橋本昌知事は23日の定例記者会見で、東日本大震災で発生した宮城、岩手両県のがれき受け入れに当たって懸念されている放射性物質について「向こうの方が放射性物質がたくさん含まれていると見ているかもしれないが、福島第1原発からは本県の方が距離は近い」と指摘。「既に県内のがれきは県内で処理しているのだから、同じ感覚で受け取ってもらえればと思う」と述べ、理解を求めた。
橋本知事は22日、県議会ががれき受け入れを求める決議を可決したことを受け、前向きに検討する考えを表明した。23日の会見ではさらに、近く県の担当職員を現地へ派遣するなど調査を進める方針を示した。放射性物質については「県民に数値を示してやっていきたい」と述べた。今後、受け入れに前向きな姿勢を示している市町村に呼び掛け、会合を開いていくという。
また橋本知事は、4月から食品に含まれる放射性セシウムの基準値が1キロ当たり100ベクレルに厳格化されることを受け、検査機器2台を増設、検査員4人を増員することを明らかにした。検査機器は県農業総合センター(笠間市)と県環境放射線監視センター(ひたちなか市)に1台ずつ設置する。【鈴木敬子】
毎日新聞 2012年3月24日 地方版
4月1日北リアス線田野畑~陸中野田間復旧
岩手県・宮城県に残る災害廃棄物の現状とそこで暮らす人々のいまを伝える写真展を開催中。