オーストラリアから帰国したクールダウン組のランニングに、故障中の藤本(左から4人目)と中村(右端)も加わったが…=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスの“中盤クライシス”が23日、深刻化した。前日にACL豪州遠征から帰国し、25日の新潟戦(瑞穂陸)に向けて愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習したこの日、MF吉村圭司(32)が股関節を故障していたことが判明。MFダニルソンは前節FC東京戦での退場処分で出場停止となっており、直近2試合に先発したボランチ2人の離脱が濃厚となった。MF藤本とMF中村の復帰も見送られそうな状況で、実績ある中盤の選手を軒並み欠いたまま新潟を迎え撃つ。
9日間で豪州遠征を挟む3試合を戦う試練の3連戦。その3戦目を前に、野戦病院状態のチーム状況はさらに悪化した。
クールダウンを行ったセントラルコースト戦の先発組に、いるはずの吉村の姿がない。豊田市内の病院から戻った吉村によると、試合前日の練習で股関節痛が発生。強行出場し後半24分までプレーしたが、状態は悪化してしまったようだ。精密検査では肉離れの兆候は見られず、新潟戦について「わからない。明日になってみないと」と話したが、出場は厳しい状況だ。
新潟戦での復帰を期待される3人の司令塔も、状況は芳しくない。10日の開幕戦で右足首をねんざした藤本はこの日、痛みが長引いているため再度、精密検査を受けた。新たな異常は発見されなかったが「少しずつ良くはなってきているけど、予想以上に長引いている」と表情を曇らせた。
同じく開幕戦で右ふくらはぎの肉離れを負い全治2週間と診断されていた中村も「もうちょっとかかりそう。こういう状況なんで試合に出たいですけど」ともどかしさをあらわにした。
ただ、右すね打撲で離脱していたMF小川はこの日の練習に完全合流しており、ようやく今季初出場となりそう。小川と組むボランチには若手MFの田口、磯村のほか、活発な動きを見せる新人の水野の抜てきもありえる。どちらにせよ、辛酸なめた選手会長と若手の奮起なくして、この難局は乗り切れない。 (宮崎厚志)
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