職業訓練施設で寮生活をしているダウン症の次女②が、連休で帰宅中の日曜日、久しぶりに二人で浜へ行った。サビキでアジでもきてくれたらと期待しての浜行きである。
道中、食堂の看板を見て②が、[和食さと」と言ったので、「へぇー、和食なんて読めるの、すごいなぁ。」とほめると、「ウン、読めるよ。」と、うれしそう。「それじゃ、和食の反対は何かわかる?」と聞いてみる。洋食っていうかな、それとも好きな中華かな。②すかさず、「ショクワ!」と返してきた。お見事!
さて、浜では、師匠をはじめ、いつもの面々がたむろしている。「コンニチワ、今日はどうですか?」 「今日はあかんわ、朝から何も釣れてへんねん。せっかく②ちゃん来たのになぁ。」と、師匠も残念そう。それでも、師匠 ②のためにサオを用意してくれていた。のべ竿に棒浮きをつけただけのごく軽いものである。これなら②にも簡単に扱えるだろう。期待薄ながらも、エサのシラサエビをつけて、釣り始めた。案の定さっぱりアタリがない。
しばらく続けたが、どうにもダメなので、ここで昼めし。途中のスーパーで買っておいた、冷やし中華と鉄火巻を②に食べさせる。
その間も私は、ずっとハネねらいだがサッパリだ。エサを撒き散らしているだけ。食事を終えた②も再挑戦してくるが、あいかわらずシーン。その内二人とも集中力が切れて、ボンヤリしてくる。
と、いつものギャラリーのおっちゃん「②ちゃん、②ちゃん、ひいてるで。はよサオあげなあかんがよ。」 よそ見をしていた②はあわててサオを上げた。やれやれ、ようやく一匹きました。例のタナゴちゃんです。なぁーんだタナゴか、とおもったけれど、「すんごーい!②やったね。大きいやん。」と、それはそれは大仰に驚いてやった。
周りのギャラリーも「②ちゃん、上手やなぁ。」と同調してくれている。②さん鼻高々である。タナゴに続きメバルまで上がってきた。
調子に乗った②は、アタリのないハネと格闘している私に向って、「かあちゃんなにしてんの。しっかりがんばりや。」と、ほざきやがる。こんちくしょう、こっちは60cmのハネをねらってんのじゃ、たかだか15センチのメバルとはチョットわけが違うのじゃ、と、ひそかに舌打ちするも、確かに釣れてないんだからしょうがない。「はぁーい、がんばりまぁーす。」
こうなったら何か釣らないと格好つかないと思い、ハネをあきらめメバルにきりかえた。時刻も夜釣りに入って、頃は良しだ。まず、船の横方向にサオをなげる。しばらくおいて、アタリがないと、ゆっくり横に流してさそいをかける。すると、サオ先にゴンゴンとアタリがくる。そのままサオを正面まで持ってきてスッとあげると、ちゃんとメバルが針にくっついている。これはおもしろい。3回に2回はあげられる。
夢中になり始めた頃、②が「かあちゃん、ティッシュ。ウンコ、ウンコ。」と、泣きそうな声。あわててトイレにはしった。下痢しているようだ。そういえば、さっきから何回もトイレに行くなぁと思っていた。お昼に食べた鉄火巻が悪くなっていたのかな、しばらく車の中にほおっておいたからなぁ。幸い、おなかは痛く無いと言っているが、下痢とあらばいたしかたない。今回はこれまでとしよう。
海の中で釣り上げられるのを待っているメバルに、来週迄まってろよ、と脅しをかけておいて、早々にひきあげた。幕。
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