5つ星のうち 5.0
タイトルに惹かれて, 2012/3/13
恥ずかしながら、仕事を辞めたい、仕事が楽しくないと考える事が多いです。
仕事はお金のため、義務で仕方なくやっていて、毎日が繰り返しで、毎日ひどく疲れて・・・
自分が望んで手に入れた職業なのに、一体どうしてなんだろう、と悩んでいました。
そんなとき、この本のタイトルが目に飛び込んできて、思わず手に取ってしまいました。
これまで、私もこの本の主人公である悩めるサラリーマンのように、いろんな自己啓発書を読んだり、
成功の法則をノートに書き留めてモチベーションをあげてみたり、
自分がとらわれている暗くどろっとした沼のようなものからどうにか抜け出そうと、あがいてきました。
しかし時がたてば、日常の気ぜわしさに本で得た法則も教訓も忘れて、外的な刺激に惑わされて、
何となく元通りに戻っている・・・
深く考えすぎる自分の思考のクセにとらわれて、不満だらけの日常を送っている自分に気付いたのです。
この本の中で、サラリーマンを救うべくいろんな興味深い話をしてくれる大物、マックスおじさんは、
そんな私の固まった頭をかち割るように、成功本で書かれてきた立派に見える法則や方法論に、
大きなばってんをつけました。
成功に定石なんてない、100人いれば100通りの成長や成功があり、幸せがある。
ただできる一番の近道は、自分が昨日とは違う自分になっていること。
ちょっとでも工夫して、ちょっとでもよくしていって、そしてそれを止めないこと。
そして、忘れられない言葉となったのは、
「試してみる事に失敗はない」という言葉。
「やらなければならない」と感じてやっていた仕事が、不思議です、
「試す」という言葉に代わった瞬間、不思議と意欲的に、肯定的に仕事を見られるように感じました。
かちこちの頭で、他の人が通った踏み荒らされた道から正解を求めても、
それはある程度の成果を出しこそすれ、飛躍的で息の長いものではないように思います。
そんな風に縛られるのではなく、もっとやわらかく楽しく、ただあらゆることを、試してみる。
そうすると他の人よりずっと幸運に当たる可能性は高くなる。
重要で心をつかむ言葉は大きく印字されており、ストーリーも児童書のようで分かりやすく、
それでいて伝えていることは、自己啓発書を飽食している人にも新鮮なことが書かれている本です。
しかし、アメリカンジョークや外国の成功者などのエピソードが多く、具体的にイメージがしにくいです。
また、ストーリー仕立てのためか伝えていることはとてもシンプルなのにもってまわった言い方で
まわりくどく伝えており、拒否感がある方もいらっしゃるでしょう。
かくいう私も読み始めるのに長い時間がかかりました。翻訳特有のもってまわった言い方が苦手なので。
しかし私にとっては考え方の抜け道を教えてくれたような本でした。
仕事も周りの状況も決して変わったわけではありませんが、
考え方次第で自分のモチベーションは上げる事ができました。