです。
このため、世界的に知られているアメリカの有名ジーンズや、高級ブランドの服やかばんなどにも広く使われています。
この会社ではさらに着心地がよい、より薄い生地など新しいデニム生地の開発にも力を入れています。
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