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3県警が対応不備認める、遺族に検証結果を報告

 昨年12月、長崎県西海市で起きたストーカー殺人事件で、千葉、長崎、三重の3県警は、妻と母を殺害された山下誠さん(58)の三女(23)がけがをしていると知りながら千葉県警習志野署による傷害事件での立件が遅れたことなど、3県警の対応の不備を認める検証結果をまとめた。捜査関係者への取材で4日わかった。

 3県警は4日、一部遺族に対し、検証結果の報告を始めた。5日にかけて他の遺族にも報告した後、検証結果を公表するとともに、各県警間の情報共有などを軸とした再発防止策を明らかにする。

 山下さんの妻美都子さん(当時56歳)、母久江さん(同77歳)は昨年12月16日、自宅で殺害され、三女にストーカー行為をしていた三重県桑名市の無職筒井郷太容疑者(27)(鑑定留置中)が殺人容疑などで逮捕された。

 山下さんは昨年10月29日以降、千葉県習志野市に住む三女が筒井容疑者から暴行やストーカー行為を受けていることを、3県警に相談していた。

 山下さんは〈1〉昨年10月30日、習志野署員らが三女のマンションに立ち入った際、三女が顔や腕などに殴られたような痕があったにもかかわらず、筒井容疑者を警告だけで済ませ、その後も事件化が遅れた〈2〉同11月21日、筒井容疑者から三女の同僚らに対する脅迫メールについて3県警に相談したが、「メールを受けた人の住所地の警察署に相談して」と言われた――など警察の対応を問題視。同12月、「この国で、だれが筒井容疑者のような危険人物から命を守ってくれるのか、今も分からずにいる」と警察への不信感をつづった手記を公表し、3県警に経緯をただす質問状を出していた。

2012年3月5日  読売新聞)
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