北朝鮮が、4月15日の故金日成(キムイルソン)主席の生誕100年に合わせ、同月12〜16日の間に、地球観測衛星「光明星3号」をロケット「銀河3号」で打ち上げると予告した。北朝鮮はこれまで「人工衛星」の名目でミサイルを発射してきた。今回も実態は長距離弾道ミサイルの発射実験とみられる。国際社会が反発するのは当然だ。
国連安全保障理事会による2009年の北朝鮮制裁決議は、弾道ミサイル技術を使った全ての発射を禁じた。「人工衛星」と言い張っても決議に反するのは明らかだ。米国は長距離弾道ミサイルの発射実験停止などを盛り込んだ米朝合意に矛盾すると批判しており、強行すれば食糧支援も凍結される。
ロケットの発射は国際的孤立を深める愚行以外の何物でもない。北朝鮮は、自己中心的な行為が自国に不利益しかもたらさないことをよく肝に銘じ、打ち上げを見合わせるべきだ。
予告によると、ロケットの1段目は韓国の西方沖、2段目は発射地点から約3千キロ南方のフィリピン東方沖に落下する。沖縄など南西諸島上空を飛び越えることになる。失敗すれば日本の領土、領海に落ちてくる可能性も否定できない。安全を守る観点からも断じて容認できない。
北朝鮮側は「衛星」の発射を「宇宙の平和利用の権利の行使」と主張し、米朝合意に抵触しないと強弁している。米国は北朝鮮との間で合意内容を再確認し、強く自制を促すべきだ。
軍事・科学分野の成果を示すことで金正日(キムジョンイル)総書記の後継指導者となった金正恩(キムジョンウン)氏の力を内外に誇示するのが狙いと思われる。そのような発想自体、国際社会の共感を得られまい。
今、金正恩氏に求められるのは、金正日総書記から継承した軍重視の「先軍政治」の指導路線を捨て去り、平和的に国際社会に協調していく路線へと大きくかじを切ることだ。
その第一歩として、ロケット発射の方針を撤回してほしい。日本人拉致問題についても、実態を詳細に明らかにし被害者全員を速やかに帰国させるべきだ。
軍事力を頼みにした「脅し」の外交は不信感しか生まない。国民生活を向上させ、国力を増強させたいのなら、他国の迷惑を顧みない独り善がりの態度を改めるしか道はない。
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