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大学病院周辺、渋滞懸念 仙台・北山トンネルあす開通

渋滞する北四番丁大衡線と国道48号の交差点周辺

 仙台市中心部と北部を結ぶ都市計画道路「北四番丁大衡線」の北山トンネル(青葉区木町−山手町)が24日、開通する。県道仙台泉線と並ぶ泉区方面への主要ルートが誕生する一方、北山トンネルの木町側入り口周辺では交通量の急増が予想され、渋滞の緩和や通学路の安全確保が新たな課題になっている。

 北四番丁大衡線の南側起点となる国道48号交差点周辺は現在も、通勤時間帯に1キロ前後の慢性的な渋滞が発生している。
 一因とされるのが、1日平均3000人の外来患者が訪れる東北大病院。580台収容の外来患者向け駐車場に入りきらない車が国道48号にあふれる。北山トンネル開通後は、これまで以上に泉区方面からの車が増える見通しで、さらに混雑が激しくなりそうだ。
 木町通中部町内会会長の志間順治さん(74)は「今でも国道48号は混雑がひどく、通らないようにしている。東北大病院は早期に対策を取ってほしい」と訴える。
 病院は新たに340台収容の駐車場を設置することを決めたが、完成は2014年。住民からは560台分の職員専用駐車場の運用を見直すよう求める声も上がる。
 北山トンネル木町側入り口付近には通町小、木町通小、仙台二中の3校があり、周辺道路は通学路になっている。トンネル開通後は、北四番丁大衡線や国道48号の渋滞を避ける「抜け道」として、通学路の通行量が増えることも懸念される。
 道幅が狭い通学路には歩車道が分離していない場所や信号のない交差点が多い。昨年9月には、通町小の女子児童3人が通学路で車にはねられ、死傷する事故も起きた。
 木町通小学区連合町内会長の鈴木幸夫さん(76)は「車が今よりも増えると、子どもが横断歩道を渡ることさえ危ない状態になる」と心配する。
 木町通小の保護者は4月から通学路の交差点などに立ち、監視を強化する予定。同小PTA会長の佐々木基子さん(48)は「通学路の安全性に問題がないかどうかチェックして、事故が起きないようにしたい」と語る。
 渋滞対策として、仙台市はバスなど公共交通機関の利用を呼び掛け、宮城県警はトンネル周辺に新たに車両感知器などを約20機設置し、こまめに信号の長さを調整して、スムーズに車が流れるようにするという。
 東北大の桑原雅夫教授(人間社会情報科学)は「東北大病院周辺は交差点の形状などからも車が密集しやすい性質がある」と指摘。「北四番丁大衡線と西公園通を直通させ、西公園通に車を分散させるような構造にすれば渋滞の解消は見込める」と話している。

<北山トンネル>2011年12月の完成を目指し08年に着工したが、東日本大震災の影響で工事が中断し、開通が約3カ月遅れた。上り線629メートル、下り線843メートルで歩行者と自転車は通行できない。北山トンネルの完成で1978年着工の北四番丁大衡線は、仙台市青葉区木町−宮城県大衡村間の約24キロが全線開通する。


2012年03月23日金曜日


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