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阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

SBI「将軍様」のヒステリーを笑う第三質問状

2012年03月23日

このブログ、しばらく休んでいた(ネタの仕込みに忙しい)ので、さぞかし北尾将軍様は、鼻の孔を広げて枕を高くして寝ていたかと思います。ムフフ、残念でした。

後出しジャンケンがお得意の将軍様が、後からどんなパンチを繰り出してくるか、キンシャサのモハメド・アリみたいに、グローブの間からじっと相手を見ていたのです。正直、にやりと笑う心境になりました。だって、わーわー言えば言うほどボロが出てくるんだもの。突っ込みどころ満載ですな。

訴状は確かに届きましたよ。1億5245万円の損害賠償請求と、FACTAおよびFACTAオンラインに謝罪広告を6カ月掲載せよ、というものでした。フン、それくらいじゃ、びくともしないね。厚さ4センチもある写しが東京地裁から郵送されましたが、ほんとにコケおどしですね。本体は20ページばかりで、あとは謄本ばかりじゃないの。この人、訴状まで上げ底なんですね。

将軍様、当たり散らして、ヒステリーを起こしている光景が目に浮かびます。木村剛も菊川剛も、一時はそうでしたよ。

グループ総力をあげての反論も回答書、通知書、それにリリースからヤフー掲示板までじっくり拝見させていただきましたが、肝心なところは「契約上の守秘義務」とやらで、都合が悪くなるとイチジクの葉っぱの癖が丸見えですねえ。

それしても、キジも鳴かずば、の譬えどおり、社員と弁護士総動員でたったあれっぽっちの反論ですか。唯一の成果といえば、将軍様はご自分に都合の悪い質問にはお答えいただけないのだと思っておりましたが、御社のホームページを拝見して、質問には(後出しジャンケンでも)お答えいただけるのだとわかったことです。

さすがは、資本市場の「清冽な地下水」の守護者です。ちゃんとお答えいただけるなら、これにまさる喜びはございません。これからは遠慮なく質問しても、カーッと頭に血がのぼって、要らざることまでべらべら喋りまくり、どんどん馬脚を現していただけるかと、ぞくぞくするほど楽しみにしております。

そこで、さっそくですが、丁寧なお答えを期待して、また質問状を差し上げる次第です。


SBIホールディングス
SBIインベストメント

代表取締役 北尾吉孝様

                 ご好意に甘えて第三質問状

                                     ファクタ出版株式会社
                                     月刊FACTA発行人 阿部重夫

質問1
御社が香港証券取引所のみで開示されたホメオスタイル(以下“ホメオ”)売却の取引は、東証および大証の開示規定上の軽微基準に該当するから開示しなかったというご説明でしたが、ホメオの売上94.9億円(2011年6月期)は、SBIホールディングスの売上1410.8億円(2011年3月期)の6.7%です。同社の純損失10.2億円(同6月期)は、SBIホールディングスの2011年4~12月期の純利益3.1億円の3倍以上です。これを日本語で「軽微」と言うのでしょうか? 御社は業績予想を公表しておられないから開示しなくても構わないということですか?東証の松崎裕之上場部長はじめ取引所の上場部は何と言っていますか? 野村証券ご先輩の斉藤惇東証社長にも説明されましたか。

質問2
ホメオ売却の際の9億円の損失は、2012年3月期第3四半期の決算で、投資有価証券売却損の10.65億円のうちに含まれているのですね? 確認までにうかがいます。

質問3
買い手の一個人の氏名については「ホメオの買主様との契約上の守秘義務があるためお答えいたしかねます」とのことですが、これは不思議なご説明です。東証・大証に開示した場合には当然必要とされる情報だと思います。この守秘義務があるから、東証・大証に開示しなかったという意味でしょうか? どうしても買い手の氏名を言えない条件の取引であれば、取引自体、しなかったほうがよかったのではありませんか? 買い手の税務上の問題でもあるのですか。

質問4
本件取引は、御説明によれば、買主の一個人がホメオを100%引き取り、SBIホールディングスがインターネット総合研究所の投資有価証券を100%引き取った、その代金はお互いに23億円であった、ということですか? また、ホメオスタイルが23億円としたのは評価を第三者に委託せずに買主との間で決めたとのことですが、逆にSBIインターネットキャピタルに新設分割して引き取った資産の中身はどういうものでしたか? 23億円の価値があることを説明いただけますでしょうか? ウェブ上で検索すると、(株)ブロードバンドセキュリティ-、夕張映画社など、SBIインターネットキャピタルが株主となっている会社が見つかりますが、SBIインターネットキャピタルの資産の金額・内容を教えていただけますか? こうした情報は東証・大証に開示した場合には当然必要とされる内容と思います。

質問5
ホメオ向け貸し出しは15億円だとお答えいただきましてありがとうございました。この貸し出しの条件、利率、期限、担保の有無などについてご教示いただけますか? 有限監査法人トーマツの監査人の方々はこれについて正常債権と認識されているのですか? 違う場合にはいくらの引当てが必要と言われているのでしょう? 今までは間接的に完全子会社であったホメオが他人の所有物になったわけですから、債務履行がなされるかどうか、御社の株主の方々も関心があるのだろうと思います。


質問6
「ホメオスタイルの買主様への貸し出しはありませんでした」、とのことですが、もう少し具体的にうかがった方がよかったのかもしれません。2011年3月31日時点、2011年11月30日時点、それぞれ、買い手個人への貸し出しはありましたか?

質問7
社外取締役からの反対意見は出ていないとのことでしたが、本件取引はそもそも御社の取締役会に上程して決議されたのでしょうか? この質問の答えがイエスならば、それは、いつの取締役会だったのですか? 出席の取締役はどなただったかも御教示いただけますか?

今回も明快なご説明をお願いいたします。御社のご回答を、弊誌の肩越しに舌なめずりしてご当局も読んでいますから。

3 月24日

投稿者 阿部重夫 - 12:18| Permanent link | トラックバック (0)



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発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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