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社会

震災がれき受け入れ要請決議を可決 加古川市会 

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 加古川市会は24日、東日本大震災で発生したがれきの受け入れを市に求める決議を賛成多数で可決した。がれきの広域処理をめぐり、各地の地方議会で同様の決議が相次いでいるが、兵庫県内では初めて。(大久保 斉、上田勇紀)

 決議は市民の理解を得ることを前提に、国が定める放射線基準内のがれきについて、受け入れ準備を積極的に進めるよう要請。「がれきの処理なくして被災地の真の復興はあり得ない」としている。

 この日の本会議に4会派の代表が連名で追加提案。討論はなく、採決の結果、賛成25、反対4だった。提案した市議の一人は「受け入れの動きが広がるよう議会の意思を示した」と強調した。

 加古川市は現在、可燃ごみの焼却灰はすべて大阪湾フェニックス計画の神戸沖処分場に埋め立てている。そのため被災地からがれきを受け入れても、焼却灰は神戸沖へ持ち込まねばならない。

 一方、環境省は放射性セシウムが水に溶けやすいため、がれきの焼却灰が水と接触しないようガイドラインに明記している。加古川市で仮に受け入れたとしても、現時点では海面埋め立ての安全性が確立されていないため、焼却後の灰の行き場がないことになる。

 環境省廃棄物対策課の担当者は「焼却灰を海に直接放り込んで埋め立てる場合は、個別に安全性の評価が必要になる。いつ、どう評価を打ち出すかはまだ検討中だ」としている。

                ◆

 加古川市会が震災がれきの受け入れを市に求める決議を可決した23日、市民からは賛否の意見が聞かれた。

 同市加古川町の団体職員の男性(51)は「被災地にがれきが山積みされている状況ならやむを得ない」と理解を示す。同市平荘町の男性会社員(39)も「どこまでの放射線量なら安全か国がきっちり示し、その範囲内で協力すべきだ」と話した。

 一方、子育て中の主婦(32)=同市=は「健康への影響が出ないか不安。じっくり議論してもらいたい」。原発反対の署名活動を続ける「脱原発東はりまアクションの会」の菅野逸雄さん(62)=同市加古川町=は「国の放射線基準自体があいまい。(受け入れを)性急にする必要はなく、もっと慎重に考えてほしい」と話した。

(2012/03/23 22:43)

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