2012年3月24日
アーチ型の天井が特徴的な建て替え前の旧阪急梅田駅コンコース。コンコースの東西両端に壁画(写真奥)が飾られた=阪急電鉄提供 |
阪急百貨店うめだ本店(大阪市北区)の建て替えに伴い、旧阪急梅田駅コンコースから撤去された壁画が、今秋全面開業する店の最上階の13階に復活する。13階にはレストランが入る予定で、コンコースのアーチ型の天井も再現される。
復活するのは龍(りゅう)と天馬、獅子と鳳凰(ほうおう)を描いたモザイク壁画。京都の平安神宮や東京の築地本願寺など斬新な建物を設計した建築家、伊東忠太(1867〜1954)がデザインした。色ガラスの裏には金箔(きん・ぱく)をはって輝きを出している。
壁画は阪急百貨店の開業2年後の1931(昭和6)年に完成。格調高い雰囲気を醸しだし、市民に長く親しまれてきた。建築史家の橋爪紳也・大阪府立大学教授は「大阪人には子どもの頃から見慣れた壁画で、愛着を持っている人が多い。空間そのものをうまく再現してほしい」。